【まずはここから】ビジネスで解決したい課題(ジョブ)は何か?ジョブ理論の基本

「ジョブ理論」とは、ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授の著書で有名なフレームワークです。顧客がやらなければならないことや抱えている課題が「ジョブ」であり、人はジョブを解消するために商材を「雇う」という考え方です。顧客が商品を購入する本当の理由を明らかにするフレームワークになります。

「顧客のジョブ」とは一言で説明すると「ある状況下において顧客が抱えている仕事や課題や成し遂げたい目標」などのことを指します。綺麗に訳せる日本語がなくJobs to be doneをそのままジョブと表現しています。商材を使って自身のジョブを解決することによって顧客は自身のなりたい姿になります。つまりサービスやプロダクトはジョブは満たすものでなければいけません。ジョブはビジネスを始める際の起点になるものなのです。

その後のビジネスモデルの特性はすべてジョブを考察して具体化することをおすすめしまう。特に現代では「作れば売れる」という時代が終わり、顧客が自身のニーズを満たす商材を選べるようになりました。以前に比べて、より「顧客体験を主役にしたプロダクトやサービス」を作ることが重要になっています。

しかし実際に「顧客の課題のとらえ方がわからない」「どのようにジョブ理論を活用すべきかわからない」といった方もいらっしゃることでしょう。そこで今回はジョブ理論を初めて使う方に向けて「ジョブマップの記載する手順」や「インタビューの際に注意したいこと」「実際の企業の事例」などについてお伝えします。各見出しに過去に解説した記事をご紹介しますので、詳しく知りたい方はご覧ください。

 

 

ジョブ理論とは

ジョブ理論は先述したように「顧客が抱えている仕事や課題や成し遂げたい目標」を把握するための手段です。ユーザーはサービスやプロダクト、アプリケーションなどを利用するときに、必ず「成し遂げたい目的」があります。ジョブ理論ではその目的を「ジョブ(仕事)」と位置付けており、実際に商材を利用することを「ハイア(雇う)」としているのです。ジョブ理論とは「人が商品やサービスを買う行為の背後にあるメカニズムを、論理的に説明するための理論」だといえるでしょう。

より分かりやすくジョブ理論の概要を説明するためにNetflixの例を挙げます。Netflixの直接的な競合はAmazon primeやHuluの動画ストリーミングサービスになります。しかしNetflixを使う顧客のジョブは「動画を見る」といったものだけではありません。大きな枠で考えると「暇つぶし」をしたいとなります。その際に代替品となるのは例えば「ゲーム」や「本」「お酒」なんかも入ってきます。ジョブを考慮することで捉えている市場を広げることが可能になり、本来の競合を知ることができます。

ジョブには3つの側面があります。「機能的」「感情的」「社会的」の3点です。顧客は必ずしも機能的なジョブを満たすだけのために商材を使うわけではありません。「利用した結果、どんな感情になりたいのか」または「どんな感情を覚えたくないのか」、「周りからどう思われたいのか」「どう思われたくないのか」といったジョブがあります。

実際にジョブ理論を解説する際に用いられる例でいうと「ミルクシェイクの物語」があります。売り上げの伸びなかったファストフード店がジョブをキャッチしたことで適切なミルクシェイクの改良に成功した、というお話です。ジョブ理論の概要やミルクシェイクの例について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

顧客のジョブの見つけ方

ゼロから顧客のジョブを考えたい、とお考えの方は以下の記事を参考にしてみてください。「自分の原体験を大事にする」「ネガティブジョブをイメージする」などの発想の原点を紹介しています。

 

 

ジョブ理論をフレームワーク化したジョブマップとは

ジョブ理論に沿って顧客のじょを導き出すために「ジョブマップ」というフレームワークを用いることができます。まず設定するのが「顧客の中核的なジョブ」と「ペルソナ」です。この2点を明確に記載したのちに、先ほどの「機能的」「感情的」「社会的」なジョブについて記載します。

