ファンを集める節約の味方!「業務スーパー」をビジネスモデルキャンバスで分析

近年、KPOPブームから新大久保を訪れる人が増え、チーズハットグなどの韓国フードが日本でも人気を集めています。また、数年前には台湾のタピオカジュースが流行するなど、海外のデザートや食べ物が流行することは多いです。
お店で購入すると価格が高いため、家庭でも流行の海外フードを楽しめないかと近所のスーパーで探していたところ、業務スーパーに様々な商品が取り揃えられており感動したのを覚えています。
今回は、そんな世界の食品を幅広く取り揃えている業務スーパーについて見ていきたいと思います。

 

 

「業務スーパー」とは

神戸物産グループである「業務スーパー」は、安さと独自性の高い品ぞろえでファンを集めているスーパーマーケットです。
1985年11月に設立し、2021年には全都道府県に業務スーパーの店舗を展開することができました。一般的な食品スーパーが商品を1万点程度はそろえるのに対して、2000〜2500点に絞り込んでいるのも特徴です。
厳選された商品を低価格で購入することができ、成果の国々で現地の人にも愛されている『世界の本物』である商品が沢山取り揃えられています。
世界約45か国の工場と直接取引をし、直輸入することで多種多様な商品がお店に並んでいるのです。

 

 

業務スーパーのビジネスモデルキャンバス

では、業務スーパーのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・低価格で高品質、大容量商品を購入したい人
・メディアで取り上げられている流行商品や輸入商品に興味がある人

高品質であるのに加え、割安で商品を購入できるといった部分に魅力を感じ、業務スーパーを訪れる人は多いと思います。
”業務“スーパーというだけあり、大容量商品も多く取り揃えられているため、低価格に加えて大容量の商品を購入したいという人もいるでしょう。
また、メディアで話題となっている商品や、海外の輸入商品を購入したいと考え、業務スーパーを訪れる人もいます。

 

2.提供価値

・厳選した商品を低価格で購入できる
・輸入食品が充実、国内製造品の指名買いもあり独自性の高い品ぞろえを提供
・お客様のニーズに即した美味しさと安全性にこだわったオリジナル商品

業務スーパーでは、通常のスーパーマーケットではないような輸入商品、ハラール商品(イスラム教徒が安心して利用できる製品)などの珍しい商品から日本でも馴染みのある商品まで、幅広い独自性の高い品ぞろえで、厳選した商品を低価格で購入することが出来ます。
これらの商品は、約45か国の海外協力工場から本場の味をお届けしています。
また、お客様のニーズに合う商品を企画し、美味しさと安全性にこだわり国内の自社工場で作られるオリジナル商品も業務スーパーの大きな魅力の一つです。

 

3.チャネル/販路

・店舗
・WEBチラシ
・メディアによる宣伝、SNSによる拡散

店舗を訪れた際に、他のスーパーマーケットとは違う品揃えのためお目当ての商品以外にも興味を持ち、手にする機会があるでしょう。
広告についてはWEBチラシがメインで広告費をかけないぶん商品の価格をより安くすることが出来ています。
また、牛乳パック入りのスイーツシリーズはテレビやSNSでも多くのアレンジレシピが紹介されるほどの人気を集めました。
このように、メディアやSNSで商品を目にして興味を持ったお客様が来店するといこともあります。

 

4.顧客との関係

・お客様が購入したいオリジナル商品開発を行う
・自社グループ工場で製造しているため割安で商品を提供 

お客様が購入したいと思うようなオリジナル商品の開発を行っています。
例えば、冷凍揚げ物シリーズは夕飯のおかずとして1品プラスとして、お弁当のおかずとしてなど様々な場面で役立ちます。普通に作ろうとすると手間だが、惣菜で買うと衣がサクサクしていない場合などもあるため冷凍で揚げ物が作れてしまうというのは素晴らしいですね。
揚げなすやカットほうれん草などの冷凍野菜は、生野菜を購入すると傷んでしまう可能性を考え、すぐに使う必要がありますが、そのような心配がなく使いたい分だけ使うことができてとても便利です。
業務スーパーのオリジナル商品は基本的に大容量なので、他で購入するよりもお財布に優しいことが多いため、節約の味方になりますね。

 

