
カスタマージャーニーマップの作り方をZOZOの事例で紹介
カスタマージャーニーマップは、現在のマーケティングをするうえで非常に有効なツールです。作れば売れるという時代が終わり、企業はペルソナを絞ったうえで、個に絞って商材を作ることが必要になります。よりマーケティングが重要になっており、カスタマージャーニーマップはさまざまな企業で日常的に取り入れられているフレームワークです。
しかしカスタマージャーニーマップを作成するにあたって、きちんと手順を踏まなければ効果を発揮しません。今回はカスタマージャーニーマップの正しい作り方をファッションECサイトを運営するZOZOの事例で紹介します。
目次
カスタマージャーニーマップを作る前にジョブとペルソナを
「自社の顧客は誰なのか」と問われたときに皆さんはどう答えるでしょう。「性別は男性で~」や「年齢は○○で~」などのだいたいのペルソナを答える方もいらっしゃるかもしれません。または「いろんなお客さんがいるけど…」と即答できない方もいらっしゃるでしょう。
このような状態でカスタマージャーニーマップをいきなり作っても、ロジックがまとまらなくなってしまいます。まずはチームや会社単位で「誰に売るのか」を決めましょう。そのために「どんな状況下にあって、何を求めている顧客なのか」を考える必要があります。そのうえで「ジョブ理論」というフレームワークがとても役に立ちます。
ジョブ理論とは
ジョブ理論とはハーバードビジネススクールのクリステンセン教授が考えたマーケティング理論になります。ある状況下において「顧客がしてほしいこと」や「顧客が抱えている不満」「こなさなけれいけない用事」などを「ジョブ」といい、サービスやプロダクトなどを用いてジョブを解決することを「ハイア」といいます。
ジョブ理論について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ジョブをペルソナに落としこんで顧客像を作る
ジョブ理論を用いて「顧客が求めているもの・こと」が分かったら、次にペルソナに落とし込んでいきましょう。よく「ペルソナ」と効くと年齢や性別、職業などのプロフィール情報を指すと考えられがちですが、最も大事なのは「ジョブ」です。プロフィールの情報はあくまで輪郭をより濃くするためのもの。結局のところ企業は「いかにして顧客のジョブを解決するか」を考える必要があります。
だからこそフレームワークの「ペルソナキャンバス」を用いて、ジョブを主役にペルソナを設定していきましょう。ペルソナキャンバスには「ジョブ」「(ジョブを生んでいる)制約」「ペイン・ゲイン」「感情」などを書き入れます。そのうえで人口動態や属性、既にジョブを満たしている代替手段などを考えていきましょう。
ペルソナキャンバスについては以下の記事をごらんください。
カスタマージャーニーマップを作る
このようにジョブやペルソナを設定すると、狙うべき顧客像がはっきりとします。論理的に顧客の姿を設定し、チームや会社内で共有すたあとに、カスタマージャーニーマップをつくりましょう。ではファッションECを展開するZOZOのカスタマージャーニーマップをつくっていきます。
2020年のZOZOのサービスについて
ZOZOはファッションEC「ZOZOTOWN」や、ファッションSNS「WEAR」などを運営する企業です。ここ数年はアパレルブランドの「ZOZO離れ」が話題になっていました。またプライベートブランドもまだ認知されておらず、奮っていないのが実状です。しかし自社プラットフォームだけではなくPayPayモールでの二軸で販売をした結果、成長は鈍化しているものの、増収増益となっています。
また2020年の10月からはYouTuberなどの若者に支持を受けているクリエイターとコラボレーションしたうえで、複数のブランドマネジメントをスタート。今後も若者をターゲットに、EC販売を促進する姿勢が見て取れます。また外部のブランドに依存せず、自社のブランドを構築しようとしているのもよく分かります。
そんなZOZOをどうやって人は利用するのでしょうか。またなぜ競合のECよりも優先して使われているのでしょう。
ZOZOのペルソナ
ZOZOはファッションSNSなどを併用することでトレンドに敏感な若者向けのサービスを提供しています。ECサイトでの購買に抵抗がなく、かつサイズやイメージを間違えたくないというペイン・ゲインを持っています。またZOZOスーツなどを併用することで、ECでのサイズ違いなどを避けられるよう工夫しています。以上の画像のようなペルソナとなります。
ZOZOのカスタマージャーニーマップ
認知
衣食住の1つであるファッションアイテムは、多くの方々が日常的に購入するものです。オフライン店舗で購入するときもありますしECを観察することもあるでしょう。認知のポイントとしては実際にネットで検索したタイミングもありますし、雑誌やWEAR上のインフルエンサーを使った広告もあります。ZOZOがこれから進めるインフルエンサーとのコラボ企画などは認知施策としても大きな効果を得ることでしょう。
リサーチ
リサーチのために顧客はアプリをインストールするか、ブラウザでサービスを利用します。検索ツールの手段も多く、利便性が高いのが特徴です。ZOZOのタッチポイントは自社ツール上でなされます。競合はブランドのECサイトもありますし、フリマサイトなども含まれます。ZOZOは古着の売買などを自社のアプリ上ででき、競合だけでなく代替品との競争にも備えているのが特徴です。
比較・検討
比較検討の際にはZOZOならではの優位性が発揮されます。他のECサイトにあるような一般的なコーディネートの画像だと、モデルを使っているために現実味がなくなってしまうのが特徴です。しかしSNS仕様であるWEARを使うことで、よりコーディネートをリアルに見られます。
購入
ZOZOの利便性や決済手段の豊富さなどを加味した結果、顧客はアプリを通じて購入をします。最終的にはZOZOならではの利便性やお得さなどを把握したうえでメリットを感じて使ってくれるのが主な流れです。購入につなげるためには、独自のサービスやプロダクトを推していく必要があります。
購入後
購入後はまた使ってもらえるようなファン化の仕組みを構築しなければいけません。1度の利用で終わらないために、購入後にはレコメンド機能やおすすめブランドの新着商品情報などをメールマーケで進めます。またプライベートブランドがあるのも特徴であり、最終的には受託販売の枠から抜け出す必要があります。
カスタマージャーニーマップによって顧客の行動を可視化する
今回はZOZOの例でカスタマージャーニーマップの作り方を紹介しました。カスタマージャーニーマップは、顧客一人ひとりの行動を可視化することができるフレームワークです。個に向けたマーケティングをすることができます。BizMakeではカスタマージャーニーマップを無料でつくることができます。ぜひ一度、お試しください。
