世界が注目するお家フィットネス!フィットネステック「Peloton」のSaaS+a BoxモデルをBMCで分析してみました

新型コロナウイルスは、従来の生活環境に多大な影響を与えました。その中で、以前より運動する機会が減った、感染リスクを感じてジムに通いづらい、自宅でも楽しく運動をしたいといったジョブが生れています。そんな運動に対するジョブを解決するフィットネステックの「Peloton」が注目されています。


フィットネステック「Peloton」をビジネスモデルキャンバスで分析してみます。

 

 

フィットネステックPelotonとは?

Pelotonは、トレーニング動画とエクササイズバイク「SaaS+a Box」をユーザーに提供しています。ユーザーは自宅でPelotonの動画を見ながらPelotonのバイクを使った運動を楽しくすることが可能になります。

エクササイズ動画は1万以上ありその中には、有名インストラクターによるコンテンツもあります。このライブ配信には全米中からアクセスがあり、数千人が同時受講しているみたいです。

さらに、エクササイズ中に数値化されたデータが可視化・投影される「リーダーボード機能」も魅力の一つとなっています。この機能は、参加者全員の簡易プロフィール(性別、年代、居住区)を見ることができたり、自身の回転数や負荷の数などによって順位変動をリアルタイムで確認することができます。そのため、オンライン上でも参加者同士の一体感・競争を醸成しています。

 

 

Pelotonのビジネスモデルキャンバス

では、Pelotonのビジネスモデルをビジネスキャンバスで整理してみます。

 

1. 顧客セグメント

顧客は自宅で楽しく運動したい方。新型コロナウィルスの影響でジム通いを止めている方。自宅にいる時間が長くなった方などが入ります。

 

2. 提供価値

オンラインでも、臨場感・達成感を得られる機能(ライブ配信、リーダーボード機能)。消費カロリー、走行距離や同時受講している方々との競争した順位がデータ化されることが価値になります。また、ひとり一人の身体や宗教にも寄り添った豊富なカテゴリーも飽きさせないための価値に繋がります。最近では、同社は歌手のビヨンセが同社と提携する発表しています。このようにエクササイズに興味なく、スターインストラクターや動画に興味がある方にも訴求できる点も大きな役割を果たしています。

 

3. チャネル/販路

PelotonはWEB上のチャネル以外にも、リアル店舗を全米で20数か所に構え販促を行っています。また、ファンがインスタグラムへ投稿し、ファンがファンを呼ぶといったWOMマーケティングも新規顧客の開拓に一役かっています。

 

4. 顧客との関係

クオリティが高いライブ配信。定期的なリアルイベントの開催。アプリと連動したSNSでの交流がユーザーとの関係性構築に役立っています。また、Pelotonは、ユーザーとのタッチポイントはすべて社員が対応しています。これにより、きめ細やかなカスタマーサポートが実現しています。

 

5. 収益の流れ

Peloton Treadの販売(4,295ドル)Peloton Bikeの販売(2,295ドル)とフィットネスアプリのサブスクリプション代(39ドル/月)が売り上げです。

 

6. 主要な資源

SaaS+aBoxモデルとしてのPelotonプラットフォームの提供。オンデマンドで1万以上のトレーニング動画や約88.6万の有料会員数がリソースとなっています。

 

7. 主要な活動

販売データやエクササイズ中の心拍データ。エクササイズのクラスの人口推移。インフルエンサーとのコンテンツ作り。アプリケーション開発・運営。コンテンツ・プログラム作成が主要な活動です。

 

8. 主要パートナー

スターインストラクターが所属するタレント・芸能事務。開発エンジニアや機器の製造会社がパートナーになります。

 

9. コスト構造

かかるコストは、新しいコンテンツの作成費、製造開発費、パートナーコストです。

 

 

巣ごもり需要が追い風に

感染リスクに対する懸念と運動したいという需要からPelotonは急成長を遂げ、フィットネス大国のアメリカでは、AppleやNetflixなどに並ぶ知名度を獲得しています。

今後フィットネス業界のポジション争いはさらに激化すると言われています。機器の販売やレッスン動画を配信するだけでは顧客のジョブを解決することは難しくなってきています。
その中でPelotonは、コロナ渦におけるフィットネスのジョブをうまく解決しているサービスとしてユーザーに愛されているのでしょう。

日本でもフィットネステックに対する関心度は高く、様々な企業が参入してきています。世界の動向はもちろん国内の動向にも注目です。

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