優れたバリュープロポジションの7つの事例。顧客に寄り添ったヒット商材とは?

顧客のニーズに合致したバリュープロポジションは、マーケティングを進めるうえで必要不可欠です。顧客はどのようなことに悩んでいるのか、そしてどのような自社商材をローンチすれば、顧客に受け入れられるのかを論理的に分析しなければ、優れたサービスやプロダクトは完成しません。

今回はユニークで優れたバリュープロポジションでヒット商材を生み出した7つの企業をご紹介します。バリュープロポジションに付いては以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

バリュープロポジションの7つの事例

1. CrazyEggのバリュープロポジション

CrazyEggはWebサイトを利用するユーザーのスクロール深度やカーソル、クリックの動きを可視化する「ヒートマップ」を提供しています。LPサイトやキュレーションサイトなどを利用したSEOマーケティングには欠かせないツールです。ヒートマップを参考にすることで、ページの構成やアップするべき記事の方向性が定まり、Webサイト自体の価値を高められます。

ヒートマップというと、導入へのハードルが高そうに思われるツール。顧客にとってヒートマップを把握できるのは非常にメリットがありますが、時間や手間がかかりそうなイメージがあるのも確かです。そこでCrazyEggはサイト上で展開される簡単な質問に答えるだけで、自社が解決すべき課題が明確になる仕組みを構築しました。さらに問題点を解決するための方法をシンプルに提示してくれるのです。また金額が比較的安価であることもヒットの要因でしょう。顧客にとっては非常に導入のハードルが下がったというわけです。

 

2. LessAccounting

会計や簿記というと面倒な作業がいくつも発生する「時間と手間がかかる作業」というイメージがあるでしょう。しかし会計は会社の経営には欠かせない仕事。LessAccountingは会計の「面倒」というイメージを払拭した画期的なソフトウェアです。

ターゲットは中小企業。社内の会計や簿記をシンプル化させることで、多くのビジネスマンは救われました。「会計は簡単」という価値を提供したのです。

 

3. Digit

AIを活用することで最適な資金繰りを提示し、勝手に貯金してくれるのがDigiというアプリケーション。銀行口座を設定すると、自分の支出傾向をアルゴリズムで分析してくれます。そのうえで数日おきに、自分の銀行口座からDigitの口座に一定金額が振り込まれることで、いつの間にか貯金が貯まっていくのです。貯金額はもちろん自分で設定できます。

「貯金したいのに、給料日前になるとなぜか毎月カツカツになってしまう」という方にとっては、計画的な資金繰りを自動でこなしてくれるDigitは救世主でしょう。また顧客の不安要素である「個人情報の保護」も、一般の銀行と同レベルのセキュリティで口座を守ることで見事払拭しました。安心して機械に預金計画を任せられる価値を提供したのです。

 

4. Slack

社内コミュニケーションツールとして広く使われているのがSlackです。コミュニケーションツールはマーケットに溢れていますが、なかでもSlackが提供した価値はその操作性の幅広さでしょう。

コミュニティを自由に作れるのはもちろん、通話も可能。また社内のファイルを共有できるうえ、ToDo管理共有URLの保護アラート機能リマインダーWeb上でのミーティングツールなど、およそビジネスで用いるほぼすべての機能を1つのアプリで収束できるのです。デバイス内にいくつもビジネスツールを入れなくてはいけないという顧客のマイナスを解決しました。また、それでいて操作性はシンプルなのも魅力。初心者でもすぐに使いこなせるのです。

 

5. Unbounce

簡単にLPを作成できる月額制のサービスがUnbounceです。このアプリが出るまでLP制作はデザイナーを使わなくてはならず。時間も費用もかかっていました。しかしUnbounceでは、シンプルで見やすいフォーマットが用意されているので、ユーザーはセレクトして文章や写真を挿入していくだけで、立派なLPが完成します。

デザインやコーディングをする必要がないうえにレスポンシブデザインやABテスト、独自ドメインの取得など、LP作成に関して必要な機能は一通りそろっており、誰でも簡単に作成できるのが提供価値です。リソースやコストをカットできるので、事業担当者の助けになることでしょう。

 

6. Apple iPhone

スマートフォンという概念がなかったころに「電話機は機能の集合以上のものでなければならない」というタグラインのもとAppleが開発したのがiPhoneです。「多機能が揃った携帯電話」は顧客の隠れたニーズだったでしょう。iPhoneの登場により、時計やカメラ、スケジュール帳、ゲーム機、音楽プレーヤーなどを持ち歩く必要は無くなりました。人々を身軽にしたのです。

またその後もバージョンアップするごとに新たなバリュープロポジションをアナウンスして大衆の興味を惹いています。ユーザーは遊び心溢れるAppleからの提案に胸を躍らせ、次のバージョンを心待ちにしているのです。これからも機能が増えるたびに新たな提供価値も付随されていくのでしょう。

 

7. Uber

一般の方が自家用車をタクシーとして使い、乗客を目的地まで運ぶのがUberというサービスです。Uberのバリュープロポジションは「効率化」にあります。一般的にタクシーに乗るときは街中で呼び止めて乗車していました。その後は逐一、詳細な道案内をして降車の際は現金を払っていたのです。乗客はタクシーに乗るだけであらゆるタスクを抱えてしまい、ストレスを感じていました。

Uberはアプリをタップするだけで配車依頼が完了します。また目的地はあらかじめアプリ内で運転手に送られており、領収書も電子化であるうえ料金は一律クレジットカード払いなので、乗客が運転手と会話する必要がありません。

しかしそれでも、一般人がドライバーをすることに不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。そこでUberがスコアリングシステムを導入しました。ドライバーにも乗客にも点数がつけられます。優秀なドライバーを自由に選べることで安心感をプラスしたのです。

 

 

「バリュープロポジションキャンバス」を活用しよう

ここに挙げた7つのバリュープロポジションはどれも顧客のニーズやウォンツを真っ先に考えながらできあがった革新的なモデルです。新たなサービスやプロダクトを打ち出すためには必ず顧客のニーズ自社の提供価値とを並列して考えなければいけません。

そこでバリュープロポジションキャンバスを利用しましょう。

 

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