美容や健康商品を提供する越境EC「iHerb」をビジネスモデルキャンバスで分析

最近では、洋服や化粧品、日用品を買うのにも通販を利用するといった方は多いのではないでしょうか。
実店舗でのショッピングが減ったという傾向も見られます。
そんな中、オンラインショップなどのECサイトは増えてきています。
海外から商品が届く越境ECサイトを利用するという方も多いです。
商品が届くまでに時間がかかったり、配送料が高くなってしまったりといった点も挙げられますが、国内では購入できない商品を購入できるといった点で大きな魅力があります。
このデメリットともいえる配送料について「iHerb」では配送企業との提携によって低価格に抑えています。

 

 

「iHerb」とは

アメリカに本社を置くEC企業で、自然派食品を中心に扱う越境ECプラットフォーム”iHerb”を運営しています。美容や健康に関する商品を中心に3万点に上る商品を取り扱っており、185カ国、3,000万人以上の顧客に向けて提供しています。リーズナブルな価格や徹底した品質管理で高い評価を得ています。
コロナ禍で、iHerbでは体調管理を目的としたサプリメントの需要が高まり、ビタミンC・ビタミンD・亜鉛などの商品の人気が上昇しています。また、自宅で過ごす時間が長くなったことにより、家庭で料理をする機会が増えたことや、健康に気を使う人が増えたのではないかと考えられます。

 

 

iHerbのビジネスモデルキャンバス

では、iHerbのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・健康や美意識が高い人
・含有成分など国内商品では満足できない人(日本) 

健康や美意識が高い人や日本視点でいえば、市販のサプリメントは含有成分量などが海外の商品に比べ低めの設定となっているため、国内商品では満足できない人が挙げられます。
コロナ禍で健康に気を使う人が増えたため、需要が増えてきている傾向があります。

 

2.提供価値

・健康、美容、自然産品の入手が難しい地域にも配送
・3万点以上の品質管理が徹底された高品質ブランドと自然産品を提供
・リーズナブルな価格

iHerbが幅広い地域で入手可能になったのは、グローバルな配送企業DHL Expressとの提携により実現しました。健康、美容、自然産品の入手が難しい地域にも配送をすることでより多くの人の健康や美容をサポートしています。
また、iHerbは、世界中の何百万人もの顧客に1200のトップブランドから3万点におよぶ製品を提供していて、GMP認定を受けた最先端の温度調節された倉庫から直接150カ国以上の顧客へ発送しているため品質管理が徹底された高品質なブランドを大量入荷し自社施設から直接出荷することでリーズナブルな価格で提供しています。

 

3.チャネル/販路

・商品レビュー
・iHerbサイト(日本語サイトあり)
・広告、SNS(インフルエンサー、美容アカウントなど)

iHerbでは、実際に商品を購入した人のレビューを見ることが出来ます。
レビュー数も多いので、実際の声を聞くことができ購入前の不安要素をなくすことで購買へ繋げることが出来ます。
また、iHerbには日本語サイトもあり、現在は計16か国語のサイトを用意しているため多くの国と地域の方に利用されています。
広告やインフルエンサー、TwitterやInstagramなどで美容アカウントを持つ人によってiHerbの商品が紹介されているため、元々iHerbを知らなかった人たちにも広まっていっていると言えます。

 

4.顧客との関係

・製品は自社の最先端の温度調節された施設から直接出荷
・健康、美容、自然産品を販売する小売業者から遠く離れた地域でも配送可能
・キャンペーンコード入力、セール

製品は自社の最先端の温度調節された施設から直接出荷することで高品質、かつリーズナブルな価格で提供することが出来ています。
また、健康、美容、自然産品を販売する小売業者から遠く離れた地域でも配送可能なため、入手困難な地域にも商品を提供しています。
iHerbの商品はキャンペーンコードの入力によって割引価格で購入できます。セール時にはお得に商品を購入することが出来るため、顧客にも喜ばれています。

 

5.収益の流れ

・美容や健康に関する商品の販売

iHerbは、世界中の何百万人もの顧客に1200のトップブランドから3万点におよぶ製品を提供しています。その美容や健康に関する商品の販売で収益を得ています。

 

6.主要な資源

・人材(配送・施設など)
・自社施設

配送や自社施設からの出荷などに関わる人材や、GMP認定を受けた最先端の温度調節された倉庫から発送する品質管理が徹底された自社施設はiHerbにとって重要な資源といえます。

 

7.主要な活動

・販売ブランド、商品の確保
・サイト運営

1200のトップブランドなどの販売ブランド、商品の確保や商品を販売しているオンラインサイトiHerbの運営が挙げられます。

 

8.主要パートナー

・グローバルな配送企業DHL Express
・韓国・仁川の配送センター
・佐川急便、ヤマト運輸

iHerbでは、国際配送でネックになりがちな日本への送料を「自動セレクト海外配送」(配送会社をiHerbに任せる配送)によって、一律4ドル(約450円)の低価格に抑えている点も特長です。
グローバルな配送企業DHL Expressによって幅広い地域に配送することを可能としています。
日本では、オンライン購入された商品を韓国・仁川の配送センターから輸出することで、日本への送料を大幅に削減しています。日本向けは年間約1,500万件の注文があるため、佐川急便やヤマト運輸と提携して手ごろな価格帯で配送しています。

 

9.コスト構造

・配送費
・施設費(品質管理・温度調節)
・国際配送コストを大幅削減

配送企業DHL Expressや日本でいうと佐川急便、ヤマト運輸との提携による配送費や、自社で商品の品質管理・温度調節などを行っている施設費などがコストとして挙げられます。
各配送企業と提携することで、国際配送コストを大幅に削減することが出来ています。

 

 

必要としていても入手困難な地域へのサービス提供

既に多くの国と地域の人から愛用されているiHerbですが、配送地域を広げる、対応言語を増やすなどより幅広い人たちへの価値提供を行っています。健康、美容、自然産品を販売する小売業者から遠く離れた農村部コミュニティーに居住している人々への商品配送にも適用しています。
今後もより多くの人たちにiHerbの商品や価値を提供していくのが楽しみです。

 

 

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