
注目のグローバル⼈材労務管理「Deel」をビジネスモデルキャンバスで分析
近年では、グローバル企業を目指したいという企業や、国外の優秀な人材を雇用しようという企業が増えてきています。豊富な経験と高度なスキルをもったエンジニアのニーズは年々高まり続けています。しかし、国内のエンジニア市場だけでは、既にリソースの確保は困難な状態です。
そんな中、何も問題なくスムーズに国外のグローバル人材を雇用できる企業は少ないといえます。
理由としては、国によって異なる法律やコンプライアンスがあるため、雇用契約を結ぶことや現地の通貨計算で給与の支払いをするためには、金銭面でも時間面でも大きくコストがかかります。これらを手作業で調べ、計算などを行うことで手間や時間がかかることを考慮すると、今あるリソースでまかなうことが出来ないといった企業が多いのです。
これらの労務管理を解決できるプラットフォームがDeelです。
2021年12月には日本進出を果たし、注目を集めています。
目次
「Deel」とは
Deelは、グローバル⼈材のリモート活⽤を簡単、シンプルに行うことが出来る労務管理SaaSです。
国外の高度人材を必要とする企業や海外進出を考えている企業は年々増えています。しかし、国によって異なる法律やコンプライアンスがあるため、雇用契約を結ぶことや現地の通貨計算で給与の支払いなどで金銭面でも時間でも大きなコストがかかり国外の人材雇用は難しいと考えられていました。
150ヶ国の従業員やコントラクターのオンボーディングから現地の法律、複雑な税制、給与⽀払いまでの全てをDeelが⼀元提供するため、Deelのプラットフォームを利用することでこれらの課題が解決してしまうのです。世界的な投資家たちから支援を受け、ユニコーン企業として注目されていて、なんとSlack超えの急速成長を遂げている注目の企業です。
Deelのビジネスモデルキャンバス
では、Deelのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・グローバル人材を雇用したいが、契約、給与など不安要素が多い企業
・手間や時間がかかるグローバル人材の労務管理を出来るだけコストをかけずに行いたい企業
・海外進出したい、国外の高度人材を必要とする企業
国外のグローバル人材を雇用したくても、オンボーディングや契約、給与の支払いなど今あるリソースで行うことに不安がある企業や、手間や時間がかかる労務管理を出来るだけコストをかけずに行いたい企業、海外進出を考えている、国外の高度人材を必要としている企業に向けたサービスを提供しています。
2.提供価値
・地域の法律と税法に準拠しているため、チームはどこにいても働くことができる
・給与を確認し、ワンクリックで給与を実行できる
・現地法人90カ国を介して世界150か国以上でグローバルに人材を雇用できる
雇用責任もDeelが担い、200を超える現地の法律事務所などのパートナーと手を組むことで、各国の法律や税制に的確に対応しリスクを低減しています。また、給与や経費支払いにおいて、仮想通貨を含む120以上の通貨に対応しています。そのため、企業は金額や支払い方法についてだけを確認すればワンクリックで支払いが完了します。海外への送金手数料や現地通貨に交換するための為替手数料も軽減できるのです。
グローバル人材を雇用する際に発生する不安要素を取り除いてくれるのです。
また、ユーザー企業はDeelの現地法人90カ国を介して世界150か国以上でグローバルに人材を雇用できるためグローバル人材を求めている企業にとってとても魅力的なサービスだと言えます。
3.チャネル/販路
・営業
・ホームページ
・ネット記事
営業活動や、ホームページ、ネット記事でDeelのソリューションに興味を持った企業が導入しています。
DeelはSlack越えの急速成長を遂げているため、記事やニュースに取り上げられているのを目にする機会が多いのも重要なチャネルとして挙げられます。
(出展元:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2204/28/news056_4.html)
4.顧客との関係
・グローバル人材雇用の障壁となる要素を1つのプラットフォームで解消できる
・金銭面でも時間面でもコストをカットすることが出来る
グローバル人材を雇用する際に障壁となる要素を1つのプラットフォームで解消できる点が顧客から喜ばれている点として挙げられます。
通常、グローバル人材を雇用する場合には発生してしまう金銭面、時間面でのコストをDeelのプラットフォームを導入することでカットすることが出来るのです。
また、グローバル人材を雇用するうえで必要な知識や契約、給与支払いなどもDeelが一元提供してくれることによって自社で背負う必要がなくなり、社内のリソースを割かずとも有効活用することができます。
5.収益の流れ
・労務管理SaaSの販売
Deelは、労務管理SaaSの販売によって収益を得ています。
様々な労務管理SaaSがある中、Deelはグローバル人材をリモート活用するための労務管理SaaSを提供しています。
6.主要な資源
・200を超える現地の法務および会計パートナーのネットワーク
・労務管理SaaS
Deelで提供しているグローバル人材をリモート活用するための労務管理SaaSや、200を超える現地の法務および会計パートナーのネットワークは重要な資源だと言えます。
7.主要な活動
・ソフトウェア、サービス開発
・営業活動
Deelでは、労務管理SaaSのソフトウェア、サービス開発や顧客への営業活動を行っています。
ドロップボックスやコインベースなどの有名な企業を顧客に抱えています。
8.主要パートナー
・200を超える現地の法務および会計パートナー
Deelは、200を超える現地の法律事務所などのパートナーと手を組むことで、各国の法律や税制に的確に対応することによって、リスクを低減しています。
9.コスト構造
・ソフトウェア開発費
・人件費(200を超える現地の法務および会計パートナー含む)
コストとしては、ソフトウェア開発費や200を超える現地の法務および会計パートナーを含む人件費が挙げられます。
急速な成長を遂げているDeel。今後はどのように拡大していくのか?
Deelは、労務管理からフィンテックのサービスへも領域を広げています。
Deelを通じて雇用を行い、蓄積した給与所得データを活用し、給与の前借りや審査不要でのデビットカード発行を実現しているのです。途上国などでは、銀行口座が無いために働き口がない人材が多いというのが現実で、2017年時点では世界で成人約17億人が銀行口座を保有していないとされています。
そうした層にも近年はデジタルウォレットが普及しつつあり、そこにDeelを提供することで国境を越えた就業機会の裾野が広がり始めている。
ユーザー数が増えていけば、企業と高度なスキルを持つ人材のマッチングを行う採用プラットフォームとしての機能も果たしていくことでしょう。
今後の更なるDeelの拡大に注目していきたいです。
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