AR(拡張現実)位置情報ゲームの代表的企業「Niantic」をビジネスモデルキャンバスで分析

皆さんは紙の地図でも目的にたどり着くことはできますか?
近年では、位置情報を取得することによって現在の自分がどこにいて、目的地までどのくらいの距離、時間を要するかなどもすべて分かるようになりました。
方向音痴だという方も、自身が進むと同時に位置情報によってどこにいるのかが把握できるため分かりやすいのではないでしょうか。
昨今では、「ポケモンGO」などの位置情報と連携したゲームもあり、楽しく散歩などで身体を動かすことが出来るようになっています。
今回はこのようにゲームや位置情報を用いた、ARプラットフォームを構築している企業についてご紹介します。

 

 

「Niantic」とは


引用:https://nianticlabs.com/?hl=ja

AR(拡張現実)位置情報ゲームの代表的企業でGoogleからのスピンオフ創業した会社です。
「イングレス」や「ポケモンGO」、「Pikmin Bloom」といったスマートフォン向けゲームをリリースしていて、位置情報を用いた、現実世界と紐づいた世界規模のARプラットフォームを構築しています。
代表作の「ポケモンGO」は全世界で8億ダウンロード以上となっていて、ポケモンGOに先立ってリリースされていた「イングレス」は、NianticがまだGoogleの社内スタートアップだった2013年にリリースされた位置情報を利用した世界規模のAR陣取りゲームで、いまだ根強い人気を誇っています。

 

 

Nianticのビジネスモデルキャンバス

では、Nianticのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・楽しみながら散歩などで身体を動かしたい娯楽と健康目的を持った高齢者
・元々ポケモンやピクミンなどのファンでゲームも好きな人

ゲームをしながら楽しんで散歩などで身体を動かしたいゲーム好きな人や、元々ポケモンやピクミンなどのファンでゲームのプレイが好きな人などが主な顧客セグメントとして挙げられます。
位置情報を活用したゲームが登場した初めの頃は、流行好きな若者が多かったですが今では娯楽と健康目的を持った高齢者も多くみられるといった印象を持ちます。
日々、散歩している道がゲームをすることで普段と違った道になり、新鮮な気持ちで身体を動かすことが出来ます。

 

2.提供価値

・大手企業がパートナーにいるため技術力が高く、人気のAR位置情報ゲームの提供ができる
・AR(拡張現実)位置情報ゲームのスマートフォン向けゲームのリリース
・バーチャル世界から現実の世界に繋げこれまで知らなかった街並み、人と出会うきっかけを提供
・ゲームをしながら楽しく身体を動かし、アクティブでいることができる

Nianticは、AR(拡張現実)位置情報ゲームのスマートフォン向けゲームのリリースを行っています。
バーチャル世界から現実の世界に繋げこれまで知らなかった街並み、人と出会うきっかけを提供しています。
コロナウイルスの影響で外出機会が減り運動不足であるといった方もいるかと思いますが、ゲームをしながら楽しく身体を動かすことで、アクティブでいることができます。
Googleの社内スタートアップということで大手企業パートナーもいること、また、期待感もあり技術力の高い人気ゲームのAR位置情報ゲームの提供が実現できたと言えます。

 

3.チャネル/販路

・【リリース初期】今までになかったようなリアルとゲームを繋げた世界観で話題性
・アプリストア
・SNS、口コミ
・イベント

アプリストアやゲームをプレイした人たちのSNS、口コミ、他にもNianticが毎月行っているコミュニティデイというイベントによって認知度向上、利用してもらう機会へとつなげています。
リリース初期には特に、子供から大人まで「ポケモンGO」で遊んでいる人が良く見受けられました。
今までになかったような現実世界とゲームの世界の融合とリアルな体験が誰もが知っている”ポケモン”の世界で出来るといった点が大きいでしょう。
そして瞬く間にユーザーが広がっていったと言えます。

 

4.顧客との関係

・コミュニティデイ(毎月イベント)
・ウィークリーチャレンジなど楽しんでもらえるような新機能追加

コミュニティデイという、プレイヤーが現実世界で出会い、一緒に探索することを奨励する Niantic ゲームの毎月のイベントを開催しています。
また、ウィークリーチャレンジなどの新機能追加によってユーザーに楽しんでもらえるような開発を進めています。

 

5.収益の流れ

・有料ゲーム
・ゲーム内課金

有料ゲームの販売やゲーム内課金、広告収入によって収益を得ていると言えます。
ポケモンGOを例に挙げると、ゲーム内で『ポケストップ』と呼ばれる、ポケモンを捕まえるためのアイテムをゲットする場所があります。
そのため、ポケストップに登録された場所にユーザーが多く集まります。
ポケストップになることで集客が可能となるため、企業から「広告費」を取るというビジネスモデルになります。
実際、すでに日本マクドナルドHDは契約を締結していて、ポケモンGOのリリース後莫大な経済効果が見込まれていたそうです。

 

6.主要な資源

・「Lightship」ARコンテンツの開発・運用向けプラットフォーム
・ポケモンGOなどのスマートフォン向けゲーム
・開発技術者

ARコンテンツの開発・運用向けプラットフォーム「Lightship」やポケモンGOなどのスマートフォン向けゲーム、AR(拡張現実)位置情報ゲームの開発技術者などが挙げられます。

 

7.主要な活動

・AR(拡張現実)位置情報ゲームのスマートフォン向けゲームのリリース
・Google Earth、Google マップ、 Pokémon GO などの製品作り 

主に、ポケモンGOなどのAR(拡張現実)位置情報ゲームのスマートフォン向けゲームのリリースやGoogle Earth、Google マップなどの製品作りを行っています。

 

8.主要パートナー

・Warner Music Groupや集英社等
・Alphabet、Founders Fund、フジテレビジョン、任天堂(7974)、Samsung Venture Investment、等投資企業

Nianticは2021年に、Lightshipと呼ぶARコンテンツの開発・運用向けプラットフォームの提供を開始していて、Warner Music Groupや集英社等がパートナーとして参画しています。
また、Alphabet、Founders Fund、フジテレビジョン、任天堂(7974)、Samsung Venture Investment、ポケモン(任天堂の持分法適用関連会社)等が投資していてその投資金によってAR(拡張現実)位置情報ゲームのスマートフォン向けゲームのリリースに注力することが出来ていると言えます。

 

9.コスト構造

・位置情報を利用した製品の開発費
・開発技術者含む人件費

位置情報を利用した製品の開発費や開発技術者含む人件費が主なコストとしては挙げられます。

 

ゲーム内課金以外の新たなビジネスモデル

通常スマホゲームを提供している企業の主な収益はゲーム内課金やゲーム内に表示する広告が挙げられるかと思いますが、ポケモンGOでは、ポケストップを広告源として活用するという新たなビジネスモデルを構築しています。
現実世界に実際にあるスポット(場所、店舗など)に集客ができるという価値を提供する代わりに広告費として対価を貰うという新たな収益源を創り出しています。
日本マクドナルドHDをはじめとした、ポケストップに登録されたスポット(場所、店舗など)とのwin-winな関係を作ることに成功しています。

 

 

ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは? 企業事例・作成方法とコツ・テンプレートを紹介

ビジネスモデルキャンバスについて9つの項目の書き方、また実際の企業の事例などを掲載しています。
ビジネスモデルキャンバスの作成方法、事例紹介はこちらをご覧ください。

 

 

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