
植物肉(ミラクルミート)の開発・販売を行っている「DAIZ」をビジネスモデルキャンバスで分析
近年では、食の多様化も進んでいてハンバーガーショップでは、宗教上お肉を食べられない人や、ダイエット中のためカロリーを抑えたいなどでも食べられるハンバーガーとして大豆で作られたパティのハンバーガーも見られます。
植物肉の課題として挙げられるのが、「栄養不足や大豆特有の異風味を独自の製法で解決している点」です。
大豆特有の味を消しきれずに完全にお肉を食べている感覚を得られないといった場合も多かったです。
DAIZの植物肉(ミラクルミートは、そんな課題を解決したスペシャルフードだと言えます。
目次
「DAIZ」とは
植物肉「ミラクルミート」の開発・販売を手がけるスタートアップです。
「ミラクルミート」は発芽大豆由来の植物肉で、2030年頃に訪れると予測されている“タンパク質危機”、“食肉価格の高騰”に対して植物肉の提供を通じて貢献をしていくとしています。
DAIZでは、大豆の代謝に注目した独自の栽培方法である“落合式ハイプレッシャー法”を用いて植物肉「ミラクルミート」の開発を行っています。
これまで植物肉において課題とされていた、栄養不足や大豆特有の異風味を独自の製法で解決しています。
DAIZのビジネスモデルキャンバス
では、DAIZのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・ダイエット中でも食べ応えのあるものを食べたい人、宗教上お肉を食べられない人やビーガンの人
・植物肉(ミラクルミート)を利用した食事を提供する小売店、飲食店
ダイエット中でも食べ応えのあるものを食べたい人や宗教上お肉を食べられない人、ビーガンの人に植物肉(ミラクルミート)を使った料理を食べてもらえるよう、植物肉(ミラクルミート)を利用した食事を提供する小売店、飲食店にサービスを提供しています。
宗教上お肉を食べられないムスリムの人口は、2020年には19億人を占め、 世界人口の4分の1に達しています。
そして、2020年末の滞日ムスリム人口は23万人と推計されています。
DAIZのミッションとして、温故知新のハイテク技術で、日本の<大豆>から世界の<DAIZ>へと飛翔していきたいという大きな想いが込められています。
そのため、世界人口のおよそ4分の1のムスリム人口、また、発展途上国の牛肉、豚肉、鶏肉の恩恵を授からない子供たちに向けてDAIZのミラクルミートを提供していくと言えます。
よって、市場規模が大きいことも分かります。
2.提供価値
・お肉を食べられない人でもお肉の代用として美味しく食べられる
・鶏肉用、豚肉用、牛肉用の植物肉を開発しているため様々な料理に活用できる
・宗教上お肉を食べられない人、ビーガンの人など顧客のニーズに応えた商品を提供できる
「植物肉」としてひとくくりではなく、DAIZの植物肉は鶏肉用、豚肉用、牛肉用の植物肉を開発しているため様々な料理に活用できます。
また、従来の植物肉の課題に合った風味や食感などの課題を解決し、うまみ、こく、弾力性、機能性を備えた「植物肉」を提供しています。
DAIZは、食肉に代わる「ミラクルミート」を開発して世界の飢え撲滅に貢献することをビジョンとして掲げています。
3.チャネル/販路
・スーパーマーケットや飲食店メニュー
・YouTube
‐タレントを起用した植物肉のPR動画や会社紹介動画など
AEONをはじめとする大手スーパーマーケットや焼肉キングでのDAIZのミラクルミートを利用したメニューの提供など飲食店で提供されています。
AEONで発売中のミラクルミートを使用したミンチ肉【ベジディブ】のサイネージなどのような広告からも消費者にも認知が広がっていると言えます。
また、DAIZのYouTubeではタレントを起用した植物肉のPR動画や会社紹介動画なども行っています。
4.顧客との関係
・お肉を使わなくても食べ応えがある料理で満足感を得ることが出来る
・顧客の幅を広げることが出来る
DAIZの植物肉は鶏肉用、豚肉用、牛肉用の植物肉を開発しているため様々な料理に活用でき、お肉を使わなくても食べ応えがある料理を作れるため満足感を得ることが出来ます。
スーパーマーケットなどの小売店や飲食店は、宗教上お肉を食べられない人、健康志向・ダイエットをしている人、ビーガンの人など顧客の幅を広げることが出来ます。
5.収益の流れ
・植物肉(ミラクルミート)の販売
DAIZが開発する植物肉(ミラクルミート)のスーパーマーケットなどの小売店や飲食店向けに販売することによって収益を得ています。
6.主要な資源
・コア技術、特許技術
DAIZは、30年の研究の末、植物肉の原材料の魅力を引き出す栽培法を見つけました。
大豆の発芽の過程における様々な生理現象を、環境ストレスとの関係で考察していくなかで発見した新しい栽培法である「落合式ハイプレッシャー法」です。
また、タンクの中の酸素量、二酸化炭素量、温度、水分を特許技術で絶妙に調整(チューニング)してストレスを与えていきます。
その結果、通常大豆の酵素の活性化でグルタミン酸(旨さの素)が通常大豆の10倍、アルギニン(元気の素)が2倍、イソフラボンが4.3倍、GABAが3.5倍までに上昇する原材料を生み出しています。
栄養においても、味においても通常の大豆を大幅に上回っていることが分かります。
7.主要な活動
・植物肉(ミラクルミート)の開発、販売
・様々な企業や大学との業務提携によるサービス向上
・SDGsの実現に向けた活動
DAIZ独自のコア技術で栽培を行った原材料を使用した植物肉(ミラクルミート)の開発、販売の他、様々な企業や大学との業務提携によるサービス向上、SDGsの実現に向けた活動を行っています。
DAIZは植物肉の生産を通して、持続可能な環境づくりに貢献し、<自分の健康のために、地球の健康のために>をスローガンにSDGsに取り組んでいます。
8.主要パートナー
・日清製粉グループ
・三菱ケミカルホールディングス
・ENEOSや東京都市大学
日清製粉グループの技術や知見を活かした「ミラクルミート」の付加価値向上や研究開発等を行っています。
また、MCHCグループが誇る技術とDAIZが誇る技術を掛け合わせ、更なる研究開発・商品開発を推進することで「ミラクルミート」の付加価値の向上と市場への更なる普及を目指しています。
「低炭素・循環型社会」の実現、「植物肉とSDGs」について共同研究などを行うべくENEOS、東京都市大学と提携を行っています。
多種多様な企業と業務提携を行うことでミラクルミートの付加価値向上や研究開発以外にもSDGsに向けた活動も行っています。
9.コスト構造
・植物肉(ミラクルミート)の開発、販売費
コストとしては、様々な企業とも協力し、研究開発を進めている植物肉(ミラクルミート)の開発、販売費が挙げられます。
独自製法によって実現する「食の多様化」
DAIZでは、独自の大豆の栽培方法や特許技術によって今までの植物肉が抱えていた栄養不足や大豆特有の異風味を解決しました。
実際に、グルタミン酸(旨さの素)が通常大豆の10倍、アルギニン(元気の素)が2倍、イソフラボンが4.3倍、GABAが3.5倍という栄養素や旨味成分などの上昇も実現しました。
このことで、お肉に代わって植物肉を利用した料理を求めている人(宗教上お肉を食べられない、ビーガン、健康志向など)にも美味しく料理を食べてもらうことが出来ます。
スーパーマーケットや飲食店でも、DAIZの植物肉を利用した商品を提供することによって新たな顧客の獲得や、満足度向上に繋がるでしょう。
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