
リニューアルで新しくなった「西武園ゆうえんち」をビジネスモデルキャンバスで分析
テーマパーク、遊園地と言えばどこを思い浮かべますか?
代表的なテーマパークや遊園地は色々とありますが、遊園地としては珍しい「昭和」をコンセプトとした遊園地が、2021年5月に「西武園ゆうえんち」がリニューアルオープンしました。
リニューアルオープン前には、SNSなどで情報が拡散され、若い世代はもちろん昭和時代に懐かしさを感じる世代にも話題を集めました。
目次
「西武園ゆうえんち」とは
引用:「西武園ゆうえんち」https://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/index.html
西武園ゆうえんちとは、埼玉・所沢にある遊園地です。都心からほど近く、1950年の開業以来、多くの方に親しまれている老舗の遊園地です。
2021年5月に行われたリニューアルでは、昭和を思い出すような商店街やお店などによって昔懐かしいレトロな世界観を演出している。また、コロナ禍で、「体験を共有したい気持ちがいっそう高まり、人と触れ合えるエンターテイメントが求められている」という考えから、パーク内にある商店街でパフォーマーがライブパフォーマンスを行うなどのエンターテインメント要素も追加しており、来園者が楽しめる工夫がなされている。
西武園ゆうえんちのビジネスモデルキャンバス
では、西武園ゆうえんちのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・10~20代の若年層
・昭和時代に懐かしさを感じる世代
リニューアルオープン後で、一気に10~20代の若年層の来園も増えたと言えます。
西武園ゆうえんちでは、老朽化を上手く活用し、現在再び流行している昭和レトロな世界観を演出しているため、写真映えのために訪れる人も多いです。
また、昭和時代に懐かしさを感じる世代も、家族連れで訪れています。
2.提供価値
・昔懐かしいレトロな新しい遊園地が楽しめる
・ハイクオリティなライブパフォーマンス
・内観、お店、食べ物まで昭和の世界観をリアルに体験できる
「昭和」をコンセプトとした遊園地が他にないということもあり、西武園ゆうえんち独自の楽しみ方を提供していると言えます。
「夕日の丘商店街」と称される昭和風の商店街には、レトロな喫茶店、八百屋、写真館など様々なお店が立ち並んでいます。
まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような非日常感を味わうことが出来ます。
また、その夕日の丘商店街で繰り広げられるライブパフォーマンスはパフォーマーと来園者の距離も近く迫力があります。
3.チャネル/販路
・行った人の口コミやSNS
・広告(CM、Webなど)
・メディアでのインタビューや特集
リニューアル前、リニューアル後ともにSNSで情報が多く出回っていました。
その情報を見て、リニューアルを知った人や実際に訪れた人も多いのではないでしょうか。
実際に西武園ゆうえんちを訪れた人の口コミでも情報は広がっていっていると言えます。
また、興味を引くようなCMやWeb広告でも来園者を集めています。
4.顧客との関係
・他の遊園地と違うレトロでリアルな世界観
・アトラクション追加や拡張計画
・メディアでのインタビューや特集
2021年5月のリニューアルでは継続的にアトラクションの追加や拡張が出来るようあらかじめ計画し、投資しすぎないようにしています。持続的に経営を進める、お客さんに来園してもらえるよう、徐々にアトラクションを増やして、お客さんに飽きずに再度来園してもらうよう考えているのです。
西武園ゆうえんちの敷地内にはまだ空いているスペースがあるため、それだけのアトラクションの追加、拡張が可能であると言えるでしょう。西武園ゆうえんちは郊外にあるため、都心にあるテーマパークと違い、周囲への拡張も可能とのことですので、何年後かの未来も見据えていると言えます。
5.収益の流れ
・入園料金
・園内でのみ使用できる西武園通貨
他の遊園地とは違ったコンセプトによるレトロでリアルな世界観を演出し、来園者を増やすことで入園料金の他にも、西武園ゆうえんち内の夕日の丘商店街でのみ使用できる西武園通貨による収益があります。
西武園通貨は10園札が1枚120円で、100園札が1枚1,200円相当です。
実際の日常生活での金額と異なるため、西武園通貨を使いすぎてしまうという場合も考えられますね。
また、払い戻しが出来ないため、多く購入しすぎてしまわないよう注意が必要です。
6、主要な資源
・ライブパフォーマンスが出来る人材
・今後も展開が可能な大型ライドアトラクション
・レトロの世界観を纏ったパーク
西武園ゆうえんちには欠かせない、エンターテインメントを提供するうえでライブパフォーマンスを行うパフォーマーの人材や大型ライドアクション、またリニューアルし、新しく生まれ変わったパーク全体が挙げられます。
大型ライドアクションについては、今後も展開、改良がしやすい映画館仕立てになっているため大きな製作費をかけずに、定期的に新作を投入できるよう考えられています。
7.主要な活動
・アトラクションの展開
・人と触れ合えるエンターテインメントの企画
一度訪れた来園者がまた再度西武園ゆうえんちを訪れてくれるよう、アトラクションの展開やエンターテインメントの企画が挙げられます。敷地内の空いているスペースや、周囲への拡張も可能なためアトラクションの展開ができる幅は大きそうです。
8.主要パートナー
・アトラクション製作会社
・出資企業
・刀(USJ再生の仕掛け人として知られる森岡氏率いるマーケティング集団)
遊園地には必要不可欠なアトラクションの制作会社や、今回のリニューアルにも協力をしてくれた出資企業は重要なパートナーであると言えます。
そして、何よりUSJ再生の仕掛け人として知られている森岡氏率いるマーケティング集団と称される「刀」が今回のリニューアルを成功に導いたといっても良いでしょう。
9.コスト構造
・アトラクション追加、拡張費
・人件費、電気代など
アトラクションの追加、拡張時に大きく費用がかかります。
他にも、パークの維持費なども挙げられますが昭和をコンセプトとしているため老朽化してもそれが味になります。そのため、他テーマパークや遊園地より少しコスト削減できると考えられるでしょう。
他にないコンセプトや世界観を演出し、再び来園者数を増やした
リニューアル前の西武園ゆうえんちは来園者も減少していました。
しかし、今回のリニューアルで大きく変化を遂げ、若い世代にも話題となる遊園地を作り出しました。
他のテーマパークや遊園地にはなかった「昭和」をコンセプトとし、昔懐かしいレトロな世界観を演出することでSNSをよく利用する若年層から、昭和時代に懐かしさを感じる世代までも興味を引きつけることに成功しました。
その結果、再び来園者数を増やすことにも成功したと言えます。
アトラクションの追加についても未来を見据えた計画をしているとのことで、今後の新たな展開にも目が離せないですね。
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