
読書がテーマのコンセプト型ホテル「dot」をビジネスモデルキャンバスで分析
小学校の頃、朝の読書の時間はありましたか?
日頃、読書の習慣はありませんでしたが、集中して本と向き合う、その時間が好きでした。
ビジネスにおいても、本を読んで知識や引き出しを増やすことは重要です。
また、本以外にも小説や漫画があります。
漫画は日本を代表する文化の一つで、外国の方からもとても人気がありますし、小説から映画化されるものもあります。
読書は自身の感性や想像力、学びなど様々な点を伸ばしてくれるものだと感じます。
そんな様々な「読書」をテーマにしたホテルがあるとしたら気になりませんか?
目次
「dot」とは
小説、マンガなど読書できる空間をテーマにしたコンセプト型のホテルを運営する会社です。広義の“アート”という観点から厳選された5,000冊の漫画が取り揃えられていて、気に入った作品はその場で購入することも可能です。また、小説をテーマにした「BOOK HOTEL 神保町」も運営し、“本の街をあじわい尽くすホテル”として極上の読書体験を提供しています。
2022年6月には小学館との資本業務提携を発表しましたが、実際の取り組みとしては2021年12月1日から「BOOK HOTEL 神保町」の運営に関して協業を開始しています。
小学館との提携によって今後のサービスにも大きな変化をもたらすでしょう。
dotのビジネスモデルキャンバス
では、dotのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・読書を思う存分に楽しみたい人
・新しいコンセプトのホテルに宿泊したい人
・ホテル運営会社
読書をすることが好きで、時間に限られることなく心置きなく存分に楽しみたい人や新しいコンセプトのホテルに宿泊したい新しいものを好む人、また、ホテル運営をしている会社が顧客セグメントとして挙げられます。
2.提供価値
・“本の街をあじわい尽くすホテル”として極上の読書体験を提供
・新しいコンセプトのホテル体験ができる
・宿泊施設の運営、予約管理など代行して行うため、ホテル業の全てを任せることができる
dotでは、今までになかったような“本の街をあじわい尽くすホテル”として極上の読書体験を提供しています。
このような新しいコンセプトのホテル体験が出来るとして、メディアにも多数取り上げられ注目を集めています。
3.チャネル/販路
・メディア(取材は700以上)
国内外含め、700以上の取材を受けるなど、メディアに大きく注目されています。
広告出稿を一切行わないプロジェクトとしていて、逆に取材に来てもらわないと中身がわからない、実際に宿泊してみないとわからないように、プレスリリースの中身にはかなりこだわったそうです。
4.顧客との関係
・厳選された漫画5,000冊以上を常設しているためリピート利用に繋がる
・ホテル運営をすべて任せることが出来る
dotではなんと、オープンしてから4ヶ月でリピーター率28%を達成しました。
3ヶ月で200名が選書サービスを利用するなど、宿泊客にとって「読書」が目的のホテルとして厳選された漫画5,000冊以上を常設するなどの読みたい本の取り揃えによってリピーターが定着していったと言えます。そして、オープンから1年間では、2回以上利用したリピーターが約500人となり、しっかりとファンを獲得しました。
また、宿泊施設の運営代行事業や、物件の開発から運営までの提案も行うことでホテルの宿泊以外の場面でも顧客へサービスを提供しています。
5.収益の流れ
・コンセプトホテル宿泊費
・無人ホテルの売上
コンセプトホテルの宿泊費(他、本購入による売上含む)や無人ホテルの売上が主な収益となります。
6.主要な資源
・マンガ、本
・ホテル、物件
ホテルに常設している漫画や本、ホテルや物件が主要な資源として挙げられます。
この漫画や本の取り揃えから多くのリピーターを獲得することが出来ていると言えます。
7.主要な活動
・コンセプトホテル企画運営
・無人ホテル運営
・マンガ、本の管理
コンセプトホテルの企画、開発、運営やフロントに人が常駐しないタイプの宿泊施設の運営代行事業、物件の開発から運営までを提案し、運用管理の全般代行では予約管理から緊急事態対応、料金設定等ホテル業の全てを対応しています。
8.主要パートナー
・小学館
大手出版社の小学館がコンテンツをホテルと組み合わせて発信する事業を開始しました。
出資や、新施設も開発していくとしており、今後のサービス提供に欠かせない重要なパートナーです。
9.コスト構造
・マンガ、本の購入や管理費
・コンセプトホテル、無人ホテルの家賃
読書を楽しみに訪れるお客様へのサービス提供に欠かせない漫画や本の購入や管理費、コンセプトホテル、無人ホテルの家賃がコストとして挙げられます。
宿泊がメインではなく読書がメインのホテルとして注目を集める
ホテルと言えば、観光地の近くに宿泊したい、出張時に宿泊するためなど宿泊することをメインとして訪れるものだという考えが大きかったと思います。
しかし、dotが運営する読書をテーマとしたホテルのように趣味や好きなものをメインとしてホテルを訪れることでお客様にとって付加価値が生まれ、次も利用しようというリピートに繋がります。
近年では、ホテルにサウナを常設する、体験を付加するなど宿泊+aのサービスを提供する所も増えてきています。
よりお客様に付加価値を提供できるような施策が他社との違いを出す点においても重要になってきているように感じます。
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