図解ではなく、ビジネスモデルキャンバスで見る横浜DeNAベイスターズの躍進

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先日、クリエイター特化型のSNS・noteで近藤哲朗氏が自著『ビジネスモデル2.0図鑑』を無料全文公開しました。ピクトで分かりやすく説明されており、とても勉強になります。しかしなかには文章で書かれているほうが、頭に入ってきやすいと感じる方もおられるかもしれません。

出典:https://note.mu/tck/n/n95812964bcbb

「認知特性」という言葉をご存知でしょうか。人は視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感で物事を認識しています。なかでも視覚は80%の情報を処理しているそうです。さらに細分化すると、同じ視覚情報でも「映像がわかりやすい」という人もいれば「文章で説明してほしい」という方もおられるそうです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

そこで今回は『ビジネスモデル2.0図鑑』で解説されている「横浜DeNAベイスターズ」のビジネスモデルを、あえて文章で解説するとともに、ビジネスモデルキャンバスを用いて紐解いていきたいと思います。ぜひご覧ください。

 

 

年間来場者数は5年で1.7倍に

横浜DeNAベイスターズは2011年に誕生しました。初年度の来場者数は110万人と12球団中最下位です。さらにチームの成績も悪く「横浜はオシャレだが、ベイスターズはダサい」という印象を持たれていました。しかし、結果的に2016年までの5年間で来場客数は1.7倍の193万人まで増加し、2017年には198万人、2018年には200万人の大台を突破しています。

どうして飛躍的に来場客数を伸ばせているのでしょうか。その理由をベイスターズが取り組んだ施策とともにご紹介しましょう。

 

 

プロ野球ファン以外にもターゲットを拡大

ベイスターズはまず、ターゲットを明確化することから始めます。これまでのデータを参照したうえで定めたメインターゲットは野球ファンではなく「20~30代のアクティブなサラリーマン」でした。

会社終わりに同僚とふらっとやってくる彼らは、居酒屋のテレビで中継を見るような感覚で球場に足を運びます。また時には恋人ともやってくる。もし既婚だったら土日は子どもと観戦する。でも熱心な野球ファンというわけではないので、勝敗はさほど関係がない。と、属性を細かくターゲティングすることで、プロジェクト全体で打つべき施策を明確にしました。

そこで話題性を呼ぶイベントを開催し「横浜DeNAベイスターズ」という名前がメディアで頻繁に取り上げられることを狙います。「負けたらチケット全額返金」や「1枚100万円のチケットの発売」などの施策により「おもしろそうだぞ」と消費者に思わせました。

また同時並行で、ターゲットであるライトユーザーに親しみを持たれるような取り組みも始めます。「午前中のグラウンド開放」や「球場内に動物園をつくる」「擬似的にプロテストを受けられる」「夏場はビアガーデンをオープンする」などの試みにより、ターゲットに親近感を覚えさせました。試合を観に来ない人も、イベントに参加するために本拠地である横浜スタジアムに足を運ぶようになります。「野球場=野球を観戦する場所」ではなく「野球場=野球をきっかけに楽しめる場所」と定義し直したのです。

 

 

ビジネスモデルキャンバスで解説

ではビジネスモデルキャンバスの9つの項目から、横浜DeNAベイスターズのビジネスモデルを解読してみましょう。

 

1. 顧客セグメント

・メインの顧客は、20代から30代のアクティブなサラリーマン

・同行者としてその恋人や妻、子供など

・放送局

・広告主

 

2. 提供価値

・野球のファンでなくても楽しめる野球場

・プロ野球選手の気分を擬似的に体験できるイベント

・選手との交流など距離感が近い

・家族や同僚、恋人など、同行者によって席のタイプが用意されており、誰と観戦しても楽しめる

 

3. チャネル/販路

・スタジアム

・テレビ・ラジオ

・WEBサイト

・野球情報を掲載するネットメディアやテレビのニュース番組

・SNSをはじめとした口コミ

・オンラインのチケット販売サイト

 

4. 顧客との関係

・動物園やアイススケートリンクなどの開放による遊び場の提供

・グラウンドの開放や擬似的なプロテストの実施でプロ野球ファンに特別な価値を与える

・球団と横浜スタジアムを身近に感じてもらう

 

5. 収益の流れ

・地域住民からの観戦料

・観戦中の飲食物購入料・グッズ購入料

・テレビ局やラジオ局からの放映料

・試合以外のイベントでの飲食物購入料・グッズ購入料

・スポンサーの広告料

 

6. 主要な資源

・スタジアムのスタッフ

・株式会社横浜DeNAベイスターズのスタッフ

・監督・コーチ・選手

・スタジアム

・ブランド

 

7. 主要な活動

・イベントの主催

・試合の運営

・メディア展開

・選手の育成

 

8. 主要パートナー

・株式会社DeNAベイスターズ

・他球団

・ネットメディア

・テレビ局やラジオ局

・グッズの制作会社

・地域のコミュニティ

 

9. コスト構造

・選手への年棒・人件費

・イベントの開催費

・グッズや飲食物の原価

・スタジアムの維持費

 

 

来場客数とともにチームの成績もアップ!

来場客数が伸びるとともに、チーム全体の利益率も上がります。また利益率が上がると、選手への年棒も高まる。「横浜DeNAベイスターズ」取り巻く全体の状況が改善されているのです。

事実、2008年から5年連続で最下位だったチームの成績も徐々に良くなり、2016年には11年ぶりの3位になりました。チームの団結力が高まると、お客さんもさらに楽しめる、来場客数は一層伸びる、というサイクルが成り立っているのです。2018年は4位と前年より順位を1つ落としましたが、来場客数は増えています。どこまで人気が高まるのか、そしてベイスターズが次に打つ一手は何か、今後も注目です。

今回はビジネスモデルキャンバスを使って、横浜DeNAベイスターズのビジネスモデルを解説しました。9つの項目から、あらゆる企業やサービスのビジネスモデルを分析できるフレームワークです。自社のモデルを見直すのはもちろん、他社のモデルを分析したり、新しく商材をローンチするのにも役立ちます。BizMakeでは以下のリンクからWeb上で簡単に作成できますので、ぜひご利用ください。

 


 

 

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