VR活用で教育DXを実現「英会話イーオン」をビジネスモデルキャンバスで分析

近年、テクノロジーの進化によりサービス形態にも様々な変化があります。
そのテクノロジーの進化の一つとして、VR(virtual reality(仮想現実))が注目を浴びています。
VRは、ゲームや動画視聴時に使用されているイメージが強かったですが、最近では様々な分野に活用されており、なんと英語学習にも活用されているのです。
業界の動向としては、オンラインレッスンへの切り替え、オンラインシステムの導入、オンライン教材の開発等が行われるようになっています。
「英会話イーオン」は、VRによる英語学習プラットフォーム「immerse」を使用したパイロットレッスン「AEON VR」に取り組んでいます。
VRを使った英語学習とはどのようなものなのか見ていきましょう。

 

 

「英会話イーオン」とは

1973年に創業し、現在は全国に約250校以上展開している大手英会話スクールです、英語指導法を研究・開発している「イーオン語学教育研究所」が作成したオリジナル教材と、独自の教授法「L&Aメソッド」を掲げ、「Learning」(概念学習)による知識の習得と、「Acquisition」(体感学習)による実践的な会話力の習得に焦点を置いています。
今回、話題に挙がる「AEON VR」はこの「Acquisition」との親和性が高く、Meta Quest2のコントローラーを使って仮想空間を自由に動き回ることができるため、通常の英会話教室よりも様々なシチュエーションを経験でき、より現実に近い状況で英語を使うことができます。

 

 

英会話イーオンのビジネスモデルキャンバス

では、英会話イーオンのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
DX前を「Before」、DX後を「After」で示しています。

 

1.顧客セグメント

Before:日常会話からビジネス会話まで語学力を高めたい人
After:時間とお金をかけずに、様々な場面で対応出来る英会話力を磨きたい人、
バーチャルで海外旅行感覚を楽しみたい人

日常会話からビジネス会話まで語学力を高めたい人が顧客セグメントでした。
AEON VRを導入したDX後には、時間とお金をかけずに、空港での入国審査やホテルでのチェックイン、ファストフードでのオーダーなど、海外旅行で役立つ英会話や、海外で生活する上で必要な英会話スキルを実践的に学んで様々な場面で対応できる英会話力を磨きたい人、バーチャルで海外旅行感覚を楽しみたい人も挙げられるよう変化しました。

 

2.提供価値

Before:「Learning」(概念学習)による知識の習得と「Acquisition」(体感学習)による実践的な会話力の習得に焦点を置いた独自の教授法「L&Aメソッド」を提供
After:独自の教授法「L&Aメソッド」に加え、VRによる以下の価値を提供
1. ゲーム感覚で楽しく英会話が学べる
2. 会話のきっかけが多く、より実践的に英語を学べる
3. 英語のみならず、英語圏の文化や歴史も学べる

DX前は、「Learning」(概念学習)による知識の習得と、「Acquisition」(体感学習)による実践的な会話力の習得に焦点を置いたイーオン独自の教授法「L&Aメソッド」を提供していました。
DX後は、独自の教授法「L&Aメソッド」に加え、VRにより「1. ゲーム感覚で楽しく英会話が学べる」、実際に経験しているような空間体験の中で、教室では生まれないような会話も生まれ「2. 会話のきっかけが多く、より実践的に英語を学べる」、現実の教室に比べて、旅行や留学といった海外に居るというシチュエーションに近づけることができ実際の街の景色、建造物を見に行くことも出来るため「3. 英語のみならず、英語圏の文化や歴史も学べる」の価値も提供しています。

 

3.チャネル/販路

Before:対面(オフライン)
After:アバターを使ったVR(オンライン)

DX前の学習スタイルは基本的に対面(オフライン)での学習でした。
DX後はアバターを使ったVR(オンライン)での学習も可能となりました。
VRを使用して学習することでレッスンを受ける、学ぶという感覚よりも「体験する」感覚で楽しむことが出来ます。