その後「計画」から「終了」まで「顧客がハイアするための8ステップ」を記載することでカスタマージャーニー的な視点を加えながら顧客の行動の仮説を立てられるのです。ジョブマップの書き方について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

 

 

ジョブ理論を構築する前にはインタビューが必要になる

最終的にはジョブマップを組み立て、未解決のジョブを探すことがゴールになります。しかしもちろん想像だけでジョブを設定すると大きな勘違いに発展しますので、あらかじめ市場調査が必要です。調査会社を利用したアンケートなども手段ではありますが、より確実な仮説を立てるためにおすすめなのがインタビュー調査です。

しかし普段からインタビューをし慣れていない方がいきなり質問をすると自分の主観が入ってしまい「顧客の本当の声」を逃してしまう可能性もあります。インタビューの前にぜひ以下の記事をご覧ください。何に気を付けてインタビューすべきなのか、を解説しました。

 

インタビューで「消費者インサイト」を得る

インサイトとは直訳すると「洞察」になります。顧客は困っていることや自分が欲しいものを言語化できていません。インタビューを通じて顧客も理解できていないジョブを発見できるかどうかが重要になり、未解決のジョブ発見がインサイトとなります。

 

 

ジョブ理論用語集

ジョブ理論にはいくつかの用語があります。応用編にはなりますが、ジョブ理論をしっかり理解するために以下の要素を覚えておきましょう。

ビッグハイア・リトルハイア

先述した通り、顧客が商材を利用することを「ハイア」といいます。ハイアには2種類ありそれぞれを「ビッグハイア」「リトルハイア」というのです。ビッグハイアは「顧客がサービスやプロダクトを購入した瞬間」であり、リトルハイアは「顧客がサービスやプロダクトを利用した瞬間」になります。なかでもリトルハイアが重要です。詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

 

ジョブスペック

ジョブスペックとは、顧客のジョブを解決するために商材に持たせる性質を指す言葉です。顧客のジョブを理解した後は、当然ジョブに応えるための4Pを設定しなくてはいけません。その機能やデザイン、価格などを総称して「ジョブスペック」といいます。詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

 

 

状況ごとに使い分けるジョブ理論活用法

すべての人の行動背景には「ジョブ」があるといっていいでしょう。なので、ジョブ理論はあらゆる状況に対応できます。もちろん商材のターゲットニーズを分析するために使えますし、就活の際には面接予定の採用担当者のニーズを分析できます。究極的にいうと友人や恋人を喜ばせるためにも用いられる手法です。ただし、使う方の状況によって考え方は違います。分かりやすくいうと、BtoCとBtoBのビジネスでは顧客の性質は大きく違う。そこで以下の記事ではジョブ理論の活用方法をシチュエーションごとに分けて解説しました。気になる方はぜひご覧ください。




 

 

ジョブ理論の企業事例

ジョブ理論の使い方やビジネスにもたらす影響について理解できた方は、実際にジョブマップを組み立てることになるでしょう。そこで役に立つ商品事例をご紹介します。タクシー業界や音楽業界に革命をもたらした2つの会社・商品についてジョブマップを作成しましたので参考になさってください。

 

 

他の著作でクリステンセンのジョブの考えをもっと深掘りする

では最後にジョブ理論以外のクリステンセン教授の提唱する理論をご紹介します。次々に名著を残したマーケティングの雄はどんな思考でビジネスを捉えているのでしょうか。



 

 

「顧客のジョブ」はビジネスの出発点であり、ゴールでもある

顧客のジョブが分からなければ、そもそもビジネスはできません。提供価値も浮かばないし、何を売るのかも定かではない。だからこそ、ジョブを把握しておくことが重要なのです。「なぜ顧客は商材を利用するのか」という当たり前を解消することが重要ですので、初めて利用する方は今回の記事をぜひ参考になさってください。

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