
日本No.1ライブ配信アプリ「17LIVE」をビジネスモデルキャンバスで分析
コロナ禍を過ごすうえで、コロナ禍以前よりも人とコミュニケーションをとる機会が減ってしまったという方は多いのではないでしょうか。
そんな中、人とコミュニケーション機会をとる場として一つ、ライブ配信が挙げられます。
実際に、一人暮らしをしていて1日誰も会話をする機会がないといった人が仕事終わりにライブ配信を視聴、コメントをして「お疲れ様です。」と声をかけてもらうだけで癒されるといったことを聞いたことがあります。
YouTubeなどのように撮影し終わった動画を投稿するのではなく、ライブ配信で同じ時間軸でライバーとやり取りを行うことが出来るといった点で実際に会話をしている気分を味わうことができ、身近さを感じられます。
近年では、「ライバー」という職業も生まれ、ライブ配信で収入を得ている人も出てきています。
目次
「17LIVE」とは
17Live(イチナナライブ)は、台湾に本社を置く「M17 Entertainment」が運営するライブストリーミングサービスのことで、当初は、Instagramのように写真や動画を共有するSNSとしてスタートしライブ配信が特徴のアプリではありませんでした。
その後、「スマホを利用したライブ配信」に特化したアプリとしてリニューアルされたことによって、急速にヒットし人気を集めました。2020年現在では、世界5000万人以上のユーザー、国内認証ライバー数3万2千人以上を抱える人気ライブ配信サービスとなりました。アジアを中心とした世界各国で高い人気を誇っており、日本においても国内ナンバーワン配信アプリとなっています。
17LIVEのビジネスモデルキャンバス
では、17LIVEのビジネスモデルについて、ビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう。
1.顧客セグメント
・視聴者
・ライバー
視聴者とライバーと呼ばれるライブ配信者が顧客セグメントとして挙げられます。
近年では、「ライバー」という新しい職業も生まれ、インフルエンサーなどが知名度を上げる場としてもライブ配信アプリが活用されています。
17LIVEでは、タレントやアイドルではない方が多いため、タレントやアイドルではない方もライブ配信で稼ぐことが出来るとして人気を集めていると言えます。
2.提供価値
・視聴者の満足度の高いライブ配信を提供する
・ライバーの収益を最大化する
視聴者は、ライブ配信でコメントや反応をすることで実際にライバーと会話している気分が味わうことが出来たり、自分の興味のあるライブ配信を見ることで満足度の高い時間を過ごすことが出来ます。
ライバーは17LIVEの提供するライブ配信サービスによって収益を得ることが出来ます。分配比率は公表されていないですが、ライブ配信する側が稼げるように優遇される仕組みになっているとのことです。(約2~3割と予想されています。)
3.チャネル/販路
・アプリストア
・広告、メディア
広告活動を行うほか、メディアにも多く取り上げられています。
ライバー自体が有名になっていくにつれ、ライバー自身が広告ともなりえるため、集客を行ってくれるようにもなるといえます。
4.顧客との関係
・アプリ内イベント
・オーディションイベント
・高額ギフト
17LIVEでは、配信以外でライバーとユーザーのエンゲージメントを築くことが出来る場としてアプリ内イベントを開催しています。また、オーディションを兼ねてイベントを行うこともあり、ユーザー参加型のイベントを開催することによってユーザーが楽しめて、かつライバーが活躍する場にも繋がるよう工夫されています。
17LIVEでは高額ギフトを用意しているため、その高額ギフトをもらうためにライブ配信を頑張るというモチベーションにも繋がります。
高額ギフトも17LIVEの人気を支える一つの理由だと言えます。
様々なイベントやライブ配信内でのギフトなどがある点において他のライブ配信サービスと異なる点と言えます。
5.収益の流れ
・投げ銭
※配信者への還元率は、詳しくは公表されていないが、約2~3割と言われている
・アプリ内イベント
