「タスク処理」が仕事になってるプレイヤーを「ジョブ先行型」に変える方法

事業責任者やチームマネジャーの悩みとして「プレイヤーへの指示出しに工数を割かれている」という問題があります。「プレイヤーが自分でタスクを生み出して処理するようになってくれれば……」と悩んでいる方も多くいるでしょう。指示出し体質のチームになるとさまざまなデメリットがあり、気づけば弱い組織になってしまいます。

だからこそ、現状を変えるために改めて自社の顧客のジョブをあらためてチームに共有する必要あります。仕事ははタスクを処理することでなく「顧客のジョブを満たすこと」なのです。今回はプレイヤーのマインドセットを変えるためのジョブ理論の使い方についてご紹介します。

 

 

「タスク処理型」のチームのデメリット

「マネジャーが指示を出し、プレイヤーがその通りに実行する」という働き方は古くから日本でなされてきた伝統的な組織体系であり、いまさら何の疑問も持っていない方もいらっしゃるかもしれません。しかし確実にその形は見直されつつあります。ではこうしたタスク処理型のプレイヤーが蔓延することで組織全体として、また個人としてどんなデメリットがあるのでしょうか。

 

チーム全体の効率性・生産性の低下

「マネジャーが指示を出す」→「部下がタスクを処理する」→「マネジャーが新たなタスクを探して部下に指示する」といったフローで業務を進めてしまうと、当然チームとしての生産性や効率性が下がってしまいます。

 

マネジャーの疲弊

事業責任者をはじめ、社内の事業をまとめている方は「チーム全体の方針を決める」「数字を見る」「タスクの進捗を見る」などマクロ的な視点のほか「施策を推進すること」をはじめとするミクロの業務もあります。いちいち指示を出しているとマネジャーにとっては負担であり、疲弊してしまうことになります。

 

プレイヤーの人材価値の停滞

指示をそのままこなすだけの業務には思考が必要ありません。極端に言ってしまうとAIでもできる仕事になってしまうのです。プレイヤーの成長はマネジャーの責務であり、企業としての魅力にもつながります。指示待ちの組織になってしまうと人材価値が停滞するばかりか、企業の魅力までを損ねてしまうことになるのです。

 

チーム全体のモチベーションの低下

主体的でないチームになると、モチベーションは下がる一方です。顧客のジョブを捉えることがないので「自分がなぜタスクを処理しているのか」すら分からないまま仕事をする文化が定着してしまいます。この問題は「生産性の低下」や「プレイヤーの価値の停滞」など前述した課題全体につながる問題です。

 

 

理想の組織として注目のティール型の組織とは

事業責任者やチームマネージャー、プロダクトリーダーなどは「強いチームづくり」をすることが大きな仕事の1つです。チーム作りにおいて注目されている言葉に「ティール型の組織」があります。概要を簡単に説明しましょう。

ティール型とは和訳をすると「進化型組織」となります。一言でいうとマネジャーが細かいマネジメントをしなくてもプレイヤーが主体的に動くチームです。この組織を作るための要素としては「組織の目的が共有されている」「プレイヤーがセルフマネジメントできている」などが必要いだといわれています。プレイヤーにとって自分がやるべきことを主体的に考えられる状況を作りだすことでティール型の組織に一歩近づきます。

ティール型の組織はSaaSが流行したり新規事業が重要になったりしているなかで、これまで以上にスピード感を求めた結果として生まれたといわれています。しかし生産性の高い組織はいつの時代も必要なもののはずです。ではこのような主体的で生産性が高い組織を作るコツは何なのでしょうか。

 

 

仕事をする理由は「顧客のジョブを解消すること」

まずはプレイヤーのマインドセットを変えることから始めなければいけません。「仕事=タスクを処理すること」ではないということを伝えましょう。企業が存在し事業がある理由は「顧客のジョブを解決するため」です。ジョブを理解していないまま、タスクを処理し続けても意味がありません。

だからこそ「自分たちのチームは顧客のどんなジョブを解決しているのか」を改めてまとめて教諭しましょう。前述したティール型のつくり方でいうと「組織の目的が共有されている」ことです。では簡単にジョブ理論について概要とフレームワークのつくり方をご紹介します。

ジョブ理論とは顧客が購買をする本質的な欲求を探り、戦略を練るために使うフレームワークです。顧客の欲求を「ジョブ」、欲求を解消するためにプロダクトやサービスを利用することを「ハイア」といいます。

ジョブ理論では顧客のジョブは3種類に分類され、それぞれ「機能的なジョブ」「感情的なジョブ」「社会的なジョブ」という側面から顧客の本質的なニーズを解読します。

またハイアすることによってジョブを満たす流れを「計画」「情報収集」「準備」「確認」「開始」「監視」「変更」「完了」の8ステップに分けることによってカスタマージャーニーマップに近い役割を持たせているのも特徴です。ペルソナを設定したうえで、これらの項目を埋めていくことで「顧客がなぜ商材を用いたのか」「リピートしてもらうためにはどんな戦略を取るべきなのか」が分かります。

ジョブ理論の概要や、フレームのつくり方は以下の記事をご覧ください。

 

 

プレイヤーとして「仕事=顧客のジョブを解決する」を理解する

マネジャーとしてティール型の組織でプロジェクトを進めたいと考えている方は、ぜひジョブ理論を用いて「自分たちの仕事が顧客のどんなジョブを満たしているのか」をあらためて定義化してみてください。アウトプットがあることによってプロジェクトのスピードはぐんと高まります。

またジョブをもとに「ミッション・ビジョン・バリュー」に落とし込むと、より明確にチームの方針を伝えられます。ミッション・ビジョン・バリュー」もBizMakeから無料で誰でも作れますので、ぜひご利用ください。

逆にプレイヤーとして人材価値を高めたい方は「仕事=顧客のジョブ解消すること」という命題を理解することが必要です。「自分の仕事が顧客にどんな価値をもたらしているのか」「顧客をどう変えるために仕事があるのか」を常に理解しておきましょう。ジョブ理論はBizMakeから誰でも無料でご利用いただけます。まだ明確にアウトプットできていない方は一度文章化してみてください。改めて「仕事の意味」が見えてくるに違いありません。

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