カスタマジャーニーマップの作り方をコロナ以後のUber eatsの事例で紹介!

カスタマージャーニーマップは、マーケティング施策を企画するうえで、役に立つフレームワークです。顧客が自社の商材をどう認知して、興味関心を抱き、何を用いて情報収集をして、どうやって比較検討をするのかなどを考えるために使います。購入までのカスタマージャーニーを考えることで、自社がどのチャネルを使って、どうマーケティングをするのかを考えるために使えるツールです。

カスタマージャーニーマップは現代のビジネスにおいて、非常に有名なフレームワークであり、作成したことのある方も多いと思います。しかし作り方を間違えたり、なんとなくで作っていると効果を発揮しません。

そこで今回はコロナ下におけるUber eatsのビジネスを例に、カスタマージャーニーマップの作り方をご紹介します。どのような流れでつくるのか、何に気を付けるべきなのかについてぜひご覧ください。

 

 

新型コロナウイルスによって大きく変わったUber eatsのビジネス

新型コロナウイルス以降、ビジネスモデルはがらりと変わりました。特に飲食店やアパレル点などの路面店は、大打撃を受けました。自粛ムードのなかでお客様が来なくなり、テイクアウトやデリバリーの量が増えるようになっており、出前館やmenuなど代行するサービスが隆盛しています。なかでもコロナショックを追い風に、Uber eatsは最も知名度を伸ばしたサービスだといえます。今では宅配員の姿を見ない日はないほど、盛り上がっています。

もちろん、新型コロナウイルスが流行する前から、Uber eatsのサービスは展開されていました。しかし、新型コロナウイルスというマクロの外部環境の変化を受けて、ユーザーの使う動機は変わっています。マクロの外部環境を分析するために使うフレームワークにPEST分析があります。PEST分析については以下の記事をご覧ください。

カスタマージャーニーを作るうえで、まずはユーザーのジョブを考える必要があります。ジョブの変化にしたがって、カスタマージャーニーも刷新することが必要です。ではまず「ジョブ」の考え方をご紹介しましょう。

 

 

Uber eatsのジョブの変化とは

Uber eatsは飲食店のメニューをデリバリーできるアプリケーションです。レストランやファストフード店などのメニューをアプリを通して注文できます。まず飲食店はUberと契約をします。ユーザーはUber eatsのアプリを使って、食べたいものを探し、注文します。すると、店側にオーダーが入り、Uber eatsの宅配員が注文された品を店側から受け取り、注文者宅まで配達をする仕組みです。ユーザーが支払う料金のなかにUber eatsの利用料も含まれています。

もともとはさまざまな飲食店のメニューについて、オフィスや家で注文ができるという価値がありました。出前ができる飲食店は限られていましたが、Uber eatsを使うことで飲食店問わず、スマホから多くのメニューを自由に注文できたのです。しかし新型コロナウイルスによってジョブの優先度が大きく変わりました。そこで満たすようなユーザーの「ジョブ」は以下の通りです。優先度が高いと思われる順番で記載します。

 

【コロナ前の顧客のジョブ】

・食事をしたい
・移動したくはない
・家やオフィス日常感を味わいた
・外出した際に飲食店選びに困ってしまう
しかしコロナを経て、Uber eatsを使う動機は大きく変わったといえます。新型コロナウイルスによる自粛ムードが漂うなか、自己防衛のために人々は外に出なくなりました。その結果、以下のようにジョブの優先度が変化しています。

 

【コロナ後の顧客のジョブ】

・食事をしたい
・感染リスクは下げたい
・移動したくない
・家でも贅沢をしたい、非日常感を味わいたい

ジョブが変化すればカスタマージャーニーも変化する

このように状況が変化した際にユーザーのジョブは大きく変化します。また優先する要素も変わるはずです。となると、カスタマージャーニーももちろん変化します。同じ商材だとしても、外部環境の変化によって、顧客が望むことは大きく変わるのです。なので、キャンペーンも変えなければいけません。また一緒にカスタマージャーニーマップも見直す必要があります。

ジョブ関しては以下の記事を参考にしてください。

ではコロナショック以後のUber eatsのカスタマージャーニーマップについて紹介します。

 

コロナ以後のUber eatsのペルソナ

コロナを経てUber eatsのペルソナは以下のように変化をしました。

 

 

コロナ以後のUber eatsのカスタマージャーニーマップ

認知

まずはUber eatsを認知してもらうポイントです。デリバリーアプリを知らないユーザーは、出前を注文する際にネットで周辺の出前可能な飲食店を調べるでしょう。また実際に店舗に足を運ぶ可能性もあります。コロナ下においてUber eatsのサービスは話題になっていますので、口コミで利便性を知ることもあるでしょう。

Uber eatsは配達員に特徴的なリュックを配ることで、大々的な広告を打っています。営業車にステッカーやプリントをする手法と同じ理論です。自転車ということで母数が多く、認知はかなり広まりました。また導入店舗にはステッカーを貼っており、デリバリーを直接注文する顧客にも存在をアピールしています。

 

リサーチ

顧客はデリバリーサービスを認知したあとに、競合も含めて料金や評判をリサーチするでしょう。またUber eatsの最大の難関は安全性です。アメリカではUberの事件なども起こりましたし、はじめて使う顧客としては非常に不安を覚える箇所でしょう。

サービスサイトには「安全性」というページがあり、以下に安心して使えるサービスかを訴求しています。また内部の仕組みも訴求しており、ブラックボックスを無くそうと努力しているのが伝わります。

 

比較検討

ユーザーは他のサービスや、店舗からの出前サービスとの利便性の違いについて比較検討します。ネットで調べる際にはキュレーションサイトなどが豊富にあり、各サービスの評判を調べることが可能です。

サービス側としては比較サイトの情報をチェックすべきですし、広告料を支払って、トップに表示してもらえるようにするのも効果的です。またアプリストアで上位表示を狙うASO施策も必要になります。

 

購入

購入に至った際は顧客はアプリ内で行動を完結します。なので、サービス側のタッチポイントはアプリ内に限られ、システムや機能などをどれだけ拡充できるかが勝負です。Uber eatsはアプリ内で配達員の位置や顔写真を表示することで、安全性を担保しています。またコロナ下において、対面することがない「置き配サービス」も非常に安心できる要素になっているといっていいでしょう。

 

購入後

ユーザーは利便性などを評価してもう一度使うかを決めます。もし料理や配達に不具合があった場合はもう二度と使ってもらえないかもしれません。そのためUber eatsでは料理の不備を写真に撮って送ったら、代金をすぐに返金してくれます。カスタマーサクセスに力を注いでいる証拠ともいえるでしょう。

また購入後に繰り返し利用してもらうため、Uber eatsでは定期的にリテンションのためにメルマガを配信しており、近場のおすすめメニューをレコメンドしてくれる機能もあります。購入後のアフターサポートにも注力しているのがよく分かります。

 

 

ジョブからカスタマージャーニーマップまでを見直して変化に対応する

今回はコロナ下におけるUber eatsのカスタマージャーニーマップについてご紹介しました。状況が変わったら、ジョブ自体が変わり、ペルソナも変化します。カスタマージャーニーも大きく変化するのです。カスタマージャーニーマップはマーケティングの全体構想を大きく左右します。ですので、きちんと場面に合わせて見直しましょう。

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