「食のパーソナライズ」を実現する「CAN EAT」をビジネスモデルキャンバスで分析

ホテル宴会やウエディング、修学旅行などでは多くの人たちへの食事提供が行われます。
中には、アレルギーを持っている方もいるでしょうし、誤って料理提供を行ってしまった場合にはアレルギーレベルによっては大きな事故になります。
あらかじめ、アレルギー情報を聴取することは出来ますが連携ミスや管理方法によっては上手く情報共有できないといったこともあるでしょう。
このような課題を解決するためのITサービスが「CAN EAT」となります。

 

 

 CAN EAT」とは


引用:https://about.caneat.jp/

食事嗜好プラットフォーム「CAN EAT」の運営等を行っているスタートアップです。
「CAN EAT」とは、食べられないものを登録して、飲食店や知人に簡単シェアをすることで、アレルギー事故防止と食事制限対応の効率化を図るサービスです。
専門家が監修した充実のヒアリング項目で、現場の過剰対応を防止し、ホテル宴会やウエディング、修学旅行先ホテルなどの企業では事前のアレルギー確認、管理に活用することが出来ます。
アレルギーヒアリングシステムやアレルギー管理サービスの開発・運営を行っています。

 

 

CAN EATのビジネスモデルキャンバス

では、CAN EATのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。

 

1.顧客セグメント

・食事の提供機会があるホテル宴会やウエディング、修学旅行を行う学校など
・メニューのアレルギー情報を簡単に管理したい飲食店
・アレルギーや宗教上食べられないものがある人

八芳園や雅叙園東京などをはじめとする食事を提供する機会があるホテル宴会やウエディング、修学旅行先のホテルなどを経営する企業はあらかじめ、お客様のアレルギー情報などをとりまとめておくことによって当日のアレルギー対応を効率化します。
また、メニューのアレルギー情報を簡単に管理したい飲食店が顧客やアレルギーや宗教上食べられないものがある人に向けたサービスを提供しています。

 

2.提供価値

・QRコートひとつでアレルギー情報をとりまとめることができるため作業削減や、正確で効率的なアレルギー対応を実現
・ラベル撮影だけでアレルギー情報を管理できる
・アレルギーや宗教上食べられない人に向けて安心して食べられるお店の提供
・選ばれる飲食店のカギとなる「食のパーソナライズ」の価値を提供 

食事の提供機会があるホテル宴会やウエディング、修学旅行を行う学校向けサービスとして、アレルギー情報をQRコードひとつでとりまとめるサービスを提供しています。あらかじめ、料理提供する人にアレルギー情報の聴取をする他、料理伝票や配席表への転記作業を削減し、正確で効率的なアレルギー対応を実現します。
また、飲食店向けにはラベル撮影をするだけで正しいアレルギー情報を素早く把握・検索・出力することが出来るサービスを提供しています。
コロナ禍で飲食店は経営難を余儀なくしていますが、選ばれる飲食店のカギとなる「食のパーソナライズ」の価値を提供している点が大きな特徴です。
データをまとめることで、アレルギーや宗教上食べることが出来ない食べ物がある人にとって「この飲食店では食べられる」などの情報を提供することも出来るでしょう。
個々人が好むデータも合わせて入手することでそのデータをもとにメニューの企画などに役立てることもできるでしょう。
アレルギーや宗教上食べることが出来ない「ペイン」を取り除く「ペインリリーバー」の役割を持つソリューションとともに、「こんなものがあったらいいな」を伸ばすデータを活用した飲食店の提案や飲食店のメニュー企画に役立つ「ゲインクリエイター」のサービスを提供していると言えます。

 

3.チャネル/販路

・営業
・メディア、インタビュー掲載

実際に、ホテル宴会場やウエディング、ホテル、飲食店などに営業を行うことによって導入機会へとつなげていると言えます。
また、他にもメディアやスタートアップ企業としてのインタビュー掲載からも認知を広げています。

 

