ビジネスチャンスは近くにある!?SWOT分析の「機会」の考え方とは

SWOT分析は自社の内部環境と外部環境の両方を分析するためのフレームワークです。「強み」と「弱み」は、自社のことなので把握しやすい方もいらっしゃるでしょう。しかし「機会」と「脅威」の外部環境は分かりにくく、想像でしか設定できないこともあるのが実状です。

今回は2つの外部環境のうち「機会」を導き出し方についてご紹介。どのような状況が自社にとっての「機会」になるのか、を考える方法をお伝えします。

 

 

SWOT分析とは

企業の内外環境を分析するためのフレームワークが「SWOT分析」です。「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」という内部環境「機会(Opportunity)」と「脅威(Thread)」という外部環境の両方を分析するために使います。

自社の現状を把握できるほか、外部環境の変化によって利益を最大化するための戦略を考えられるのが魅力です。チャンスをどう生かし、ピンチにどう対処するのか、が分かります。

詳しくは以前解説したSWOT分析についての解説記事をご覧ください。

 

SWOT分析における「機会」とは?

自社の内部情報はすぐに把握できるものの、外部の環境をどう分析すべきなのか、分からない方もいらっしゃるでしょう。

シンプルに考えると、機会とは「自社にとっての追い風」となります。例えば「世間的な影響力がある方が、宣伝してくれる」「サプライヤーが値下げをする」などです。

しかし思い付きで要素を並べてしまうと、不備が出てしまう可能性もあります。最大限、アイディアを出すために他のフレームワークを併用しましょう。

 

「機会」を考えるために他のフレームワークを使う

外部環境を分析するためのフレームワークに「PEST分析」と「5forces分析」があります。これらを使うことで、何が「機会」になるのかが論理的に分かるのです。では、2つのフレームワークの概要について、簡単にご紹介しましょう。

 

PEST分析

PEST分析とは「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4要素を見ることで、マクロの視点で外部環境分析ができるツールです。

政治であれば法制度や、国際情勢などの変化があがります。経済は景気や最低賃金などです。社会はトレンドや風潮などの変化を記載し、技術はテクノロジーの進化や開発製品などが主な要素になります。

PEST分析によって広い範囲で分析をしたら、次にミクロの外部環境を分析するために5forces分析をしましょう。

 

5forces分析

5forces分析とは自社を取り囲む5つの外部要因を分析するためのツールになります。具体的にいうと「買い手」「売り手」「競合「代替品」「新規参入者」の5要素の変化を予測するために用います。

商材を卸す「買い手」顧客となる「売り手」同じ業界で勝負をする「競合」提供価値が似ており、顧客の同じニーズを満たす「代替品」、そして自社にとっては後発のライバルになる「新規参入者」の5つの要素を把握しておきましょう。


 

 

2つのフレームワークによって分かるSWOT分析の「機会」

では、2つのフレームワークにある9つの項目を用いて、SWOT分析の「機会」を探っていきましょう。

 

1. 政治

・法改正によるチャンス到来
・関税の引き下げによる仕入れ値のカット

 

2. 経済

・景気の上昇
・物価の向上による値段の引き上げ
・為替の変動による優位性

 

3. 社会

・トレンドの変化によるブーム到来
・顧客がインフルエンス力を身に着ける
・SNSで話題になる
・競合の人気の低下

 

4. 技術

・最新技術の導入による優位性
・自社開発ソフトのイノベーション
・技術力の向上によるコスト削減

 

5. 買い手の交渉力

・買い手の不振による仕入れ単価の引き下げ
・新たな買い手の発掘によるコスト削減

 

6. 売り手の交渉力

・売り手のニーズの変化による値段の引き上げ
・トレンドの変化によるターゲットの拡大

 

7. 競合との関係

・競合からの顧客離れ
・競合とのアライアンス
・競合の撤退

 

8. 代替品の存在

・代替品の撤退
・代替品のビジネスモデル変更

 

9. 新規参入者の登場

・新規参入者のM&A
・新規参入者の撤退

 

 

外部環境を丁寧に観察して「機会」を決めるべき

「ビジネスチャンスは、どこに転がっているか分からない」といわれることがありますが、PEST分析や5forces分析で外部環境を把握したうえで、SWOT分析で強みと結びつけることで、可視化できます。「機会」は利益を最大化するために、もれなく把握しておくべきことです。必ず、単体ではなく他のフレームワークを活用しながら進めましょう。

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