
着るだけでユーザーの動きを認識するスマートアパレル「Xenoma」をビジネスモデルキャンバスで分析
「衣・食・住」の一つであり、毎日身に着けている衣服が進化してきています。
日頃の運動不足を解消したくても、仕事が忙しい、運動をするための時間を作ることが出来ないといった方も多いのではないでしょうか。
そこで、着るだけで運動効果を高めてくれる衣服があったら良いですよね。
その夢のようなIoT技術を活用した衣服を開発しているのがXenomaです。
他にも、高齢者の健康を監視するためのスマートアパレルも提供しています。
目次
「Xenoma」とは
動きをトラッキングするハイテク衣服「e-skin MEVA」などを提供する東京大学の研究室からのスピンオフで設立されたスタートアップです。
いつでもどこでも、着るだけでユーザーの動きを認識するスマートアパレル「e-skin」シリーズを提供していて、世界で初めて開発した布状電子回路基板 Printed Circuit Fabric(PCF)をコア技術として14個の歪みセンサーと加速度、ジャイロセンサーを搭載しています。センサーや配線はすべて伸縮性があり、高い引張耐久性と洗濯適性を備えている点が特徴的です。
Xenomaのビジネスモデルキャンバス
では、Xenomaのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・日頃忙しいため、短い時間で効率的に運動したい人やトレーニングジム
・筋力の低下などで要介護になる前の予防や、寝たきりの人のリハビリとして利用したい施設
日頃仕事などで忙しく、短い時間で効率的に運動したい人はEMSスーツを着用することで20分という短時間でも効率的に運動することが出来ます。
また、高齢者の健康を監視するためのスマートアパレルも提供しているため、高齢者の介護をしている人も自分だけで見ることが難しい場合に活用することが出来たり、筋力の低下などで要介護になる前の予防や、寝たきりの人のリハビリとして利用したい施設にも活用できます。
2.提供価値
・EMSスーツでエクササイズ時間を短縮し、効率的に運動できる
・着ているだけで健康モニタリングをしてくれるため簡単に健康を管理できる
・全身センサーから最適な健康ソリューションを提供
Xenoma が提供するEMSスーツでエクササイズ時間を短縮し、効率的に運動することが出来ます。
e-skin EMStyle スーツは、24 個の電極を介して着用者の体に電気刺激を与えるため、体はわずか 20 分間の軽い運動で全身運動の効果を得ることができます。
Xenoma の e-skin ラインには、e-skin Sleep & Loungeといった高齢者の健康を監視するためのスマートアパレル、およびカメラなしで体の動きを追跡する「e-skin MEVA」があります。高齢者の介護を必要とする方には介護をする高齢者にパジャマ型のe-skin Sleep & Loungeを着せておくだけで健康モニタリングをしてくれるため安心です。これらの製品はすべて、日常的に使用する衣服に組み込まれた全身センサーネットワークを介して正確な主要データを収集し、そのデータを使用して最適な健康ソリューションを提供することを目的とし、利用者の健康管理が出来るよう考えられています。
他にも、「e-skin」は着用者の動きをいつでもどこでも認識できるため、VRなどのゲームのコントローラーとしても使用することができ、また、ジョギングやヨガなどのスポーツの解析、工場などの作業員の動作解析にも活用することが可能とのことで幅広い分野での活用が期待できます。
3.チャネル/販路
・EMSトレーニングスタジオ「EMStyle On」での体験
・オンラインストア
Xenomaが開設した、東京・恵比寿にEMSトレーニングスタジオ「EMStyle On」ではユーザーが自社製品の 1 つ「e-skin EMStyle Personal」を試すことが出来ます。
仕事帰りや週末のショッピングの合間に、EMStyle Onスタジオに気軽に立ち寄ることが出来ます。
また、オンラインストアからXenomaの製品を簡単に購入することが出来ます。
4.顧客との関係
・オンライントレーニングやライブ配信授業
・スマホアプリとの連携で睡眠チェックが可能
