
社会課題に取り組む企業と学生がつながるSNS型就活プラットフォームサービス「エシカル就活」を提供する「Allesgood」をビジネスモデルキャンバスで分析
近年、「SDGs」という言葉を目にしたり、耳にする機会が増えてきています。
30年までに達成すべき目標として掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)は、日本でも目標実現に向け、政府や自治体、企業、NPO、教育機関など様々な場所で活動を本格化しています。
このような風潮の中、若者にも積極的に社会課題に取り組む人が増えてきています。
就活サイトでは、希望する業界や業種で企業を選択することはできますが、社会課題にコミットした企業を探し出すことは容易ではありません。
そんな中、社会課題に取り組んでいるという視点で企業を探すことが出来る「エシカル就活」を立ち上げたのがAllesgoodです。
目次
「Allesgood」とは
代表取締役CEO勝見仁泰さんが現役大学生にして立ち上げたのが、「エシカル就活」を展開する株式会社Allesgoodです。
様々な企業のインターンを経験し、本来、気候変動や貧困問題というところにコミットしたいのにも関わらず、就活においては業種や業界でしか企業を選ぶことができない、という課題が見えてきたそうです。
この課題を解決しようと立ち上げたのが「エシカル就活」です。
「エシカル就活」は、社会課題に取り組みたい学生と、実際に社会課題に取り組むエシカル企業とをWeb上でマッチングさせる新たな採用システムです。
多くの難関大学に通う学生や、実際に社会課題の解決に取り組んでいるユーザーが登録していて、企業が優秀な人材を探すのにも役立てていいます。
Allesgoodのビジネスモデルキャンバス
では、Allesgoodのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・社会課題に取り組みたい、取り組んでいる企業を探している学生
・実際に社会課題に取り組むエシカル企業
SNS型就活プラットフォームサービス「エシカル就活」は、社会課題に取り組みたい、取り組んでいる企業を探している学生と実際に本気で社会課題に取り組んでいるエシカル企業をつなげています。
SDGsなどの影響から、社会や環境に良いことをする企業に投資家が投資するようになってきた時代背景もあり、数あるリクルートマッチングの中でも今までになかったエシカル就活を利用するユーザー、企業が増えてきていると言えます。
2.提供価値
・社会課題に本気で取り組むエシカル企業と学生をつなぐSNS型就活プラットフォーム「エシカル就活ーETHICAL SHUKATSUー」を提供
・関心のある社会課題に取り組んでいる厳選された「エシカル企業」を見つけることが出来る
・長期インターンや留学、学生団体立ち上げなどの実践活動を行っている質の高い学生を採用することが出来る(登録者の7割以上)
従来の就職サイトでは希望する業界や業種で企業を選択することはできますが、社会課題にコミットした企業を探し出すことは容易ではありませんでした。
そこで関心のある社会課題に取り組んでいる厳選された「エシカル企業」を見つけることが出来るのが「エシカル就活」です。
ジェンダー不平等、貧困格差などの社会課題解決に取り組む企業と学生をつなぐプラットフォームで、社会課題への取り組みを軸に働く企業を選ぶことが出来るのです。
サスティナビリティの知見のある外部顧問の協力により、社会課題に本気で取り組んでいる厳選されたエシカル企業のみを掲載しているため、情報感度の高い学生が集まる理由となっています。
また、独自のチャネル戦略により、登録者の7割以上が長期インターンや留学、学生団体立ち上げなどの実践活動を行う学生となっているため企業側は質の高い学生を採用することが出来ます。
3.チャネル/販路
・既存ユーザーからの口コミや紹介
・企業合同イベント
・メディア、SNS
・今までになかった時代背景に沿った就活サービスによる利用
勝見氏のインタビュー内容によると、これまで学生集客のために広告は出しておらず、既存ユーザーからの口コミで学生が集まってきているとのことでした。興味深い流入経路としては、SDGsに関連するような学部の教授からの紹介で学生がエシカル就活にたどり着くケースも少なくないということで、広告ではなく既存ユーザーからの口コミや、学内の教授などからの紹介が挙げられます。