4.顧客との関係

・利用者に合ったプラン選択が可能
・無料トライアルができる
・メーカーへの確認代行

年に192件以上の婚礼や宴会の実施があるホテル・ゲストハウスにおすすめの月額プランや件数が読めないがまず試してみたいホテル・レストランウェディングにおすすめの都度プラン、取りまとめたアレルギー情報を複数の施設に送りたい旅行代理店や修学旅行におすすめのプランなど条件に沿ったプランを用意しているため始めやすいです。
また、飲食店向けのアレルギー管理サービスは無料トライアルが可能なので利用前に試してみることが出来る点が良いですね。
表示義務が無いような成分についてはCAN EATでは専門家の目視チェックに加え、必要に応じてメーカーへの確認も代行しているため顧客の手間の削減やアレルギー事故を防ぐことが出来ます。

 

5.収益の流れ

①月額プラン
②都度プラン
③旅行代理店・学校プラン
【特定原材料7品目】
年額50,000円
【順特定原材料を含む27品目・28品目】
年額90,000円

主に、ホテル宴会やウエディング、修学旅行を行う学校向けのアレルギーヒアリングシステム、飲食店向けアレルギー管理サービスの導入などから収益を得ています。
ホテル宴会やウエディング、修学旅行を行う学校向けのアレルギーヒアリングシステムは条件によって合うプランを選択することが出来ます。
飲食店向けアレルギー管理サービスでは、品目数によって金額が異なります。

 

6.主要な資源

・CAN EAT独自のシステム
・AI味覚分析(アルゴリズム)

CAN EAT独自のシステムやAI味覚分析を行い、食事嗜好による相性マッチングや、新しい食との出会いを創出するアルゴリズムの研究内容などが主要な資源として挙げられます。

 

7.主要な活動

・システム開発、管理費
・AI味覚分析のアルゴリズム研究
・導入企業を増やすための営業 

システム開発や管理はもちろん、他にも食事嗜好の情報について、CAN EAT内でAI味覚分析を行い、食事嗜好による相性マッチングや、新しい食との出会いを創出するアルゴリズムを研究しています。
また、導入企業を増やすために飲食店やホテル宴会やウエディング、学校などへの営業を行っています。

 

8.主要パートナー

・NTTデータ

NTTデータと共同で、アレルギーやベジタリアン・ヴィーガンといった食の制約の解消に向けた試行実験を開始しました。NTTデータは、原材料情報をもとに消費者にパーソナライズ配信をする仕組みの開発、試行実験の運営を行い、CAN EATは消費者が食の制約情報を入力し、レストランへ知らせるサービスを提供します。
「消費者が安心して食べられる環境作り」をテーマに、飲食店の料理の原材料情報と、消費者の食物アレルギーや宗教等による食の制約情報を比較解析することで、一人一人が安心して食べられるメニューを探しやすくする仕組みを試行実験することによって、消費者の食の制約情報を収集し、レストランに伝える場面で活用されます。人材の多様化やビジネスのグローバル化に伴い、画一的でない対応が求められる時代、CAN EATはレストランの既存業務システムと連携し、企業活動をサポートしていきます。

 

9.コスト構造

・システム開発、管理費
・AI味覚分析のアルゴリズム研究費、NTTデータとの試行実験費

CAN EAT独自のシステム開発や管理費やAI味覚分析のアルゴリズム研究費、NTTデータとの試行実験費などのサービス向上のための研究や実験費も挙げられます。

 

 

「食のパーソナライズ」への可能性

CAN EATは、飲食店やホテル宴会やウエディング、学校などを顧客として持っていますが、食べられないものがある人の外食を救うサービスであると言えます。
アレルギーだけでなく妊娠中や授乳中でお酒や生魚を控える方、病気で食事制限中の方、ベジタリアンの方も「食べられないもの」を登録して、飲食店や友だちにシェアすることで、食事制限の伝え忘れや伝えるストレスから解放され、ひとりひとりにあった外食を実現することが出来ます。
近年、飲食店側でのアレルギー事故による賠償事例が少しずつ増えているそうです。
事例の中には、誤表示やコミュニケーションミスなどによってアレルギー事故が発生し、飲食店側にも責任が及んで、高額な賠償金が発生したものもあります。
お客様のアレルギー情報を来店前に知ることができれば、効率よく対応することができるのでCAN EATのサービスを上手く活用することでアレルギー事故なども防ぐことができ、お客様に沿った料理の提供「食のパーソナライズ」の実現で顧客満足度向上にも繋がっていくでしょう。

 

 

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