「協力者」の存在とは?3C分析から4C分析で視点を広げる

3C分析とは自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つの頭文字をとって名付けられたビジネスフレームワークです。しかしテクノロジーが発達し、ビジネスモデルが多様化した現在、協力者(Co-Operator)の存在も重要になってきました。現在では3C分析に協力者を加えた4C分析も頻繁に用いられます。

今回は3C分析と4C分析についてご紹介。フレームワークの概要や協力者を加えるメリットなどについて解説します。

 

 

3C分析とは?

自社と競合、顧客の3つの要素をフレームワーク上で俯瞰して設定できるのが、3C分析のメリットです。

まず顧客を把握することで、ニーズに当てはめたうえで商材を開発できます。そのうえで競合を見つめることで差別化の方向性を定めることが可能です。顧客と競合について把握してから、最後に自社の強みを把握することで、戦略を練ることができます。3C分析をすることで、生かすべき自社の強みが明確になるのです。

また「矛盾のない商材を開発できているか」を確認できるのもメリット。例えば顧客が高齢者なのにEC限定で販売してしまうと、成功の可能性は低くなります。こうした矛盾を避けるためにも3C分析は重要です。KSF(Key Success Frame)、つまり成功のカギを満たしたうえで商材開発をしましょう。

 

 

3C+協力者(Co-Operator)の4C分析とは

3Cの自社、顧客、競合に、協力者(Co-Operator)を加えたのが4C分析です。昨今、テクノロジーの発達によって、あらゆる企業が新事業に乗り出しています。その分、ビジネスは多様化、複雑化しました。そんななか、頻繁に企業間でのアライアンスが交わされています。

そこで提唱され始めたのが4C分析です。3C分析によって、自社の強みと弱みを把握。そのうえで適切な協力者をプラスすることで自社の強みが変わり、KSFにも変化が出ます。商材を取り巻くビジネスが大幅に変化するのです。
 

 

協力者を加えて「4C」にすることのメリットとは

では3C分析から4C分析に拡張することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。順番にご紹介しましょう。

 

1. 強みを補強できる

3C分析によって、自社の強みを把握できます。そのうえで協力者を加えることで、強みをよりパワーアップさせることができるのです。よりはっきりと競合と差別化できますし、顧客のニーズをクリティカルに満たすことができます。商材自体のインパクトにもつながるでしょう。

 

2. 弱みを補完できる

また反対に、協力者を加えることで弱みをカバーできます。例えば「商材単価が高い」というデメリットを抱えている場合、他社との協力によってチャネルや開発でコストを削減できればその分、提供する際の値段も低く設定できます。

 

3. ブランディングができる

協力者の知名度によってはブランディング効果につながります。例えば倉敷のジーンズ職人集団「KOJIMA GENES」はグッチやヴィトンといった世界的なメーカーのジーンズを製作しています。中小企業でも他社を寄せ付けない魅力があれば、大型のアライアンスを組め、ブランディングになるのです。

 

4. 業務効率化に役立つ

他にやる人間がおらず、仕方なく自社で手掛けている作業があるでしょう。他社の専門的な業者に依頼することで業務効率化につながります。協力者を招き入れることで、無駄のない適材適所の経営が可能になるのです。

 

5. 新たな市場も視野に入る

他業種の企業を協力者として迎え入れることで、新たな市場も視野に入ってきます。自社だけでの限界を超えられることも4Cをする意義です。すると“横軸”が拡大しますので、新たな強みも見えてくるでしょう。

 

6. 人的リソースを補完できる

協力者が業務の一部を担ってくれるので、人的リソースを補完できるのも魅力です。スタートアップなどは特に人的なコストを削減しつつ、短時間で業務を遂行すべき「リーン」の形態をとっていますので、他社との協力が必要になるでしょう。

 

4C分析を事例で解説

では最後に4C分析のつくり方を解説します。以前、コンビニ業界トップのセブンイレブンを例に3C分析を紹介しました。

今回は業界2位のファミリーマート3C+協力者(Co-Operator)の4C分析で解説しましょう。作成する順番は「顧客・市場」「競合」「自社」「協力者」です。顧客のニーズをベースに他社の強み・弱みを知ったうえで、自社の差別化ポイントを探ります。そこで足りていない部分、伸ばしたい部分によって、協力者を選ぶべきです。順番を守って分析をすることでエビデンスを得たうえで、確認ができます。

 

顧客・市場Customer

コンビニエンスストアの従来のニーズとしては「今すぐほしい物を買える」「今すぐ食事できる」「ATMを利用できる」などが挙がります。

 

競合Competitor

競合であるセブンイレブンは店舗数の多さとドミナント戦略で多くのユーザーを囲っています。また海外店舗数も圧倒的に多く、海外シェアを今から奪うことはファミリーマートとしては難しいのが現状です。またローソンは成城石井やナチュラルローソンなどを展開し、あくまで小売店という枠組みでコンビニに来る客層を広げています。小売りの業態拡大も難しいでしょう。そのなかで日販(一日の販売額)を高め、利益を挙げなければいけません。

 

自社Customer

そこでファミリーマートが取った戦法の1つが「〇〇するついで」作戦です。何をするついでにファミリーマートで買い物をしてもらう、という手法でコンビニの利用価値を高めました。「フィットネスをするついで」「チケットを買うついで」などを考案しています。

 

協力者Co-Operator

そのために必要な協力者の1つが旅行代理店のエイチ・アイ・エスです。ファミマのマルチ端末・Famiポートでエイチ・アイ・エスの旅行プランを購入できます。エイチ・アイ・エスにとっては決済手段が1つ広がるのでWin-Winの関係です。また日本郵政との業務提携によってゆうちょATMを設置しました。ゆうちょユーザーは「手数料がかかるしセブンイレブンよりファミマに行こう」とお金をおろすついでに、買い物をしてくれるのです。

 

 

4C分析によって、無駄なく自社のパワーを高める

今回は顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)、そして協力者(Co-Operator)の4者を俯瞰的に分析するための4C分析についてご紹介しました。

ビジネスが複雑化し、さまざまな企業が協力して事業を拡大している現在だからこそ、役立つフレームワークです。経営者さまはもちろん、マーケティングの担当者さま、ビジネスを学びたい方は、ぜひご活用ください。

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