【まずはここから】ビジネスに影響を及ぼす予兆はあるか?PEST分析の基本

PEST分析とは「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4点をまとめるためのフレームワークです。PESTの4要素はマクロ的な外部環境であり、変化が起きた際に抵抗することが困難な要素になります。例えば法律が変わってしまえば、退却を余儀なくされるでしょう。競合が新技術を使って利便性を高めた場合、自社のバリューの優位性は一気に減少してしまいます。あらかじめPESTを把握しておくことで、マクロの外部環境が変化した際に備えられます。「自社に影響を及ぼす要因(チャンスとリスク)を抑えたい」「ビジネスに変化を及ぼす予兆を察知したい」というシーンにおすすめのフレームワークです。

今回はPEST分析をはじめて利用する方に向けて、過去に記載した記事を参考にしながら基本をすべてお伝えします。概要や作り方、考え方のコツ、実際の作成事例などをお届けしますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

PEST分析とは

まずはPEST分析の概要をお伝えしましょう。先述した通り、PEST分析は「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4要素をまとめるためのフレームワークです。ミクロと違って外部要因は大きなパワーを持っています。法律によって事業継続が困難になる可能性もありますし、社会の変化によって顧客が離れてしまう場合もある。また反対に経済の衰退がチャンスになる可能性がありますし、新技術を開発すれば一気に優位性を担保できるかもしれません。

具体的にいうとPESTとは以下の要素を指します。

・政治:法律の改正、政権の交代、国際的な政治動向、補助金、助成金など
・経済:景気の上がり下がり、雇用率、賃金の動向など
・社会:トレンド、社会問題、新たな文化の出現など
・技術:AIやIoTなどの技術革新など

「いざ」というときに備えて、あらかじめPESTの4要素を把握しておきましょう。すると自社が有事の際にどう動けばいいのかを把握できます。PEST分析はまさに未来志向型のツールです。現在のビジネスが好調な収益を挙げていても、これから先にどんな困難が待ち受けているか分かりません。ツールとしてまとめながら、時期に合わせてブラッシュアップすべきツールなのです。

簡単な概要や書き方、併用できるフレームワークなどは以下の記事をご覧ください。

 

 

PEST分析で2020年のマクロの外部環境を分析

具体的に2020年のPESTをご紹介します。2020年には東京五輪が予定されていましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によって、延期になってしまいました。そのほかのイベントに関しても随時中止がアナウンスされています。

PESTでいうとコロナは政治、経済、社会、技術のすべてに影響を与えました。政治でいうと助成金や医療法の改正などがなされました。経済は間違いなく衰退しましたし、社会トレンドは「巣ごもりの楽しみ方」や「テイクアウト」などで染まったのは記憶に新しいでしょう。また技術でいうとリモート会議ツールやURL共有などの機能がさまざまなデジタルツールに実装されています。

そんなコロナ一色となった2020年のPESTについては以下の記事にまとめておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

PESTとSWOTの違いとは

PEST分析と混同されてしまいがちなフレームワークにSWOT分析があります。SWOT分析とは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Thread)」の頭文字を取って名付けられたフレームワークです。自社の強みと弱みを明確にしたあとにビジネスにおけるチャンスとピンチを定めることで「チャンスを最大化するための施策」や「ピンチを最大限抑える施策」などを把握しておくことができます。

SWOTもPESTも未来志向のフレームワークであり、今後のビジネスのあり方を決められるのがメリットです。またPESTはもちろんSWOTにも外部環境の視点が含まれています。なので、混同してしまうこともあるでしょう。しかし両者には2つの明確な違いがあります。

まずは「作る際の目的の違い」です。そもそもPEST分析は先述したようにマクロの外部環境を分析するためのツールになります。内部環境の視点は含まれておらず「マクロ的な外部環境は今後どう変わるのかを知る」という目的で作成されます。一方、SWOT分析のSとWは事業内部の視点です。「外部環境がどう変化するのか」だけではなく「変化のなかで収益を最大化するための行動を決める」という目的で作成します。

そのため、作成する順番としてはまずPEST分析をしたあとにSWOT分析をするべきなのです。両者の違いや3C分析も含めた策する順番に関しては以下の記事をご覧ください。

 

 

PEST分析の作成事例を3つ紹介

PEST分析を作る際に気を付けたいのは「自社という単位では考えてはいけない」ということ。なぜならマクロの外部環境は業界全体に共通しているものだからです。こうした外部環境の変化には競合も含まれることになります。業界全体を広く見ながらフレームワークを構築しましょう。では、具体的に3つの業界をPEST分析でまとめましたので、作る際の参考にしてみてください。

 

1. 食品メーカー業界のPEST

食品メーカーのPESTを分析しました。どのような法律の影響を受けるのか、消費者のどんなトレンドがビジネスに変化を及ぼすのか、などをご覧ください。

 

2. プリクラ業界のPEST

衰退しているプリクラ業界をPESTでご紹介します。各社が収益の減少を余儀なくされ、退却していくなかで「フリュー株式会社」だけが順調に売り上げを高めているのがプリクラ業界の特徴です。なぜフリュー株式会社は衰退産業のなかで生き残れたのでしょうか。PESTを見ると、その理由が分かります。

 

3. 看護業界のPEST

看護業界のPEST分析をご紹介します。看護業界は超高齢社会の日本において、非常に注目されている状況です。では今後の看護業界はPESTによってどう変化するのでしょうか。3CとSWOTによって、実際にすべき施策までをご紹介します。

 

 

PESTによって、未来の行動を決める基準が明確になる

2020年は新型コロナウイルスによって、マクロ外部環境が大きく変化しました。2008年のリーマン・ショックを思い出した方もいらっしゃるでしょう。こうしたマクロの外部環境は突然、発生するものです。あらかじめ準備をしておくことで、打ち手が分かりますが、準備ができていないと、収益は下がる一方になってしまいます。事実、今回のコロナショックによって多くの店舗・企業が閉鎖になりました。以下に外部環境を予測することが重要かが分かったのではないでしょうか。

PEST分析はBizMakeからどなたでも無料でご利用できます。まだ自社のマクロ環境について知らない方は、ぜひ作成して未来を予測してみてください。

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