顔出し・通院不要のメンタルケアカウンセリングサービス「Unlace」をビジネスモデルキャンバスで分析

近年、コロナウイルスの影響によりリモートワークを実施する企業が増えています。
よって、人と会話をする機会が少なくなったという方も多いのではないでしょうか。
コロナ前までは、出社をして隣のデスクの人と会話をしたり、仕事上の不明点を直接質問や相談をし解決したりとリアルでのコミュニケーションを取ることができていたが、対面では会うことなくチャットのみのコミュニケーションしか行わなくなったという場合も増えたのではないでしょうか。
これらの環境から精神の健康が損なわれてしまうことも多いです。
精神の健康が保てなくなってしまった場合にも実際にカウンセリングを受けるまでには「カウンセリングを受けていることを誰にも知られたくない」「通院するのが面倒くさい」など様々な障壁があります。
このような障壁を取り払ったサービスのが「Unlase」です。

 

 

「Unlace」とは


引用:https://www.unlace.net/

「感情の自由を選択できる社会を作る」という目標を掲げ、メンタル不調や悩みを抱える人と資格保持カウンセラーをマッチングするサービス「Unlace」を提供しているスタートアップです。
「Unlace」は顔出しや通院不要でオンラインカウンセリングを受けることができ、チャット形式で資格保持カウンセラーに相談することができるサービスです。
紹介型のサービスではなくマッチングサービスなので、相談者が必要性を感じたときにいつでも匿名で相談できる即時性と手軽さを持つサービスとなっています。また精神科医、日本医師会認定産業医が監修していることからもサービスの質の高さが感じられます。

 

 

Unlaceのビジネスモデルキャンバス

では、Unlaceのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・顔出しや通院をせずに相談したい、メンタルケアしたい人
・スキマ時間で働きたい資格保有カウンセラー

Unlaseでは、顔出しや通院不要で心理資格を保有したカウンセラーによるカウンセリングを受けることが出来ます。
顔出しや通院をせずに相談したい、メンタルケアをしたい人とスキマ時間として、副業として働きたい心理資格を保有しているカウンセラーのマッチングプラットフォームサービスとなっています。

 

2.提供価値

・顔出し・通院不要で資格を保有したカウンセラーとつながることが出来るマッチングプラットフォーム
・審査・面接を経た心理資格保有者のみで構成されているため安心して利用できる
・AIによるカウンセリング内容の解析が自己理解を促進
・資格を保持したカウンセラーが副業として好きな場所、時間も柔軟に働くことが出来る
・カウンセラーと相談者をオンラインマッチングさせる仕組み

Unlaseは、カウンセラーと相談者をオンラインマッチングさせる仕組みとなっています。
病院に行く時間がない、状況が変わる度に相談することが通院では難しいと感じていた相談者がUnlaseを利用している場合が多く、その手軽さから通院履歴がない方の利用が全体の5割を占めています。約9割が30分以内にカウンセラーから連絡があるため即座に相談が可能という点も魅力です。
また、審査・面接を経た心理資格保有者のみで構成されている点も相談者が安心して利用できる理由だと言えます。他にもAIによるカウンセリング内容の解析機能によって自己理解を促進することも可能です。
カウンセラーは副業として好きな時間、好きな場所で柔軟に働くことが出来るため新たな収入源として活用が出来ます。

 

3.チャネル/販路

・コンテンツによる情報発信
・SNS

コンテンツやSNSなどでメンタルヘルスケアについて情報発信を行っています。
SNSでは、画像で見て分かりやすいような工夫が見られます。

 

4.顧客との関係

・24時間365日いつでも連絡できる
・気持ちの整理が出来る日記、心理診断、AIによるカウンセリング内容の解析など様々な機能搭載
・アプリから簡単に利用できる

Unlaseはチャット形式でカウンセリングを受けることができるため24時間365日いつでも連絡することが出来ます。
また、気持ちの整理が出来る日記、心理診断、AIによるカウンセリング内容の解析など様々な機能を搭載しているためアプリとしても活用用途が多いです。
カウンセリングを受けるまでのハードルを低くしている点もUnlaseの特徴だと言えます。

 

5.収益の流れ

【相談者(ユーザー):Unlaceの利用料金】
2週間プラン(トライアルプラン):8,800円
1ヶ月プラン:22,000円
3ヶ月プラン:59,400円 (1ヶ月あたり19,800円)
6ヶ月プラン:105,600円 (1ヶ月あたり17,600円)
【カウンセラー:担当数による収益】
(例)
①副業として利用
担当数 40名/月
報酬 ¥400,000前後/月
②他の業務委託と並行して利用
担当数 10名/月
報酬 ¥80,000~100,000/月     など

