“シェア買い”ショッピングアプリ「カウシェ」をビジネスモデルキャンバスで分析

近年、ECサイトで生活用品や飲料などを購入する人も多くなったのではないでしょうか。
例えば、水やお茶の飲料を大量購入すると自宅まで運ぶのが大変なため、定期購入で自宅まで配送してくれるサービスを活用するなど不便さを感じていた場面を解消するサービスが普及してきています。
定期的に購入するものや必要なものをよりお得に購入したいと考えると思います。
複数人での商品購入でお得にお買い物が出来るショッピングアプリ「カウシェ」ではそんな購入者の願いを叶えるサービスを提供しています。

 

 

「カウシェ」とは


引用:https://about.kauche.com/

「カウシェ」は、友人や家族など複数人で同時購入をすると、定価の最大55%引きで商品が購入可能なサービスです。
ユーザーが好きな商品を選んで購入すると“シェア買いグループ”が作成され、そのグループURLを友だちや家族にシェアし、目標人数を集めることで割引が適用されるシステムです。
自分以外に購入者を1人でも呼ぶ必要があり、一方で、24時間以内に誰も呼ぶことができなければ購入はできません。
そのため、決済が終わって買い物終了ではなく、誰かにシェアをする必要が発生するのです。
このように、オンラインでも友だちや家族とコミュニケーションを取りながら買い物を楽しむ体験を作りたいというビジョンが込められているサービスです。
ダウンロード数は、2021年末時点の約40万件から、2022年5月末までに70万件以上にまで増加しています。

 

 

カウシェのビジネスモデルキャンバス

では、カウシェのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・SNS利用している、よりお得に商品を購入したい人
・購入者を増やして売上をUPしたいお店

カウシェは、購入者の周りの人にシェアしてもらうことで広告費を抑え、認知を広げていっています。
そのため、SNS利用をしている、かつ、よりお得に商品を購入したい人が消費者としての顧客セグメントとして挙げられるでしょう。
また、消費者や消費者の周りの人にシェアしてもらうことで購入者を増やして売上をUPしたいお店が挙げられます。

 

2.提供価値

・#シェア買い で最大55%OFFお得にショッピングが出来る
・周りの人とコミュニケーションをとり楽しみながら利用することが出来る新感覚のショッピングアプリを提供
・シェア買いによって、購入者を増やすことができ、売上UPを見込める 

カウシェでは友人や家族など複数人で同時購入をすると、定価の最大55%引きで商品が購入することができお得にお買い物が出来ます。周りの人とコミュニケーションをとり楽しみながら利用することが出来る新感覚のショッピングアプリを提供していて、お得に買い物が出来るといった以外にも周りの人とのコミュニケーションも促進するサービスです。
出店パートナーにとっては、シェア買いによって、購入者を増やすことができ、売上UPを見込むことができます。
日本撤退をした「グルーポン」と似ているサービスなのかと考える方もいるかと思いますが、グルーポンがサービスを提供していた当時に比べてスマートフォンやスマホ決済が普及し、SNS上でモノを見つけて購入するのが当たり前になってきているなどマーケットの状況が変化している点で今はより「共同購入」というシステムが市場に受け入れられやすくなり、変化していると言えます。
また、「カウシェ」では、商品割引によって購入意欲の高いユーザーが友人や家族などの他のユーザーをSNSなどを通じて自発的に連れてくるという仕組みがあります。
グルーポンでは一般に、24時間から48時間といった制限時間内に一定人数から申し込みがあった際にクーポンが販売されます。
それに比べカウシェでは、自発的にバイラル性を持たせている点が最大の特徴であり、大きな違いだと言えます。

 

3.チャネル/販路

・グループURLによるシェア
・SNS ‐オンラインでの友だち、家族とのコミュニケーション
・スマホアプリ
・TVメディア紹介

カウシェは、ユーザーが好きな商品を選んで購入すると“シェア買いグループ”が作成され、そのグループURLを友だちや家族にシェアし、目標人数を集めることで割引が適用されるシステムです。
そのグループURLのシェアによって広告費をあまりかけることなく認知が広がり、利用者が増えていっています。他、SNS利用によるオンラインでの友だちや、家族とのコミュニケーションによってカウシェの魅力がどんどん広まっていきます。
また、スマホアプリやTVでのメディア紹介も多数取り上げられています。

 

4.顧客との関係

・グループURLを友だちや家族にシェアで目標人数を達成すると割引で購入可能
・友達招待クーポン
・出品作業を無償代行(初回)
・広告費0円で新規顧客にアプローチできる

グループURLを友だちや家族にシェアで目標人数を達成すると割引で購入可能できるため、普通に買い物をするよりもお得に商品を購入することができ、次回の利用にもつながります。
また、友だち招待を行うと1,000円OFFの友達招待クーポンが発行されます。
出店パートナーは、初回はカウシェ側が出店作業を無償で代行してくれるため簡単に出店を始めることが出来ます。また、広告費0円で新規顧客にアプローチをすることができる点もメリットです。

 

5.収益の流れ

【カウシェ】販売手数料(10%)、決済手数料(3.5%)
【出店パートナー】初期費用・月額固定費・広告費全て0円

カウシェでは、出店パートナーから販売手数料10%、決済手数料3.5%を得ています。
また、出店パートナーは初期費用、月額固定費、広告費全て0円で利用が可能です。

 

6.主要な資源

・スマホアプリ

ダウンロード数70万件を超えるカウシェのショッピングサービスを提供しているスマホアプリはとても重要な資源であると言えます。
他にはなかったような「シェア買い」のサービスは消費者に新しい購入体験を与えていると言えます。

 

7.主要な活動

・スマホアプリ改善、運営
・出店案内 

スマホアプリのサービス改善や運営を行っています。
また、出店パートナーを増やすための出店案内なども挙げられます。

 

8.主要パートナー

・シェアをして拡大してくれるユーザー
・出店パートナー
・Bonds Investment Group

カウシェは食品や日用品を中心に約7,000点の商品を取り扱っており、これらの出店パートナーによってユーザーに愛用されるサービスの提供を実現しています。また、商品を購入する際にシェアを行い、カウシェを拡大してくれるユーザーはとても重要なパートナーであると言えます。
Bonds Investment Groupはリードインベスターとして資金調達に欠かせないパートナーです。

 

9.コスト構造

・ユーザーのシェアによる広告費削減
・スマホアプリ運営費

ユーザーのシェアによりカウシェの認知が広がり、広告費削減に繋がっています。
コストとしては、スマホアプリの運営費が挙げられます。

 

 

中国ECを参考にしたショッピング体験の工夫

中国のECでは、ショッピング体験が進化し続けています。
その中国のECの成長理由を参考に、カウシェのプロダクトをリリースしました。
カウシェのビジネスモデルは決済費以外に手数料を受け取るというシンプルなものになっていますが、広告をしなくても大手ECと同等の収益性を保っているとのことです。購入者が周りの人にシェア買いのために共有することで広告宣伝費をほとんど使わず、サービス開始した当初には1年でインストール数は約25万増加を達成しています。

 

 

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