スターバックスのブランディング戦略を3C分析で解説!

顧客と競合を分析したうえで自社のビジネスモデルの強みと弱みを分析することで、事業を成功に導くためのフレームワークが3C分析です。昔ながらのフレームワークですが、ビジネスの基礎を築くうえで、非常に役立つツールになっています。

今回は3C分析のつくり方や効果をより具体的にご紹介するために「スターバックス」を例に挙げて、解説します。

 

 

3C分析とは?

はじめに3C分析の内容についてご紹介します。3C分析とは「顧客(Customer)「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字をとって名付けられたフレームワークです。

顧客のニーズに当てはまらなければ、商材を利用してもらえない。また競合との差別化を図らなければ、必ず競争になりコモディティ化してしまう。さらに自社の強みを生かして弱みをカバーしなければ、実力を発揮できない顧客、競合、自社の3要素はビジネスを成功に導くうえで欠かせない要素になっています。

3C分析によって3要素を並列化することで、おこなうべき施策が明確になりますし、作るべき商材、持たせるべき機能性、価格設定、チャネルなどを考える足掛かりになるのです。

 

 

スターバックスと競合のドトールの違い

ではスターバックスの分析に移りましょう。はじめにスターバックスのビジネスモデルについて、データをもとに解説をしていきます。スターバックスのビジネスモデルについては、以下の記事でも詳しく説明をしておりますので、ぜひ参考になさってください。

スターバックスのブランディング戦略を示したデータがあります。それが「トライベック・ブランド戦略研究所」の「好きなカフェとそのイメージ」です。
(参考:http://japanbrand.jp/ranking/nandemo/5.html

ここでは「好きなカフェは?」という問いに対して52%がスターバックス、46%はドトールと回答しています。3位がタリーズコーヒーの14%ですので、実質顧客から支持されているのはスターバックスとドトールになるでしょう。

ちなみにオープンの時期でいうとドトールが最も古く1980年スターバックスが1995年となっています。3位のタリーズは1997年と後発です。また4位はドトールグループが展開するエクセルシオールカフェであり、1999年オープンなので、後発組が支持率的に伸び悩んでいることになります。

では2社に対して顧客はどのような印象を持っているのでしょうか。両社が1位を獲得した項目を列挙すると以下のようになります。

 

スターバックス

・おしゃれ
・高級感がある
・コーヒーがおいしい
・居心地がいい
・こだわりがある
・サービスがいい

 

ドトール

・庶民的
・食べ物がおいしい
・入りやすい

 

このデータの面白いところは「高級感」と「庶民的」「おしゃれ」と「入りやすい」など、対局する項目でそれぞれがトップに立っていることでしょう。

そのイメージ戦略の違いの1つに「価格帯」があるのは言わずもがなです。ドトールのメニューは220~500円であるのに対して、スターバックスは290~1,800円とかなり高級になっています(2019年7月28日現在)。スターバックスは2019年2月28日、東京・中目黒に「STARBUCKS RESERVE® ROASTERY TOKYO」という高価格帯の店舗を出しており、ドリンクの価格帯がさらに高まっています。

また特筆すべきは「サービスがいい」という項目。スターバックスには従業員マニュアルが存在しません。従業員が自分でお客に対するホスピタリティを判断して、マニュアルに縛られずに働いているからこそ、お客も特別な感覚を味わえるのです。おしゃれな内装や完全禁煙のクリーンな室内などは、従業員の誇りにもなっています。「従業員満足度=顧客満足度」が成功している好例といっていいでしょう。

では、両者のブランディングを踏まえたうえで、スターバックスのブランディングを3C分析で解き明かしていきましょう。

 

 

スターバックスの3C分析

 

1. 顧客Customer

カフェを利用する顧客のニーズには、さまざまなものがあります。なかでもスターバックスを訪れる顧客には「落ち着ける空間で休憩をしたい」、また「周りからハイセンスだと思われたい」といったものが挙がるでしょう。スターバックスの無駄のない洗練されたデザインは他のカフェチェーンにはないものであり、周囲の印象も操作できます。また「おいしいコーヒーを飲みたい」といいうニーズもあり、シアトルで1号店がオープンした、高級豆を使ったコーヒーを提供する「STARBUCKS RESERVE® ROASTERY」は「スタバ史上最大の成功」といわれるほど繁盛しました。

 

2. 競合Competitor

競合であるドトールはスターバックスとは反対に庶民的な価格でドリンクを提供する「入りやすい店」です。その分、大衆的であり、ブランド力は高くありません。スターバックスは高価格のドリンクや、おしゃれな店内装飾などに力を入れることで、ドトールとの差別化に成功しました。なお、ドトールは高価格帯の店舗としてエクセルシオールをオープンしましたが、まだ十分なブランディングができていない状況のようです。

 

3. 自社Company

顧客と競合を分析したうえで、スターバックスの強みと弱みを見ていきましょう。スターバックスの強みは「上品な空間」と「高価値な商品」「行き届いた店員のホスピタリティ」などでしょう。逆に弱みとなるのは「一杯のコーヒーが高いこと」。「そんなお金払えないよ」といった顧客のニーズには対応できません。また「店内がおしゃれで入りにくい」という声もあるでしょうし「タバコが吸えない」という理由で通わない方もいます。しかしスターバックスはこうした弱みに目を向けるのではなく、強みに注力することでブランディングに成功しているのです。

 

 

3C分析はブランディングに効果的なフレームワーク

今回はスターバックスのビジネスモデルを3C分析で解説しました。3C分析は顧客のニーズを優先しつつも、競合との差別化を図れるツールです。つまりスターバックスようにブランディングをするうえでも大いに役立ちますので、ぜひ一度作成してみてはいかがでしょうか。以下の記事ではマクドナルドの3Cも分析しておりますので、ぜひ参考になさってください。

ただし3C分析だけでは満足いくプランを練ることはできません。PEST分析でマクロ環境を分析することが求められますし、SWOT分析で強みと弱みを明らかにしたうえで、さまざまな環境に対応できる体制を整えなくてはいけない。併用すべきフレームワークに関しては以下の記事で解説しています。

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