相談者(ユーザー)の利用料金は期間ごとのプランによって異なります。
プランの利用中には、ビデオチケットを購入することでビデオカウンセリングも受けることが出来ます。
(ビデオチケットは1枚4,400円であり、1枚で30分/1回のビデオカウンセリング)
カウンセラーは、担当数によって収入が異なり、例としては記載の通りです。
副業として行うカウンセラーにとっては、大きな収入源となりそうですね。

 

6.主要な資源

・AI解析による”心理状態や感情の可視化”ができるサービス「感情分析ダッシュボード」
・精神科医、日本医師会認定産業医が監修したオンラインカウンセリングサービス

Unlaseでは、2021年12月からサービス利用者とカウンセラー間のメッセージ内容を人工知能(AI)で解析することにより”心理状態や感情の可視化”ができるサービス「感情分析ダッシュボード」の提供を開始しています。Unlaceを利用していない方でも自身のSNS(Twitter)と連携することで、この機能を利用することが出来ます。
また、Unlaseは、マーケティングとプロダクトマネジメントを専門とするメンバー、社内/社外向けのカード決済システムの開発と運用やカード決済システムのリプレースやカード決済のビジネス案件の開発・運用を担当するメンバー、クライアントアプリケーションの構築を得意とするメンバーなど得意分野が異なるメンバーで少数精鋭でサービスを提供しています。スタートアップを立ち上げる上で、少数でも進められるチームメンバーを集めることは重要だと感じました。
Unlaseは精神科医、日本医師会認定産業医が監修したオンラインカウンセリングサービスである点もユーザーに提供する上でも安心材料になるかと思います。

 

7.主要な活動

・オンラインカウンセリングサービスの開発・運営
・カウンセラーと相談者をオンラインマッチングさせる仕組みづくり
・心理資格保有者の審査・面接

カウンセラーと相談者をオンラインマッチングさせる仕組みづくりをはじめとする、オンラインカウンセリングサービス「Unlase」の開発・運営、カウンセリングやUnlaseのカウンセラーとして登録前の心理資格保有者の審査・面接などを主に行っています。

 

8.主要パートナー

・医師会員30万人以上を有するエムスリーグループで医療人材ビジネスを展開するエムスリーキャリア株式会社
・投資家
・精神科医、日本医師会認定産業医 

Unlaseは、医師会員30万人以上を有するエムスリーグループで医療人材ビジネスを展開するエムスリーキャリア株式会社と業務提携を行い、エムスリーキャリア社の産業医顧問サービスの「従業員サポートプラン」のパッケージサービスとして、福利厚生向け従量課金制オンラインカウンセリングサービス「Unlace for business」を2022年2月から販売し、サービス提供の幅を広げています。
そして、既存投資家として、Z Venture Capital、デライト・ベンチャーズ、新規投資家としてScrum Ventures(本社:米国カリフォルニア州、ジェネラルパートナー:宮田拓弥氏)を引受先として、2022年7月に約2.1億円の資金調達を実施しました。今回の調達を含めた2021年8月からの累計調達額は約3億円となり、今後のサービスに役立てていくことと思います。
また、Unlaseは精神科医、日本医師会認定産業医が監修していて、ユーザーが信頼感を持って利用することが出来ます。

 

9.コスト構造

・オンラインカウンセリングサービスの開発・運営費
・カウンセラーへの報酬

オンラインカウンセリングサービス「Unlase」の開発・運営費やカウンセラーへの報酬がコストとして挙げられます。

 

 

自身の経験から、メンタルケア産業への参入を決意

UnlaseのCEOである前田康太氏は、マッチングアプリPairsを運営する株式会社エウレカに入社し、Pairsの事業開発責任者やPairsエンゲージの事業責任者を務め、その後Unlaceを創業しています。
自信が鬱になったことをきっかけにUnlaseを開始しているため、悩みを抱える人たちが持つカウンセリングを受けるまでのハードルをなるべく下げる取り組みがされていることがUnlaseのサービスの特徴から伺えます。
現代社会では、多くの人が悩みを抱え、メンタルの不調が身体に影響することもあります。
今後の社会を支える上でもメンタルケア産業は大きな役割を果たすでしょう。
自身の経験ももとにしたサービス提供であることによってユーザーも共感や信頼をしやすく、ユーザーが求めるニーズに沿ったサービス提供を実現していると言えます。
マッチングプラットフォームビジネスのサービスの内容はある程度固まってきてしまっていると思われますが、資金調達を行ったことによる今後のサービスがどのようにアップデートしていくか楽しみです。

 

 

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