新規事業のアイディアは企業沿革に隠されている!

新規事業や事業開発を手掛ける方にとって、事業の種をどうやって探すのかは至上命令です。ビジネスモデルを書き起こして試行錯誤を続けるのは大切なことですが、なかなか視野が広がらずに焦ってしまっているのではないでしょうか。このようなときには、いっそのこと、自分の好きなサービスや企業の沿革を眺めてみるのはいかがでしょう?

 

実は大手企業の社内ベンチャーとしてスタートしたサービスが成長、スピンアウトしてサービス展開をしているケースは身近にたくさんあるのです。いくつかご紹介していきましょう。

 

1.良品計画(西友のPB商品からスタート)

1980年に西友のPBからスタートした無印良品

無印良品を展開する良品計画。衣料や食料品、食器など無印の商品はどのご家庭にもあるのではないでしょうか。実は無印良品を展開する良品計画は1980年に株式会社西友のプライベートブランドとしてスタートしました。当初のアイテムは生活雑貨9品と商品31品の合計40品のみ。

 

西友の大型店を中心にインショップ展開をしながら順調に業容は拡大していき、5年後の1985年に無印良品事業部が設立、1989年に株式会社良品計画設立、翌1990年に株式会社西友から「無印良品」の営業権を譲受し、以降海外展開、東京証券取引所上場と堅調にビジネスを推移してきました。

 

驚くべきことは、いま見ても「無印だ」とわかるような商品パッケージを40年以上前からブレずに作り続けているブランドコンセプトです。

 

(参考)株式会社良品計画・沿革

https://ryohin-keikaku.jp/corporate/history/

 

2.スープストックトーキョー(三菱商事の社内ベンチャー)

三菱商事初の社内ベンチャー、スープストックトーキョー

1997年12月、三菱商事株式会社に在籍する遠山正道氏が出向先である日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社において「Soup Stock Tokyo」の企画となる物語形式の企画書「スープのある一日」を起案したことによります。1999年に第1号店をオープンし、株式会社スマイルズを設立。

 

2008年にMBOし独立、現在同社はコンサル・プロデュース事業のほか、ネクタイブランドなどまったく新しいコンセプトのサービスを数多く手掛けています。

 

眺めているだけでアイディアが刺激されるような、ユニークな事業が数多くあります、一度ウェブサイトをご覧いただくことをオススメします。

 

(参考)株式会社スマイルズ・沿革

https://www.smiles.co.jp/company/history.html

 

3.タイムズカー(マツダレンタカーのカーシェアリング事業買収)

実は業務提携からはじまったタイムズのカーシェア

黄色い看板でお馴染みのタイムズ駐車場を運営するパーク24グループ。同グループがもつタイムズカーは、自前で始めたものではなく、大手自動車メーカーであるマツダ傘下のマツダレンタカーと事業提携(最終的には子会社化)を行ったことがきっかけでした。

 

カーシェアリング事業としては後発でスタートしたものの、本業の駐車場運営を活用し、他社の追随を許さないペースで車室を確保、現在では圧倒的なシェアNo1で全国150万名以上の会員が利用するサービスとなっています。

 

旅行先や出張先でも利用できることから、新幹線や飛行機で移動した先で、使いたい分だけカーシェアを利用することもできるのが大きなメリットですよね。

 

「タイムズプラス」、「タイムズカープラス」、「タイムズカーシェア」と名称変更を繰り返しながら、直近では「タイムズカー」と名称変更をし、レンタカー事業との垣根をなくすような動きが見られます。

 

(参考)タイムズモビリティ株式会社・沿革

http://www.timesmobi.co.jp/company/history.html

 

4.モノタロウ(住友商事の社内ベンチャー)

住友商事の合弁会社からスタートしたモノタロウ

2000年当時、住友商事の社員であった瀬戸欣哉氏が米国でMBAを取得していた際、Amazonが成長していく姿を目の当たりにし「これまで当たり前だった商社が売買に仲介として間に入る機能はなくなり、すべてECに置き換わる」という仮説のもと、住友商事の鉄鋼部門にてPJチームが発足。

 

アメリカの間接資材カタログ販売の大手のグレンジャーと組んで創業しました。2006年2月に株式会社MonotaROに社名変更、同年12月に東証マザーズに上場。国内外メーカー製品だけでなく、自社オリジナルのプライベートブランド商品の開発にも注力しています。

 

なお、モノタロウ(MonotaRO)のネーミングは以下3つに由来されます。

1.英語で“間接資材”を意味するMaintenance, Repair & Operationの頭文字を反映

2.間接資材流通業界の不透明かつ非効率な流通慣習という鬼を退治する正義の味方“桃太郎”にかけて

3.必要としている人たちに十分に“モノが足る”という意味を込めて

 

(参考)モノタロウ・沿革

https://corp.monotaro.com/history.html

 

5.ルネサンス(DICの社内ベンチャー)

DICが作った業界トップクラスのスポーツクラブ、ルネサンス

大日本インキ化学工業株式会社(現DIC株式会社)の社内ベンチャーとして、ボーリング場を改装して「ルネサンス テニススクール幕張」をインドアコート8面でオープン。その後、複合化して81年10月「スポーツクラブ ルネサンス幕張」と改称。

 

2003年12月にジャスダック上場。住友商事や三菱地所、帝人元子会社のそれぞれ傘下であったスポーツクラブを吸収合併しながら業容拡大。現在ではコナミスポーツクラブ、セントラルスポーツについで、業界3番手に位置しています。

 

(参考)ルネサンス・沿革

https://www.s-renaissance.co.jp/about/history/

 

 

新規事業のアイディアはあらゆる場所に点在している

5つの社内ベンチャー発の企業をご紹介しました。どの事例も社内で事業化した数年以内には法人化し、大成長を遂げています。

 

ご自身の身につけているブランドや、愛用しているガジェットなどの企業沿革をぜひ確認してみてください。アイディアの種を意外なところで発見できるかもしれません。

 

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