主な収益である、ライブ配信中にライバーに投げられる投げ銭は運営側とライバー側で分配しています。配信者への還元率は、詳しくは公表されていないのですが、約2~3割と言われています。
また、売上を支えるアプリ内イベントがあります。ただ配信をするだけではライバーとユーザー間でのエンゲージメントが築きづらいため、各ライブ配信プラットフォームではアプリ内でイベントを開催しています。
イベントごとにランキングボードが存在し、ランキングを競うことで課金額が最大化されていきます。
過去には、一回のイベントで3億円ほどの売上を上げることもあったそうです。
6.主要な資源
・ライブ配信アプリ「17LIVE」及びライブコマース支援サービス「HandsUP」
・ライバー
アプリ自体のみならず日本No.1ライブ配信アプリ「17LIVE」によって、多数のライブコマース事例で培ったライブ配信ノウハウも主要な資源として挙げられます。
これらのノウハウをライブコマース支援サービス「HandsUP」にも活用しています。
また、3万2千人を超える国内認証ライバーを含むライバーも「17LIVE」のライブ配信サービスを提供するうえでとても重要な役割を果たしています。
7.主要な活動
・ライブ配信アプリ「17LIVE」及びライブコマース支援サービス「HandsUP」の運営
・イベント企画
主に、ライブ配信アプリ「17LIVE」及びライブコマース支援サービス「HandsUP」の運営を行っています。
ライブコマース支援サービス「HandsUP」では、ライブコマースのスペシャリストが、売上最大化まで伴走します。
日本No.1ライブ配信アプリ「17LIVE」や多数のライブコマース事例で培ったライブ配信ノウハウ、200社超の導入実績に基づくノウハウによってライブコマースソリューションを提供しています。
8.主要パートナー
・ライバー
・17LIVE Official Business Partner
3万2千人を超える国内認証ライバーを含むライバーや17LIVE Official Business Partnerは17LIVEのライブ配信サービスを提供するうえで重要なパートナーです。
17LIVE Official Business Partnerは、独自の審査基準で評価を行っており、審査結果が優秀なパートナーを「17LIVE Official Business Partner(GOLD)」「17LIVE Official Business Partner(SILVER)」として認定しています。
認定各社には特典として、新規ライバーを獲得する為の営業支援や、既存ライバーに対する機会提供などを行っています。
9.コスト構造
・ライブ配信アプリ「17LIVE」及びライブコマース支援サービス「HandsUP」の運営費
・ライバーへの支払い
ライブ配信アプリ「17LIVE」及びライブコマース支援サービス「HandsUP」の運営費やライバーへの支払いが挙げられます。
ライブ配信サービスとYouTubeのマネタイズにおける大きな違い
YouTuberは広告ビジネスであるため、案件などの場合を除き基本的には動画の再生数によって収益が決まります。
よって、登録者数や動画の再生回数が広告としての価値、つまり収益に繋がります。
それに対して、ライブ配信サービスのライバーは投げ銭がメインの収益となるため、エンゲージメントが結果的にライバーの収益に繋がります。
つまり、直接フォロワー数(登録者数)が収益に繋がるわけではないのです。
実際に17LIVEで月間数千万円の売上を上げるライバーでも、売上の大半は極少数のファンが占めるという現象があったそうです。
また、そうしたライバーのTwitterやInstagramのフォロワーが1,000未満であったということもあります。
ライブ配信サービスにおいて、フォロワー数(登録者数)が直接収益の高低につながらないというのはYouTubeなど他のサービスとマネタイズに大きな違いがあると言えます。
BizMakeならビジネスフレームワークのテンプレートが無料で使える
BizMakeではご紹介したビジネスモデルキャンバスなど、厳選されたフレームワークがどなたでも無料で作れます。
スプレッドシートを使うよりもシームレスかつ見やすくシートを作成できますので、ぜひお気軽に下記バナーをクリックして登録してください。
