Googleの自動運転車両プロジェクトから開始「Waymo」をビジネスモデルキャンバスで分析

近年、自動車の自動運転技術が進化していっています。
従来までは、あくまでもドライバーアシスト機能までで運転席でハンドルを握っている必要がありましたが今回ご紹介する「Waymo」は、ピックアップから目的地まで常に制御される完全自律型テクノロジーの開発を行っています。
乗客は運転の仕方を知っている必要もなく後部座席に座ってリラックスし、Waymo ドライバーと一緒に安全に目的地まで移動できるといったようなテクノロジーの実現を目指しています。

 

 

「Waymo」とは


引用:https://waymo.com/

無人の自動運転車両によるタクシーのサービス提供を目指す、Googleの持ち株会社Alphabetの子会社です。
前身はGoogleの自動運転車両プロジェクトから始まり、既に米国の一部地域で一般向けにサービス提供を開始しています。
日産、三菱、ルノー、フィアット・クライスラー、ボルボ、ダイムラートラック等の大手自動車メーカーと提携して乗用車から商用バンやトラックまで、さまざまな車両形態でドライバーをより多くの人や場所に届けることができるようにしています。

 

 

Waymoのビジネスモデルキャンバス

では、Waymoのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・配車サービスで目的地まで最短ルートで向かいたい、用事を済ませて移動したい人
・自動運転やドライバーアシスト車を販売したい自動車メーカー
・【今後】運転手が不足しているタクシー業者

Waymoの配車サービスは目的地まで最短ルートで向かうよう分析されているためドライバーによって走るルートが変わることがないためいち早く目的地まで到達することが出来ます。
5つの停留所を追加することも出来る為、個人の用事に合わせての移動したい人にも便利です。
また、自動運転やドライバーアシスト車を販売したい自動車メーカー向けにも自動運転技術を提供しています。
Waymoでは無人の自動運転車両によるタクシーのサービス提供を目指しているため、将来的には、運転手が不足しているタクシー業者向けにドライバーなしで目的地まで届けてくれるサービスの提供も考えているでしょう。

 

2.提供価値

・”完全自律型”技術で運転席に誰もいなくても、安全で簡単に移動できる自動車開発
・目的地までの移動を毎日サポートする配車サービス
→1回の移動で最大5つの途中の停留所を追加できる
・従来のアシスト機能でなく完全自律型の自動車販売を可能にする

多くの企業が「自動運転」機能を推進していますが、多くの企業が持っているのはドライバーアシストテクノロジーであり、依然として人間のドライバーがハンドルを握り、十分な注意を払い、車が対処できない状況ではドライバーが操縦する必要があるのです。
Waymoの場合はピックアップから目的地まで常に制御される完全自律型テクノロジーの具現化で、乗客は運転の仕方を知る必要さえありません。後部座席に座ってリラックスし、Waymo ドライバーと一緒に安全に目的地まで移動することができます。
また、Waymoの配車サービス「Waymo One」では食料品店、仕事場、デートの夜など、目的地までの移動を毎日サポートしています。
1 回の移動で最大 5 つの異なる停留所を追加することができ、自分の車のように用事を済ませることが出来ます。例えば、食料品店で買い物をして、途中のカフェでコーヒーを買うなど自由に移動をすることが出来ます。
また、Waymoの完全自律型運転テクノロジーによって世界のモビリティへのアクセスを改善し、交通事故を減らすことにもつながります。

 

3.チャネル/販路

・米国ユニコーン100社リスト
・専用アプリ(配車サービス)
・提携自動車メーカー

2022年10月現在、Waymoは米国ユニコーン100社リストに掲載されています。
また、Waymo配車サービス「Waymo One」について、Google Mapと連携して予約できるようになったことでより多くの人が利用する機会となるのではないでしょうか。
AndroidユーザーはGoogle Map経由で専用アプリを通じて配車予約できます。
提携している自動車メーカーのWaymo自動運転技術導入からも認知が広がることでしょう。

 

4.顧客との関係

・乗客の用途に応じた配車サービス
・OEMパートナーシップ

WaymoはOEM と提携して、乗用車から商用バンやトラックまで、さまざまな車両形態でドライバーをより多くの人や場所に届けることができるようサービスを提供しています。
そして、ただ単に目的地へ送り届けるだけでなく途中に最大5つの停留所を設定して買い物などを済ませることができるなど乗客の用途に応じた配車サービスを提供していると言えます。

 

5.収益の流れ

・配車サービス「Waymo One」
・複数の企業とのパートナーシップから収益
・【今後】ロボットタクシー事業

Waymoが提供する配車サービス「Waymo One」によるアプリでの配車サービスや、複数の企業とのパートナーシップから収益を得ています。
Waymoの自動運転技術を商業化するための取り組みは多くの人の予想より遅れているとされていて、今後の課題としては収益化の手段を見つけることだとされています。
また、将来的なビジネスモデルとしてはロボットタクシー事業の収益性を高めるための道筋をまだ示せていないと述べられています。

 

6.主要な資源

・”完全自律型”運転テクノロジー
・自動運転シミュレーションなどのデータ

完全自律型運転テクノロジーや何度も繰り返された様々なルートでの自動運転シミュレーションなどのデータがWaymoにとって技術開発にも欠かせないとても重要な資源と言えます。

 

7.主要な活動

・自動運転技術の開発
・自動運転シミュレーションや、データ収集
・配車サービス「Waymo One」の提供 

自動運転技術の開発をする上でも欠かせない自動運転シミュレーションや、データ収集や配車サービス「Waymo One」の提供を行っています。

 

8.主要パートナー

・Google
・大手自動車メーカー
‐日産、三菱、ルノー、フィアット・クライスラー、ボルボ、ダイムラートラック等と提携

Waymo は、2009 年に Google の自動運転車プロジェクトとして始まりました。
そして、Googleの持ち株会社Alphabetの子会社となりました。
同社はこれまで、アルファベットから数十億ドルの支援を受けたほか、外部の投資家からも数十億ドルの資金を調達しています。
調達した資金によって自律型運転テクノロジーの開発に励んできたといえます。
また、日産、三菱、ルノー、フィアット・クライスラー、ボルボ、ダイムラートラック等の大手自動車メーカーと提携することによって、乗用車から商用バンやトラックまで、さまざまな車両形態でドライバーをより多くの人や場所に届けています。

 

9.コスト構造

・自動運転技術の開発費
・配車サービス、アプリ運営費

主なコストとしては“完全自律型運転テクノロジー”の自動運転技術の開発費や、配車サービス「Waymo One」と専用アプリ運営費などにコストがかかっていると言えます。

 

 

“自律運転”による社会問題解決へと繋がるテクノロジー

目的地までの移動に自動車を利用するといった方は多いですが、居眠り運転や飲酒運転、わき見運転などの人的要因での交通事故が日々発生してしまっています。
そこで、自動運転技術などのテクノロジーの力を借りることで交通事故減少へと取り組んできました。
ドライバーアシスト機能だけにはとどまらない「Waymo」の完全自律型テクノロジーによって、将来的に交通事故の減少にもつながるのではないでしょうか。
今までになかった新たな技術であるため、今後の事業にどう生かしていくかが楽しみです。

 

 

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