アパレルの革命児! EVERLANEのビジネスモデルをキャンバスでまとめてみた

アパレル業界のビジネスモデルにはある一定の“常識”がありました。「原価率は公表しない」「まずは路面店を出して基盤を作ってから、流通や生産のチャネルを整備していく」などが主な例です。

これらの常識を打ち破った施策で業績を伸ばしているのが、サンフランシスコ発のアパレルブランド・EVERLANE

今回はEVERLANEの革新的なビジネスモデルを、ビジネスモデルキャンバスの9つの項目でまとめました。


 

アパレル業界に革命を起こしたEVERLANEの特徴的な戦略とは?

EVERLANEは2010年、マイケル・プレイズマンとジェシー・ファーマーの2人によって立ち上げられました。創業当時から注目を集めていたのが、イノベーティブなビジネスモデルです。「顧客に対して正しいことをする」という前提をもとに組まれた戦略を、順にご紹介しましょう。

 

1. はじめにDtoCの仕組みを作り上げた

EVERLANEが最初に取り組んだのは、路面店を出店する計画ではありません。まず生産や流通のコストをカットするために、DtoCの仕組みを構築することに力を注ぎました。また路面店に出すのではなくEC販売のみでセールスを進めることで、極力販売コストを下げたのです。

 

2. スローガンは「透明性」

DtoC型のビジネスモデルなので、中間コストを大幅に下げることに成功したEVERLANEは、原価をすべて公開するという戦略を取りました。布や金具などの材料費、人材費、輸送費など項目別に金額を提示し、従来のコストよりも安く生産できることをアピールしています。

また従来のアパレルが原価率20%ほどで販売しているなか、EVERLANEは40%程度をキープしていることも公表しています。同じ製品でもカラーリングによって仕入れ費が変わるので、販売価格が違うのも興味深いポイントです。どこまでも正直な販売をしています。

 

3. 環境問題対策のアピールも

昨今、ビジネスの関心が高まっている環境問題。スターバックスやマクドナルドがプラスチックのストローを使わなくなったのも記憶に新しいでしょう。

EVERLANEのホームページには環境対策についてのページが展開されています。ジーンズ生産工場で使われる水は98%をリサイクルしているのです。「汚い水を使っているのでは?」と不安なユーザーに訴求するためにリサイクル後の水を実際に飲む動画も公開しています。そのほか「CO 2排出量を80%削減」「年間のエネルギー節約量530万kw」「乾燥機の熱風を85%リサイクル」など、工場全体で環境問題の対策をしているのが特徴です。

 

4. 労働問題への警鐘を鳴らす

大量生産アパレルメーカーは生産コストを下げるために、アジア圏をはじめとした安価な労働者に依頼することが多いのが実情です。賃金が安いうえに工場自体の安全性が低く事故が相次ぐなどの問題が多発していることが問題になっています。

EVERLANEはこうした課題解決にも尽力しており、高級ブランドが用いるアメリカ国内のセーフティな工場を使っているのです。環境問題を含めて、特にミレニアル世代の心に響く取り組みだといっていいでしょう。

 

5. 少ロットでシーズンごとに売り切る

大量の在庫を抱えないために、EVERLANEは常に少ロットで仕入れています。その結果、毎月のようにコレクションを変えることが可能なのです。流行を逃さなうえでもメリットがある取り組みだといえるでしょう。また在庫の保守費を抑えられるので、歳末バーゲンセールをしなくても、常に安価で提供できます。

 

6. チャネルはSNSで

SNSをフル活用した集客方法を取っているのもEVERLANEのマーケティングの特徴でしょう。友人招待キャンペーンでは1人招待するたびに招待した側とされた側の両方にクーポンが届きます。集客コストを少なく抑えられます。そのぶんの費用を値下げして顧客に還元する仕組みを取っているのです。

 

EVERLANEのビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスで解説

これらの戦略について、ファウンダーのマイケル・プレイズマンは「顧客に向けて正しいことをしているだけ」と語ります。正直な施策が、結果として「戦略」と捉えられていることを疑問視しているほどです。確かにEVERLANEの魅力である「透明性」も、これまでのアパレル業界が“見えな過ぎた”だけだといえます。当たり前のことをした結果、顧客に評価されているのが事実です

では、EVERLANEのビジネスモデルをキャンバスにまとめてみます。

1. 顧客セグメント

・高品質な製品を安価で手に入れたい男女
・ECサイトで購入することに慣れた若年層
・環境問題対策へのリスペクトをする層(特にミレニアル世代以降)
・SNSを普段から使っている若い層

2. 提供価値

・他社で買うと高くつくハイクラスのアイテムを安価で変える
・原価が見えることへの安心感
・環境問題・労働問題対策としての共感

3. チャネル/販路

・EC
・2018年からは実店舗
・SNS
・YouTube

4. 顧客との関係

・「なぜ安いのか」が分かることの信頼
・環境問題や労働問題を解決する姿勢への共感

5. 収益の流れ

・アイテムの売り上げ

6. 主要な資源

・ECサイト
・生産・流通システム

7. 主要な活動

・アイテムの販売
・アイテムのデザイン
・倉庫の管理
・工場の管理
・流通経路の管理
・10万人以上にわたる登録顧客の管理
・サイトの保守

8. 主要パートナー

・提携している工場

9. コスト構造

・アイテムのデザイン・生産費
・倉庫の管理費
・工場の管理費
・流通経路の管理費
・10万人以上にわたる登録顧客の管理費
・広告費
・人材費
・サイトの保守費

 

 

日本版のサイトもオープン

現在、EVERLANEはアメリカ国内に5つの実店舗をオープンし、世界38カ国でEC展開をしています。日本でもサイトがオープンしました。日本国内では、まだ規模は伸びていないものの、今後国内での社会貢献に対する意識が高まるにつれて、若者をはじめ関心を集めるようになるでしょう。コンプライアンスに対する意識が高まっているなか、EVERLANEの透明性はアイテムそのものの価値を上回る魅力になるはずです。

今回、解説するために用いたビジネスモデルキャンバスはBizMakeから誰でも無料で使えます。ぜひお気軽にご登録、ご利用いただけましたら幸いです。

 


 

 

Sponsored links
Sponsored links
SNSでフォローする