7P分析とは? 4P分析をより濃くするためのフレームワーク

4P分析とはジェローム・マッカーシーが1960年代に唱えたマーケティングフレームワークです。商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販売促進(Promotion)の4つの要素によって、自社商材の方向性や戦略を決定できるのが特徴になります。

ただし4P分析は主に製造業や開発業など、自社のプロダクトを持つ企業にとって力を発揮するツールです。サービス業の方にとっては4Pだけでは、不足する部分もあります。そこで現在は「7P分析」という4P分析の進化版のフレームワークも登場しました。

今回は7P分析についてご紹介します。4P分析と比べて、どのような違いがあるのか。またどのようなメリットがあるのかなどを解説します

 

 

4P分析とは?

4P分析とは、商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販売促進(Promotion)の4つの頭文字を取って名付けられたフレームワークです。この4つの要素はどれも商材の特徴を決める大切なもの。あらかじめターゲットの顧客を決めたうえで、選択をしなければいけません。

例えば「一人暮らしの20代のサラリーマンが家でお酒を飲むためのおつまみ」を開発するとしましょう。この場合、商品は大衆的で手に取りやすいパッケージになりますし、価格帯は他の商品と同じく低価格帯になります。また流通としてはネットではなくコンビニやスーパーのようなオフラインの日常的に利用する場所になるでしょう。また販売促進の手段としてはSNSやYouTubeでの広告などが効果的だと思われます。

このように4つそれぞれの要素をロジカルに当てはめることで、売り上げを最大化するための戦略を考えられるのです。


 

 

4P分析の課題点

しかし4P分析には課題があります。それは「サービス業には不足する」ということです。サービス業の価値は目に見えない部分にもあります。

例えば飲食店を考えてみましょう。飲食店の武器はもちろんメニューです。メニュー自体は4Pに当てはめて考えれば、戦略を練られるでしょう。しかし、飲食店の価値はホスピタリティも含まれます。

店員のホスピタリティは飲食店にとって大きな要因です。顧客が飲食店を選ぶ要素の1つにもなります。となると「従業員の存在」も戦略に関わってくるでしょう。また「店内のインテリア」や「店員のユニフォーム」なども重要です。またサービスの提供のプロセスも大事ですよね。高級フレンチと低価格な居酒屋では料理の運ばれ方も大きく違います。

そこでマーケティングの権威であるフィリップ・コトラーが作ったのが7P分析です。特にモノからコトに時代のニーズが移り変わっているなかで、7P分析は効果を発揮します。

 

 

サービス業の特性とは

同じ商材でもサービスとプロダクトでは性質が大きく違います。だからこそ4Pから7Pに昇華することが必要になるのです。ではコトラーが提唱した観点にもとづいてサービスの特性をご紹介します。

 

・無形性/非有形性

サービスはプロダクトと違い形がない資産です。しかし一見、姿が見えなくとも、写真や文章などを用いることで、可視化できます。例えばUberは人を目的地まで乗せるサービスであり見えませんが、移動距離や使用頻度などのデータは可視化できます。

 

・同時性/不可分性

サービスは生産と消費が同時に起こります。生産コストがかかる場合は、多くの消費者を巻き込むことで、ビジネスを効率よく進められます。例えばセミナーからウェビナーへの転換などは圃場に優れた形と言えるでしょう。

 

・非均一性/変動性

サービスは提供者や、提供する時期で品質が変動します。例えば美容室では店舗や担当する美容師によって品質が変わります。なのでマニュアルや教育体制の構築が重要です。

 

・消滅性/非貯蔵性

サービスは蓄えることができません。提供と消費が同時に起こります。なので、時期を見て、受給の関係を把握しておきましょう。例えば旅館は、大型連休の際に満員になりますが、時期が外れると空き家が出ます。無駄の内容に経営をしなくてはいけません。

 

 

7P分析とは

では7P分析を具体的に説明しましょう。頭の4つは4P分析と同じです。そこに物理的環境(Physical environment)とサービスプロセス(Process)、人(People)が加わります。

 

・物理的環境(Physical environment)

サービスは目には見えません。なので、物的証拠を残すことで安心感を付随しましょう。証明書や保証書、契約書などの書類を充実させることで、サービスを可視化することが必要です。またリゾートや飲食店では内外装や従業員の衣装も重要になります。

 

・サービスプロセス(Process)

お客がサービスを受ける前後のプロセスになります。CRMツールのデータ分析などを通して、顧客が最も満足できるようなアプローチ方法、またアフターフォローの手法などを導き出しましょう。

 

・人(People)

自社の社員や協力会社の社員、そしてお客も含まれます。コンセプトに合わせてサービスをた振る舞いをすることで、お客も特別な時間を過ごせるのです。すべてのステークホルダーを自社の配下において、顧客が満足してくれるサービスを構築しましょう。

 

 

7P分析の事例をご紹介

では最後に7P分析のうち、最後の3Pを事例でご紹介しましょう。今回はホテルのリッツ・カールトンを例に挙げます。

 

・物理的環境(Physical environment)

リッツ・カールトンは高価格帯のホテルです。なので内外装ともラグジュアリーな色合いに仕上げています。もちろん、ゴミなどは散乱しておりません。異臭や異音なんてもってのほか。各部屋を常に美し清潔に仕上げています。

 

・サービスプロセス(Process)

宿泊中もお客に気持ちよく過ごしてもらうため、従業員全員がその日に宿泊する客の家族構成や名前などを記憶しているそうです。すれ違う際にも「○○さん、おはようございます」と名前を呼ぶのだとか。プロセスにもホスピタリティが浸透しています。

 

・人(People)

リッツ・カールトンで有名なのが「クレド」です。従業員全員がクレドの書かれたカードを常に胸ポケットに携帯しており、お客様第一の文化を社内に浸透させています。その結果、宿泊客の質も高まっており、余裕のある空間をすべての人がつくりあげているのです。

 

 

7P分析によって、サービス業もマーケティングの基本を構築

さて今回は7P分析についてご紹介しました。4P分析はもちろん、マーケティングの基本として作成いただきたいフレームワークです。サービス業の企業さまは7Pも一緒に作成することで、より詳細な戦略を練ることができます。

BizMakeでは4P分析を無料で作成できます。ぜひご利用ください。

 

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