“生産者直送”サービス「ビビッドガーデン」をビジネスモデルキャンバスで分析

基本的に、野菜や果物などの食材販売する場合には生産者が販売価格を決定することは出来ずに、固定であることがほとんどです。
それは、通常の流通ルートでは消費者へ食材を届ける為に、卸売や仲卸、小売店などを通して消費者へ提供することが理由です。そのため、生産者の利益はその分減少してしまいます。
そこで、生産者が消費者に直送し、商品を届けるサービスが注目を集めています。
ビビッドガーデンが提供する「食べチョク」では、食べチョクのプラットフォームを通して消費者へ商品を届けるため、販売価格を自由に決めることが出来る点や、生産者の利益が通常の販売ルートよりも大幅にアップする点が生産者からの支持を集めていると言えます。

 

 

「ビビッドガーデン」とは

農家・漁師など一次産業に従事する生産者から、個人や飲食店に“生産者直送”で商品を注文できるプラットフォーム「食べチョク」を提供しています。
「食べチョク」は食物を生産している農家から、お気に入りの食材を直接発送してもらうことができるC2Cサービスです。季節ごとの食材や果実類などを含め、幅広い食材が取り揃えられていて、最短24時間以内に、注文した商品が新鮮な状態で届きます。2021年4⽉時点で、ユーザー数50万人、登録⽣産者数は4,300軒を突破し、24,000品を超えるこだわりの逸品が出品されています。

 

 

ビビッドガーデンのビジネスモデルキャンバス

では、ビビッドガーデンのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・より多くの人に自身で生産した食品を販売したい生産者
・新鮮な食品を購入しながら、生産者を応援したい消費者

地域の農家は、周辺地域に住んでいる消費者だけでなく、全国の消費者に自身で生産した食品を販売することによって販売圏を拡大したいと考えている人も多いです。そのような生産者から新鮮で美味しい食品を購入し、生産者を応援したいと考える消費者や先述の生産者が顧客セグメントとして挙げられます。
消費者自身の地元の食材を購入して応援したいという人も多いです。

 

2.提供価値

・生産者が、個人や法人に“直接”商品を販売できるプラットフォームを提供
・全国の消費者、法人に提供し売上UPに繋げることが出来る(販売価格自由)
・食べるだけで生産者の応援に繋がり、自宅まで「直送」で届くため新鮮
・「生産者直送」ならではの、珍しい食材や限定商品も購入できる

食べチョクでは、生産者が、個人や法人に“直接”商品を販売できるプラットフォームを提供することによって、地域の農家などの生産者が限られた地域だけでなく全国の消費者や法人に商品を届け、売上UPに繋げる機会を提供しています。今までに商品を提供することが出来なかったような地域にも販売することが出来るようになり、販売圏の拡大にもなりより多くの人に購入してもらい、ファンになってもらうきっかけにも活用できます。通常の流通ルートでは仲介業者を挟むため生産者粗利約30%、販売価格固定であることがほとんどですが、食べチョクでは生産者粗利約80%、販売価格自由な点も大きな魅力です。
また、消費者は食べチョクを通して注文し、商品を食べるだけで生産者の応援に繋がります。
その商品はスーパーマーケットなどに販売しているものとは異なり、直接自宅まで届くため新鮮です。
新鮮でおいしい商品を求めている、地元の生産者を応援したいといった方にピッタリです。
「生産者直送」ならではの、珍しい食材や限定商品も購入できるためスーパーマーケットなどでは売っていないようなものもお買い求め可能です。

 

3.チャネル/販路

・メディア掲載
・YouTubeサービス紹介動画配信
・食べチョクサイト

メディア掲載や食べチョクサイト、また、YouTubeではサービス紹介動画の配信などを行い、サービスの認知を広げています。

 

4.顧客との関係

・生産者と消費者が直接メッセージのやりとり可能
・販売アドバイス、勉強会などの実施
・サービス、生産者紹介動画の配信

食べチョクでは、個性あふれる生産者と消費者が直接メッセージのやりとりができ、購入時に安心して商品を注文することが出来ます。注文した食材をどのように調理すると美味しく食べられるか質問したり、食べた感想を送っても良いかもしれませんね。
また、生産者へは販売アドバイスや食べチョクの活用方法などの勉強会を実施するなど、食べチョクを利用するうえで最大限活用できるように努めています。
他にも、生産者と消費者を繋げる機会を考え、消費者向けにサービス、生産者紹介動画の配信も行っています。

 

5.収益の流れ

【食べチョク】
・初期登録費用、月額費用:無料
販売価格:自由
手数料:顧客支払額の8~18%
【生産者】
・生産者粗利:約80%(スーパーなどの販売だと通常約30%)
販売価格:自由(スーパーなどの販売だと固定)

食べチョクの収益としては、顧客支払額の8~18%の手数料となります。
生産者は、スーパーマーケットなどの販売だと粗利が通常約30%のところ食べチョクでは仲介業者を挟まないため約80%の粗利となります。
また、販売価格はスーパーマーケットなどの販売だと固定なことが多いですが、食べチョクでは生産者自身で自由に設定が可能です。

 

6.主要な資源

・日本最大の産直通販サイト
・ユーザー数50万人以上
・出品生産者

食べチョクのサービスを提供する上でも欠かせない日本最大の産直通販サイト、50万人以上のユーザー、出品生産者が主要な資源として挙げられます。

 

7.主要な活動

・生産者が、個人や法人に“直接”商品を販売できるプラットフォーム運営
・出品生産者を増やす
・トラブル時の仲介対応、災害時のサポート対応、販売アドバイス・勉強会など

生産者が、個人や法人に“直接”商品を販売できるプラットフォームの運営や、より多くの出品生産者の確保、トラブル時の仲介対応や災害時のサポート対応、また、生産者へは販売アドバイスや食べチョクの活用方法などの勉強会を実施するなど、食べチョクを利用するうえで最大限活用できるよう活動を行っています。

 

8.主要パートナー

・配送業者

生産者が商品を消費者に届ける際に必要不可欠な配送業者が挙げられます。
伝票印字が不要で簡単に出荷することができ、独自の契約で送料も最大47%オフに抑えることが出来ています。

 

9.コスト構造

・プラットフォーム運営費
・配送コスト 

生産者が、個人や法人に“直接”商品を販売できるプラットフォーム運営がコストとしては挙げられます。
また、生産者の商品を届けるための配送コストもあるでしょう。

 

 

購入する“だけ”、食べる“だけ”で生産者への応援に連動する仕組み

食べチョクは、生産者自身で価格設定ができるシステムにより、食べることが生産者さんの応援につながるという生産者、消費者ともに気持ちよく利用できるサービスであると言えます。
近年では、少し高くても味や品質の良いものを購入したいといった志向の方も増えてきているためスーパーマーケットなどに並んでいる商品よりも少々高価でも購入する人は多いかと思います。
そして、「自分の地元の食材を食べたい」「地元の生産者を応援したい」などの思いを抱える人は一定数いるでしょう。
消費者は新鮮で美味しい食材を手に入れることが出来つつ、それが生産者への応援に繋がるという付加価値があります。
食べチョクのサービスを利用することで「この商品を購入すると1つあたり30円が寄付されます。」などと同じような良いことをした気分になると感じました。

 

 

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