東京・恵比寿に開設したEMSトレーニングスタジオ「EMStyle On」について、スタジオに実際に訪れなくてもオンライントレーニングやライブ配信授業も実施しています。
スタジオへ行くことが難しい方や、家でトレーニングを受けたいといった方でも受けることが出来るのは良いですね。
また、Xenoma の e-skin ラインの衣服は、スマホアプリとの連携で睡眠チェックも可能です。
健康に特化した点が魅力的です。
5.収益の流れ
・スマートアパレル「e-skin」シリーズ販売
・トレーニングプラン「e-skin EMStyle Personal」
プラン:5,000円~26,000円
(EMStyleスーツ49,800円)
スマートアパレル「e-skin」シリーズ販売の他、「e-skin EMStyle Personal」のトレーニングプランにより収益を得ています。
試してみたいといった方向けのライトプラン5,000円から効果を最大化したい方向けにプレミアムプラン26,000円まで用意されています。
効率的に運動することができるよう、EMStyleスーツも49,800円で販売しています。
6.主要な資源
・世界で初めて開発した布状電子回路基板 Printed Circuit Fabric(PCF)
・センサー技術
・ヘルスケアのビッグデータ
Xenomaが提供する「e-skin」シリーズでは、世界で初めて開発した布状電子回路基板 Printed Circuit Fabric(PCF)をコア技術として14個の歪みセンサーと加速度、ジャイロセンサーを搭載しています。
データ駆動型サービスとして、ヘルスケアのビッグデータと e-skin からのデータを組み合わせて、最適化されたソリューションを実現します。
7.主要な活動
・スマートアパレル「e-skin」開発、販売
・オンラインパーソナルトレーニング、トレーニングスタジオの運営
・アパレル企業との共同開発
・データ収集、分析
→サービス向上に活用
主に、スマートアパレル「e-skin」開発、販売を行っています。
他にもオンラインパーソナルトレーニング、トレーニングスタジオの運営やアパレル企業との共同開発や、ヘルスケアのビッグデータと e-skin からのデータを組み合わせて、最適化されたソリューションの実現やサービス向上に活用しています。
8.主要パートナー
・CYBERDYNE
・慶應義塾大学病院
・URBAN RESEARCH、スーツのAOKI
2022年8月には、CYBERDYNEと資本業務提携を締結しました。今回の提携により、サービス体制の強化と顧客開拓を通じて疾患予防に貢献し、データに基づき疾病の予兆をいち早く検出する予防医療の実現に向けて取り組む方針としています。
また、慶應義塾大学病院と Xenomaで、着衣型3誘導ホルターモニターを共同開発し、2022年3月1日に保険適用を開始したことを発表しています。
他にもURBAN RESEARCHのデジタルヘルスケアパジャマの共同開発、スーツのAOKIとスーツの共同開発を行っています、
9.コスト構造
・スマートアパレル「e-skin」開発、生産費
共同開発も含めたスマートアパレル「e-skin」開発、生産費が主なコストとして挙げられます。
アパレル企業との共同開発による新製品の創出と認知の広がり
Xenomaは、他の企業や大学病院、アパレル企業との共同開発を積極的に進めています。
その中でも、アパレルを展開する「URBAN RESEARCH」、「スーツのAOKI」との共同開発に着目しました。URBAN RESEARCHと共同開発したデジタルヘルスケアパジャマは、「美しい眠りをデザインする」をキーコンセプトとし、Xenomaテクノロジーを搭載しました。
また、AOKIとの共同開発のスーツでは上半身の姿勢のデータなどをとるだけで、全身の動きのログをとることは目的としていなく、、体の姿勢などのデータを取って分析することで、スーツを着用するビジネスパーソンの疲労を軽減したり、働き方の質の向上に活かせるような体験を目指しているとのことです。
多くのファンを抱えているアパレル企業と共同開発を行うことにより話題性を集め、認知を広げることに繋がっています。
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