BtoB用のSTP分析のやり方をご紹介【事例で解説】

STP分析は、売るべき顧客を決めるとともに、他社との差別化をするためのフレームワークです。セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字をとって作られました。

非常にポピュラーなビジネスツールであり、経営を安定させるために役立ちます。以前、カップ焼きそばのペヤングでSTP分析の作り方を解説しました。

今回はBtoBのビジネスを進めている方に向けて、STP分析のやり方と注意点をご紹介します。

 

 

STP分析とは

STP分析とはセグメンテーション(Segmentation)とターゲティング(Targeting)で、売るべき顧客を決めるとともに、ポジショニング(Positioning)で他社との差別化をするためのフレームワークです。

テクノロジーが進化し、市場には競合があふれるようになりました。また顧客のニーズに合うサービス・プロダクトをつくる必要があります。STP分析はビジネスの流れが変わったからこそ、役立つツールです。

注意したいのは「顧客視点で考えること」です。顧客が好きにサービスやプロダクトを選べるようになった現代のビジネスでは、顧客に選ばれる商材を作る必要があります。

また「ターゲットとポジショニングを呼応させること」も重要です。ポジショニングした位置にターゲットがいないと、矛盾した商材ができてしまいます。ターゲットの軸がぶれないように気をつけましょう。

 

 

BtoBのSTP分析とは

ではBtoBのSTP分析について解説します。BtoBとBtoCとではセグメンテーションとターゲティング、ポジショニングの考え方に違いがありますので、ぜひ参考になさってください。

 

1. BtoBのセグメンテーションSegmentation

BtoCのセグメンテーションでは性別や年齢、性格、居住地域などで分けることがほとんどです。しかしBtoBは会社単位になるので、より複雑になります。個人のプロフィールではなく、従業員数や決済権限の有無、社風、事業内容などの観点から市場を分けていきましょう。性格→社風に、年齢→業務歴に、と置き換えて考えることで分かりやすくなります。

 

2. BtoBのターゲティングTargeting

セグメント化された顧客群のなかから、自社の商材に当てはまるターゲットを選別します。BtoBの場合は、あらかじめ一定数のターゲット企業が実在するか否かを把握しておきましょう。ターゲットの会社の事業内容をまず調べて、市場規模(どれほどの企業数があるのか)を調べることが重要です。事前に照らし合わせて、エビデンスを取っておきましょう。

 

3. BtoBのポジショニングPositioning

ポジショニングはBtoCの場合とほぼ同じです。まずは競合を調査しましょう。競合の成功要因と失敗要因を慎重に探り、差別化をするポイントを決定します。ただしBtoCの場合、決済権を持つのは消費者1人ですが、BtoBだと会社全体の問題なので、窓口があり担当者がいて、決裁権の上長までを納得させなければいけません。誰かの問題を解決するのではなく、部署や社内全体にとって効果があるサービスやプロダクトを意識しながらポジショニングを進めていきましょう。

 

 

BtoBのSTP分析を事例で解説

ではより具体的にするために、事例を用いてBtoBのSTP分析を解説していきます。今回はSaaS型のCRMを武器に市場シェアトップを走り続けるSalesforceを具体例として用いながら解説しましょう。

 

1. セグメンテーション(Segmentation)の事例

まずは市場の細分化です。従業員数や決済権限の有無、社風、事業内容を起点に、膨大な数の企業を細かく分けていきます。社員数はどれくらいなのか、普段どのような社内ツールを用いているのか、創業何年か、取引先はどれくらいあるのか、とさまざまな観点からSalesforceを導入する可能性が高い複数のグループを作っていきます。

 

2. ターゲティング(Targeting)の事例

セールスフォースはSaaS型のCRMサービスです。まずは企業の規模を絞ります。顧客管理が必要なほど、多くの取引先を持つ企業が最優先で決まるでしょう。またSaaSのソフトウェアの操作を不自由なくできる若いマインドを持っていることも大事です。さらに現状で他のCRMツールを使っているが不満がある企業もターゲットに入ります。

 

3. ポジショニング(Positioning)の事例

CRMツールはSalesforce以外でも開発しています。オラクルやSAP。マイクロソフトなどが主な競合のベンダーです。なかでもSalesforceはSFA(営業支援ツール)に力を入れることで、他社と差別化をしています。

 

 

BtoBだからこそSTP分析で戦略を

BtoBの商材の特徴として「導入までのハードルがある」「長期的に使ってもらえる」「商材単価が高い」などがあります。だからこそ戦略が重要です。顧客セグメントを決めなければ、ニーズを把握できません。また競合と商材が被ってしまうと、価格競争になってしまいます。あらかじめSTP分析をして、戦略を練っておきましょう。

STP分析は、BizMake上からどなたでも無料で使えます。またその他18のフレームワークをご用意しておりますので、BtoBの業態でビジネスを推進なさっている方はぜひお試しください。

 

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