また、企業合同イベントを行っていたり、メディアにも多数取り上げられているなども着々と認知を広げている理由でしょう。
他にも、Instagram、Twitter、Facebookなどでも情報発信を行っています。
サービスリリース初期には、今までになかった時代背景に沿った就活サービスであったため社会課題を解決したい人や、社会課題を解決するための活動を取り組む企業が利用を始めたと考えられます。
4.顧客との関係
・直接スカウトをもらうことができるダイレクトスカウト
・通数無制限のDM機能搭載
企業から直接スカウトをもらうことができるダイレクトスカウト機能や、企業と学生が通数無制限のDMが出来る機能も搭載しています。
双方向でのコンタクト、コミュニケーションを取れる点が良いですね。
5.収益の流れ
・無料
・サービス利用料(月額)
(金額:担当とのプラン設定次第)
ユーザーは登録無料で利用することが出来ます。企業側は、月額のサービス利用料が発生します。
詳細な金額は担当とのプラン設定次第ではありますが、月額15万円である企業が多いです。
すでにダイキン工業、丸井グループ、POLA、キリンHD、ユーグレナ、パーソルキャリアなど多種多様な業界の上場企業が同サービスを有料で活用しています。
6.主要な資源
・優秀な学生(50%以上の難関大学に所属する学生、また、留学や長期インターンの経験者が約70%を占めている)
・登録企業(LIFULLや丸井グループ、など)
・SNS型就活プラットフォーム「エシカル就活ーETHICAL SHUKATSUー」
「エシカル就活」に登録しているユーザーの50%以上は東京一工や早慶上理、ICUといったいわゆる難関大学に所属する、また留学や長期インターンの経験者が70%を占めていて、学生時代に社会課題の解決に向け、何らかのアプローチで挑戦しているユーザーが多いです。
ユーグレナやボーダレス・ジャパンといったいわゆるソーシャルビジネス企業だけでなく、LIFULLや丸井グループ、メンバーズ、ポーラなど業種も様々な登録企業、サービス提供に欠かせないSNS型就活プラットフォーム「エシカル就活」が挙げられます。
7.主要な活動
・登録企業の審査
・マッチングプラットフォームシステム運営
登録企業は厳選しており、独自の審査基準を通過した企業のみを掲載しています。
例えばビジネスモデルは循環型にシフトしているのか、いわゆるマテリアリティー(自社の重要課題)の分析をどこまでしているかなどもチェックしているとのこと。
企業ビジョンやパーパス(存在意義)も重視しており、これは企業担当者との面談を基に判断していて、特にESG(環境・社会・企業統治)情報の発信にまで手が回っていない企業については、ビジョンをしっかり見ています。
8.主要パートナー
・登録企業(LIFULLや丸井グループ、など)
・登録ユーザー
LIFULLや丸井グループなどの登録企業や登録ユーザーが挙げられます。
「エシカル就活」は学生なら誰でも登録が可能という点が特徴で、高校3年生の登録者もいるそうです。
9.コスト構造
・マッチングプラットフォームシステム運営費
・既存ユーザーの口コミで学生への広告コスト削減
SNS型就活プラットフォーム「エシカル就活」のシステム運営費が主なコストとして挙げられます。
なお、既存ユーザーの口コミによって学生集客を行うことが出来ているため、広告コストの削減に繋がっています。
「エシカル就活」の今後の展開とは…?
「エシカル就活」は、学生なら誰でも登録が可能で、高校3年生の登録者もいるとのこと。大卒のキャリア向けにもサービス提供を広げていくことを考えていて、今後のビジョンについては、国内の新卒市場で10%シェアを取るだけでなく、欧米を中心にグローバルかつボーダーレスに事業を展開していきたいとしています。
また、日本はSDGsの専門部署をつくるだけで満足してしまう企業も少なくありません。問題意識を持った学生をもっと企業に送り込んで現状を変えたいという考えを持っているためエシカル就活を企業にとって必要不可欠なものにすることで、企業のサスティナビリティ活動の底上げを図っていきたいと考えているとのことです。
エシカル就活に登録しているユーザーのように、社会課題に興味を持ち実際に取り組みを行う人が増えていくと企業の活動も変化が出ていきそうですね。
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