
新しい商品の発見が300円で!「3COINS」をビジネスモデルキャンバスで分析
ちょっとしたものや、挑戦したい商品でも金額によっては購入せずに諦めてしまい、「低価格で買えるなら買ったのに・・・」などと思う方もいるのではないでしょうか
駅やショッピングセンター内でもよく目にする「3COINS」では、挑戦しやすい基本300円の商品が取り揃えられているため、特に女性の方から人気を集めています。
では、具体的にどのように「3COINS」は人気を集めているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
目次
「3COINS」とは
パルグループが運営する「3COINS」は、「スリコ」の略称で親しまれ、ベーシックな生活雑貨から、空間を彩るインテリア雑貨など幅広いラインナップと、つい手に取りたくなるデザイン性のある商品たちが取り揃えられています。
いつ行っても新しい発見がある「3COINS」は、生活雑貨・インテリア雑貨・服飾雑貨・モバイルアイテム・キッズアイテムなど、様々なアイテムを300円を中心に、幅広く取り揃えています。
3COINSのビジネスモデルキャンバス
では、3COINSのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・低価格で様々な商品を挑戦、購入したい女性
3COINSの購買層は女性が9割で、年齢は30代を中心に20代から40代までと幅広く、初心者でも挑戦しやすい低価格、なのに「思ったより使える」といった、「ちょうどよさ」が、人気の理由と言えます。
また、つい手に取りたくなるようなデザイン性のある商品を取り揃えており、300円という低価格で購入することが出来ます。
2.提供価値
・幅広いラインナップと、つい手に取りたくなるデザイン性のある商品が購入できる(9割超のオリジナル商品)
・100円均一商品に比べ素材の『質』やお洒落度UP
・300円だからこそ様々な商品に挑戦できる
3COINSの商品は9割がオリジナルです。自社工場は持たず、全てメーカーと共同で開発していて、加えて「鮮度の良さ」にもこだわっています。3COINSが毎月発売する新商品は約700〜800個にもなります。
300円だからこそ今まで挑戦したことのないような商品やちょっと気になる商品にも手を出しやすく様々な商品に挑戦できますが、100円均一商品よりも素材の品質が良くお洒落度もUPしている点が魅力です。
100円ショップの3倍の価格に納得してもらうため、商品によっては「量」で対抗してきていました。箸のセットであれば本数を多くし、食器であればカラーバリエーションを増やすなどです。しかし、大人の女性が求めているのは300円で得られる「質」の満足感であると気づき、中国などの取引先メーカーが提案する商品に依存せず、自社企画の商品を増やしていったのです。
「広告費にかける予算の分で、よりリーズナブルで、より良い商品にしたい」という思いがあるため、広告も一切打たず、広告の代わりに積極的に発信している公式SNSは、多くのフォロワーがいます。
3.チャネル/販路
・店舗
・テレビ番組での紹介
最近では、お昼の情報番組でも「3COINS」が取り上げられているほどで話題性があり、注目されています。
そのような情報メディアや、SNSの投稿などからも興味を持ち、来店する人も少なくないのではないでしょうか。
また、最近では店舗を駅やショッピングセンターに構えることも多く、目にする機会が増える分、興味を持って来店する人も増えているのではないでしょうか。
4.顧客との関係
・商品の入れ替えの早さ
・飽きられない売り場づくり
年間を通して店頭に並ぶ商品は全体のごく一部で、毎週新商品を入荷し、雑貨は月400~500アイテムを新たに投入しています。
陳列される商品は変化を続け、収納ボックスやキッチン用品などの定番品も、デザインや機能を定期的に見直しています。
メイン顧客は30歳前後の女性で、通勤途中に店をのぞく客も多いため、飽きられない売り場づくりを目指しています。
5.収益の流れ
・毎週新商品を追加し、飽きられない売り場づくりによるリピート顧客の購入
・広告費ゼロ、SNS活用での集客
・売り場づくりの工夫で買い上げ点数や客単価のUP
3COINSは毎週のように新商品を作り出しているため、商品が追加される日にチェックしに店を訪れるリピート顧客が多いです。また、3COINSのような雑貨屋はアパレルなどと異なり、ほぼ接客がなく、来店客が自発的に商品を選ぶ“セルフサービス”型の業態といえます。お客さんが店員に聞かなくても分かるように、商品陳列を細かく工夫する必要があるため、売れ筋に沿った商品の入れ替えやお客さんのニーズに基づいた陳列方法を各店舗に指示し、デザイン性のある商品を生み出すだけでなく、手に取ってもらえるような売り場づくりにも注力しており、商品を購入してもらう工夫を施しています。大量の商品を詰め込んだ売り場ではなく、ゆったりした環境でじっくり品定めしてもらうことで、結果として買い上げ点数や客単価はUPしています。
広告を打たずに、公式SNSやスタッフの個人アカウントでのSNSを活用し集客を集めているのも特徴です。
6.主要な資源
・共同開発メーカー会社
・オリジナル商品の企画考案をする人材
3COINSの商品は9割がオリジナルで、自社工場は持たず、全てメーカーと共同で開発しています。お客さんが手に取りたくなるようなデザイン性のある商品を生み出すには必要不可欠といえるでしょう。
毎週新商品を追加しているため、オリジナルの新商品を企画考案する人材も3COINSを支えている重要な柱となっています。
7.主要な活動
・デザイン性のあるオリジナル商品の考案
・売れるような商品の売り場づくり
・公式SNS、スタッフの個人アカウントでのSNS更新による販促
オリジナル商品の考案や、売れるような商品の売り場づくりはもちろん、3COINSでは広告を一切打たない代わりに、積極的に公式SNSで情報を発信しています。
また、公式アカウントからだけでなくスタッフの個人アカウントでもSNS更新がされており、情報を発信しています。
①ターゲット層によってSNSツールを使い分ける
②スタッフの個人アカウントで発信することで消費者に共感を持たせる
③スタッフたちのモチベーション維持のため配信をインセンティブに結び付ける
上記のような工夫によって、顧客を集めています。
8.主要パートナー
・共同開発メーカー会社
・SNS個人アカウントで情報を発信するスタッフ
自社工場は持たず、全てメーカーと共同で開発しているため共同開発会社が主要パートナーとして挙げられます。
また、スタッフの個人アカウントからのSNSの更新も大きな販促に繋がっているため社内の存在ではあるものの重要なパートナーであると言えます。
9.コスト構造
・新商品開発
・店舗、人件費
コストとしては、毎週のように新商品を作り出しているため、新商品の開発が挙げられますが、大量生産はせずに、在庫は基本的に1カ月分のみとしており、本当に売れた商品だけ再販をかける方針であるため、廃棄を生み出さないような工夫がなされています。
SNSを使いこなすことで大きな集客効果を生み出していた
3COINSは、スタッフ自身のSNSの個人アカウントで情報を発信することで消費者に共感を持たせることに繋げ、集客に導いています。
雑貨店であるとアパレル店のように店頭で接客を行うことは少ないかと思います。しかし、SNSでスタッフが情報を発信することで店頭での接客がなくとも、お客さんに「買いたい」という購買意欲を持たせることが出来るのです。
また、最近ではSNSから様々な商品がバズることも多いため、広告を打ち出さずに社内のスタッフによって商品をおすすめすることでとても効率的な販促・PRになっているといえるでしょう。
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