Z世代に流行中の「TikTok」をビジネスモデルキャンバスで分析

情報収集のために、行きたいカフェを探すために、知人の近況を知るためなど、あらゆる目的でSNSをチェックするという方は多いのではないでしょうか。
近年では、写真だけではなくショートムービーを投稿するスタイルが多く見受けられます。
例えば、Instagramでも15秒の動画(リール)を投稿できるようになるなど、流行に沿って機能追加がなされています。
驚異のスピードで1億人ユーザーを突破したTikTokは、ショートムービーに特化したモバイル向けのショートムービープラットフォームです。
今回は、SNSの中でも流行に敏感な若者が多く集まる『TikTok』についてビジネスモデルキャンバスで整理してみました。

 

 

TikTokとは

TikTokはBytedance株式会社によって運営されるモバイル向けのショートムービープラットフォームです。
ミッションを『創造性を刺激し、喜びをもたらすこと』としていて、ユーザーにこれらを提供しています。
ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ドバイ、シンガポール、ソウル、東京などの世界各地の国と地域にグローバルオフィスがあります。
TikTokはシンプルな操作性が魅力の一つとして挙げられ、誰でも簡単に投稿することが出来ます。
動画の撮影時に「0.5倍速」「2倍速」と早さを調節でき、アプリ内の加工機能を用いてアプリ上でコンテンツが作れるようになっています。加工カメラの特徴「盛れる」と合わせて、流行の曲に合わせてダンスや振り付けを踊るなどTikTok内で完結することが出来るため、特に10代~20代の間で人気があります。
動画共有サービスの中でもトップクラスである YouTubeと比べると、動画の尺・コンテンツ内容・投稿の気軽さという部分でYouTube等とは異なるユーザー体験を提供しています。

 

 

TikTokのビジネスモデルキャンバス</2>

では、TikTokのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1. 顧客セグメント

・視聴者
・投稿者(TikToker、インフルエンサー)
・企業

TikTokは、誰でも視聴や投稿をすることが出来ます。
中でも、ショートムービーをアップすることをメインとするインフルエンサーのことを「TikToker」と呼びます。
他にも、広告を掲載する企業や商品、サービス普及のためにTikTokを活用する企業もいます。

 

2. 提供価値

<視聴者>
・ショートムービーでの効率的な情報収集や最新の流行を知ることが出来る
<投稿者>
・インフルエンサー有名度UP=視聴者が多い、アルゴリズムでバズりやすい
・アプリを使用した生配信コンテンツや案件等での収益化
<企業>
・膨大なユーザーデータを活用したビジネスの成長機会(案件の告知、知名度UP)

DL数30億突破を記録するほどのグローバルでの圧倒的な人気によって、TikTokでは国内外の膨大なコンテンツを視聴可能となります。
ユーザーは、自身が興味関心のあるショートムービーコンテンツによって効率的な情報収集や最新の流行を知ることが出来るのです。
また、TikTokはTwitterやInstagramなど、他の主要SNSとは異なる特徴的なアルゴリズムを採用しています。
多くのSNSは、基本的にフォローしているユーザーの投稿が表示されることから、フォロワー数が少ない段階では拡散が難しいという特徴がありました。
それに対しTikTokは、すべての動画が一定のユーザーに閲覧される仕組みとなっています。ユーザーの反応や視聴時間に応じて優れた動画であると判断されることで、さらに多くのユーザーに表示させることが可能です。
つまり、フォロワー数が少ないアカウントでも、良いコンテンツを提供できれば爆発的に広まる可能性があるといえます。
企業としては、TikTokが持つ膨大なユーザーデータを活かしてターゲティングを行うことができ、ビジネスの成長機会として活用することが出来るため上手く活用することで商品の販促などに繋がります。

 

3. チャネル/販路

・アプリ
・Web広告
・インフルエンサー自身のSNS告知

一般の方から、インフルエンサーまで幅広い層によってコンテンツ(ショートムービー)が日々作り上げられています。
中には、商品のPRや企業宣伝を行っている企業のアカウントも存在しています。
パーソナライズされた興味関心の高いコンテンツが表示されるため次々と動画を見進めて行ってしまうことがユーザーを引きつけ、ユーザーの増加にもつながっていると言えるでしょう。

 

4. 顧客との関係

・音楽聞き放題サービス企業との業務提携による最新BGM、最新情報の提供
・興味関心のあるコンテンツが流れてくる
・グローバルでの圧倒的な人気(DL数30億突破)=視聴者の母数が多い

ショートムービー作成時に使用できる曲数が豊富で、話題の楽曲をBGMとして使用することが出来るのもTikTokが人気を誇る理由の一つです。流行に敏感な若者には嬉しいサービスといえます。
近年では流行がTikTokから広まることも多く、特にZ世代とも呼ばれる24歳以下の世代ではTikTokで情報収集を行うという人も多く見られています。
また、世界中にユーザーがいるTikTokは視聴者の母数が多く、企業視点では、目にしてもらう機会が多く大きな広告効果を望める媒体と言えます。

 

5. 収益の流れ

<TikTok>
・生配信コンテンツによる投げ銭(約70%がTikTok側の収益)
・ユーザーがコンテンツを作り上げる
<投稿者(TikToker、インフルエンサー)>
・生配信コンテンツによる投げ銭(約30%が配信者側の収益)
<企業>
・広告効果による販促