5.収益の流れ

・消費者による商品購入                   

安全・高品質で輸入商品から国内商品、業務スーパーの独自のオリジナル商品などの幅広い取り揃えに魅力を感じ、訪れるお客様は後を絶ちません。
これらの商品を低価格で購入することが出来るため、出来る限り節約したい方やファミリー層に根強いファンがいることも業務スーパーの強みと言えるでしょう。

 

6.主要な資源

・協力工場、自社工場
・企画から製造、販売まで垂直統合できる仕組み
・神戸物産グループ

業務スーパーは、販売だけでなく、製造や原材料などお客様に商品を届けるための全工程を自社で担うことでコストや手間をカットしています。
このように、企画から製造、販売までを垂直統合できる仕組みが大きな強みであると言えます。
また、神戸物産グループの製販一体体制を基盤とすることで、業務スーパーでは他社にはない様々なオリジナル商品を販売することが出来ています。

 

7.主要な活動

・オリジナル什器使用、AIカメラ・データ活用などによる店舗改善
・オリジナル商品の企画開発
・食の製販一体体制の拡大

業務スーパーはオリジナル商品の企画開発に力を入れているのはもちろん、食の製造、販売一体体制の拡大に注力することで他社との差別化を図っています。
そして、お客様により快適にお店を利用してもらえるよう、日々店舗改善を行っています。
近年ではDX推進企業と手を組み、来店者が商品バーコードを事前に読み込んでレジ精算をスムーズに済ませるショッピングカートを導入するなど新しい取り組みを始めました。この取り組みによってお客様にとってもスタッフにとっても快適になると言えるでしょう。
他にも、お客様が選んだ商品に応じておすすめ商品やレシピを提案するレコメンドカートも導入されていて、何を買うか決めていないお客様の購入検討のお手伝いも担うことができます。
また、業務スーパーは凍食品専用のオリジナル什器や、段ボール陳列などの工夫で店舗運営のコストを節約しています。

 

8.主要パートナー

・ソフトバンク
・協力工場、自社工場

お客様、スタッフともにメリットが生み出されるよう店舗改善を行うために、ソフトバンクと手を組み新しい取り組みを行っています。
また、直接取引がある世界45か国の工場や国内の自社工場によって高品質で低価格な商品をお客様に提供出来ています。

 

9.コスト構造

・自社グループで製造するなどして各種コストをカット
・AIカメラ、データ活用によってスタッフ業務量、人件費削減

業務スーパーには、自社工場で製造したオリジナル商品や、原材料から自社でつくった商品も多数並んでいます。販売だけでなく、製造や原材料などお客様に商品を届けるための全工程を自社で担うことでコストや手間をカットし、お客様に良いものを低価格で提供できているのです。
また、世界約45カ国のさまざまな厳選商品を、大きなコンテナでまとめて直輸入しています。このように、まとめ買いをすることで低価格で仕入れが出来ています。
さらに、問屋を通さずメーカーから直接仕入れる、海外の工場と直接取引して自分たちで輸入する、自社工場でオリジナル商品をつくるなど、仕入れコストを削減しています。
そして、DX推進企業と手を組み、AIカメラによる品切れ自動検知システムや、来店者が商品バーコードを事前に読み込んでレジ精算をスムーズに済ませるショッピングカートを導入するなど新しい取り組みを始めています。
この取り組みによって今後はスタッフ業務量が減り、人件費の削減につながるのではないでしょうか。

 

 

コスト削減への工夫がお客様へ低価格な商品を提供できる理由であった

業務スーパーは、様々なコスト削減の工夫を行っていることが分かりました。

仕入では直接取引やまとめの仕入れを行い、製造では自社工場での製造、店舗ではオリジナル什器の使用やスタッフ業務量、人件費の削減への新しい取り組みなど多くの工夫が見られました。

お客様が選んだ商品に応じておすすめ商品やレシピを提案するレコメンドカートの導入は、スーパーマーケットでは新しい取り組みだと思うので、面白いなと感じました。

既存の取り組みだけにとらわれず、少しずつ新しい取り組みを取り入れていくことによってお客様にも新しい価値提供が出来るといった部分につながるのではないでしょうか。業務スーパーが今後どのような取り組みをしていくか楽しみですね。

 

 

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