 

4.顧客との関係

Before:教室での対面による個人またはグループでのレッスン
After:空港での入国審査やホテルでのチェックイン、ファストフードでのオーダーなど、海外旅行で役立つ英会話や、海外で生活する上で必要な英会話スキルを実践的に学ぶVRライブレッスン
以前のイーオンでは、教室での対面授業による個人、またはグループでのレッスンを行っていました。
ですが、VR導入によって空港での入国審査やホテルでのチェックイン、ファストフードでのオーダーなど、海外旅行で実際に役立つ英会話や、海外で生活する上で必要な英会話スキルを実践的に学ぶVRライブレッスンによって新たな価値を提供しています。
ゲーム感覚で楽しむことができ、仮想空間で体験することによってよりリアルに実際のシチュエーションで英会話体験が可能となります。

 

5.収益の流れ

Before:レッスン料
After:レッスン料

DX後では、対面でのレッスンに加え、VRのレッスン料などのレッスン料によって収益を得ています。

 

6.主要な資源

Before:外国人講師、日本人サポートスタッフ
After:外国人講師、日本人サポートスタッフに加え、英語学習プラットフォーム「immerse」&VRヘッドセット

イーオンには外国人講師、日本人サポートスタッフが在籍しています。
在籍講師、スタッフに加え、「AEON VR」を行う上で必要な英語学習プラットフォーム「immerse」&VRヘッドセットが重要な資源として挙げられます。

 

7.主要な活動

Before:教材開発
After:VR教材開発

イーオンでは、通常のオンラインレッスンに加え、英語学習プラットフォーム「immerse」導入によるVR教育コンテンツの開発と新たな顧客ニーズの掘り起こしを行っています。

 

8.主要パートナー

After:株式会社イマース・ジャパン

今回のDXに欠かせない英語学習プラットフォーム「immerse」&VRヘッドセットを提供している株式会社イマース・ジャパンが挙げられます。
株式会社イマース・ジャパンでは没入型英語教育・学習の新時代に向けて構築されたバーチャルリアリティソフトウェア技術によってVR英語教育ツールを提供しています。

 

9.コスト構造

Before:講師、サポートスタッフの人件費、教材開発費
After:講師、サポートスタッフの人件費に加え、プラットフォーム利用料、VR教材開発費

VRレッスンを実施することによって、講師やサポートスタッフの人件費に加え、英語学習プラットフォーム「immerse」の利用料、VR教材開発費がコストとしてかかっていると言えます。

 

 

ビジネスモデルキャンバスにおけるDX領域

DXをビジネスモデルキャンバスで示すと、どこに特徴があるか、重視したかによって上のような領域に分けることが出来ます。
今回のDXで、英語学習プラットフォーム「immerse」&VRヘッドセットなどを活用し、ゲーム感覚で楽しく英会話を学ぶことが出来るようになったことで、顧客への新しい価値提供を達成しています。
そのため、上の図において、今回の「英会話イーオン」は”価値のDX”であると言えます。

 

 

VR教育コンテンツによって、新たな顧客ニーズの掘り起こしを実現

イーオンでは、通常のオンラインレッスンに加え、英語学習プラットフォーム「immerse」導入によるVR教育コンテンツの開発と新たな顧客ニーズの掘り起こしやVRヘッドセットを使ったバーチャルツアー形式の体験型レッスンの開発を行っています。
新型コロナウイルスの感染拡大で海外旅行に行けない人や、現地での短期留学を希望する人、自宅からよりリアルな体験を求める人など、従来の英会話学習以外のニーズを持つ新たな顧客層に対して満足度を高めました。
今まで体験できなかったような仮想空間で、実際の場面と同じシチュエーションで英語学習を進めることができ、教室では生まれないような会話のきっかけも増え、より実践的に英語を学ぶことができます。
「AEON VR」だけに関わらず、イーオンは今後もより多くの方に新しい英語学習の形を提供していくでしょう。

 

 

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