他のSNSとは異なり、一般ユーザーの投稿と同じ場所で掲載が可能なため、いかにも広告という印象にならず、自然に視聴してもらうことができる上に、コンテンツに対してコメントを投稿したり拡散したりすることも可能です。ページの一部に表示されるのではなく、スマートフォンの全画面でコンテンツを訴求できるので視聴者に強いインパクトを与えることができるのも特徴です。
TikTokが持つ膨大なユーザーデータを活かしてターゲティングを行うことが出来るのがTikTokで広告を掲載する大きなメリットと言えます。
また、ユーザーの投稿でコンテンツが出来上がるため、ニュースアプリなどのようにライターは不要で、ユーザーによってコンテンツが作り上げていき、日々増えていきます。
投稿者視点の収益化については、生配信による(投げ銭(TikTok LIVE ギフティング))、企業案件、アフィリエイト、広告収入などがあります。
しかし、収入を得るには条件を満たす必要があり、その条件については現在はまだ詳しく公開されていません。
どれも一定の人気度がないと降りてこない案件となっているため、誰でも簡単に収入を得るのは難しいかもしれませんが有名なインフルエンサーでは大きな金額を稼いでいる方もいるため、夢があるなと感じます。

 

6. 主要な資源

・独自のアルゴリズム
・利用者の視聴履歴をビッグデータとして解析

TikTokを運営しているBytedance株式会社は、ビッグデータと機械学習技術を用いたアルゴリズム開発に時間と資金を費やしており、レコメンド機能の優位性が高い媒体です。Webサイトではサイトに訪れたユーザーの行動履歴からユーザーの興味関心を分析し、関連する商品などを進めるレコメンドという機能が取り入れられていることが多いですが、Bytedance社は、ビッグデータと機械学習技術を用いたアルゴリズム開発に時間と資金を費やしています。
また、DL数が30億突破し多くのユーザーの視聴履歴をビッグデータとして解析することが出来るので、開発に役立てることが出来ます。

 

7. 主要な活動

・外部コンテンツの有効活用
・独自のアルゴリズムを活用したコンテンツ配信
・独自のアルゴリズムを活用した広告提供

主に独自のアルゴリズムを活用したコンテンツ配信や広告提供を行っています。
TikTokは他の主要SNSとは異なる特徴的なアルゴリズムを採用しています。多くのSNSは、基本的にフォローしているユーザーの投稿が表示されることから、フォロワー数が少ない段階では拡散が難しいという特徴がありましたが、TikTokは、すべての動画が一定のユーザーに閲覧される仕組みとなっていてユーザーの反応や視聴時間に応じて優れた動画であると判断されれば、さらに多くのユーザーに表示させることが可能です。
利用者の閲覧履歴などの行動情報をもとに利用者にぴったりのコンテンツをレコメンドするという技術を開発し、この独自技術を生かしてアプリを開発しました。
そして、世界中にアプリの利用者を拡大したのち、膨大なトラフィックを確保しました。

 

8. 主要パートナー

・ショートムービーを作成してくれる投稿者(TikToker、インフルエンサー)
・コンテンツをより良いものにするための協力会社

TikTokを活用することでビジネスの成長の機会を提供し、ユーザーに、新たな『サービス』や『商品』との出会いを提供しています。
多くのユーザーがインストール数日後にアプリから離脱する傾向がある中、適切なユーザーを見つけて維持することはアプリビジネスの成長にとって不可欠といえます。
協力会社との提携によって広告を掲載する企業はよりシンプルかつ継続的にユーザーをセグメント化し、キャンペーンの自動化や広告費用の計測でユーザーごと適切なコンテンツを配信し、離脱させないよう工夫しています。これらが、1億人ユーザーを確保するまでの人気に繋がっていると言えます。
また、音楽聞き放題サービスの企業と業務提携したことで流行りのBGMをコンテンツで使用できるようになりました。
これによって、テンポの良いコンテンツを作り上げることが出来る仕組みが取り入れられています。

 

9. コスト構造

・システム開発
・他企業との業務提携
・フォロワーの増加や、コンテンツ制作のサポート予算

TikTokは、システム開発によってユーザーが使いたくなる加工フィルターの追加や機能追加、インフルエンサーがしっかりと収益をあげられる体制を整え、フォロワーの増加や、コンテンツ制作のサポート予算を投じるという内容で、コンテンツ制作者の支援に力を入れることを発表しています。
このように、視聴者だけに意識をむけるのではなく、視聴者を囲うために重要な存在であるクリエイターに対して有益な情報を与え、有益な機会を作り上げることによって、コンテンツの質をあげるとともに、プラットフォームの活性化に繋げる取り組みに力を入れています。

 

 

視聴者だけでなくクリエイター側の視点での仕組みづくりが驚異のスピードでユーザーが増える理由につながった

興味関心を持つコンテンツを視聴できるというのも大きな強みとしてありますが、そのコンテンツを生み出すクリエイター側にも目を向け、どうすればコンテンツ制作をする気持ちが湧くかを上手く考えられています。また、企業と業務提携をし、プラットフォームを活性化することで、他のSNSと比較し急速なスピードで1億人ユーザーまで到達することにもつながっていると言えます。
最新の流行に沿って変化していくことが重要となるSNSですが、今後もどのような変化を見せていくのか楽しみですね。

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