新規事業ってどう進めるべき?MVP作成からリリースまでの手順を紹介

前回の記事では事業のアイディエーションからMVPの作成までの手順を紹介しました。

今回はMVPでのフィードバックを得てから、商材のリリースまでの流れを掲載します。MVPをつくったあと、どのように仮説検証を繰り返してビジネスモデルをつくり、商材をリリースすべきなのでしょうか。新規事業の担当者はぜひ参考になさってください。

 

検証結果を踏まえて、洗練されたビジネスモデルを

1. MVPについての反応をインタビューで仕入れる

MVPはあくまで仮説であり、検証をしなければいけません。検証フェーズでは実際に顧客にインタビューをしましょう。「想定した結果だったのか」、「実際の顧客にはどのような課題があったのか」などを確認する必要があります。

あらかじめ作成していたMVPキャンバスに記載することで、仮説・検証の差異を俯瞰的に分析できます。

 

2. 事業の方向性やペルソナ設定を修正する

MVPで返ってきたフィードバックを参考に、ペルソナを含めたビジネスモデル全体をブラッシュアップしましょう。想定外の結果だった場合、修正をする必要があります。ペルソナの再設定をするうえでアーリーアダプターを特定することも必要です。他人を巻き込む力が強いアーリーアダプターを取り込むことで成功確率はぐっと高まります。

ペルソナを作成するときには、ペルソナキャンバスを利用することをおすすめします。ジョブ理論の観点からニーズを分析し、ペルソナの性質を導き出せるのが魅力です。アーリーアダプターを記載する欄もあります。

 

3. 新しいビジネスモデルの可能性を探る

仮説と検証で得た結果を踏まえて、新たなビジネスモデルを構築することが重要です。新たなビジネスモデルをカタチにするためには、どれほどリソースが必要で、そのくらいのコストがかかるのかを調べます。

 

4. 競合他社をリサーチしてターゲティング、セグメンテーションする

自身のビジネスモデルキャンバスを設定したあと、新たなターゲットを策定しましょう。そのうえで競合を調査します。他社のビジネスモデルを分析したうえで、どこで差別化を図るのか、また弱みはどこなのかを考える必要があります。

ビジネスモデルキャンバスは他社のビジネスモデルを分析するうえでも役に立ちます。各項目を踏まえて、強みと弱みを導き出しましょう。

 

5. 経営理念との整合、事業ミッション、ビジョンなどの再設定

新たにターゲティング、セグメンテーションをしたあとのビジネスモデルを踏まえて、事業のミッションやビジョンを作成します。社内スタートアップの場合、経営理念・戦略との整合をとることも重要です。会社というコミュニティである以上、経営理念との整合性がない事業は進めるべきではありません。また、整合をとることで社内での協力者も増えていきます。目指す未来を設定することで指針ができて、チーム内の動きが速くなるばかりか、後でぶれる心配もありません。

6. マーケティング戦略を練る

商材を提供するためのプランを詳細につくります。プロダクトやサービスのバリューを改めて分析し、訴求するポイントを決めます。どの部分をブランディングするのか販促やPRにはどれほどのコストがかかるのかどれほどの売り上げを得る予定なのか、などを決めていきましょう。

マーケティングのフェーズではジョブマップ事業環境マップ、ビジネスモデルキャンバスなどのフレームワークを状況に応じて使えます。詳しくは以下の記事からご覧ください。



7. プロダクトやサービスに工夫を加える

プロダクトやサービスを新たに開発します。適切なコスト、リソースを管理しながら無駄にならないようにつくりましょう。その際にコンプライアンスを守り、品質の基準を定めるのはもちろん、特許を取得すると、より他社と差別化できます。

 

8. コストと収益の関係を構築する

初期投資でどれほどのコストがかかるのかリリース後は月々いくらのコストがかかり、いくらほどの売り上げがかかるのか損益分岐点はどこなのか、などの財務計画を立てなければいけません。

財務計画を立てる際に役立つのが「リバース財務ツリー(逆損益計算書)」です。はじめに最終的な利益を設定したうえで、ゴールにたどり着くために抑えるべきコストと、立てるべき売り上げが分かるので、論理的に収益を計算できます。

 

9. ビジネスモデルを再設定する

1~8までの計画を踏まえて、最終的なビジネスモデルキャンバスを作成します。顧客のセグメント、提供価値、コスト、リソース、チャネル、パートナーなど、プロダクトやサービスの総合的なプランを決めましょう。

 

 

リリース後もモデルのブラッシュアップを

丹念にビジネスモデルキャンバスを組み立てて、いざ事業をリリースした後に、事業が軌道に乗ると安心してしまう場合もあります。しかし決して油断せず、継続的にブラッシュアップをしましょう。停滞したビジネスは他社から置いていかれてしまいます。時代のニーズをしっかりと見極めたうえで、適したビジネスモデルキャンバスを構築することで、長期的な視野でビジネスを成功に導けるのです。

今回の記事で紹介したフレームワークは、すべてBizMakeで利用できます。Web上から無料で使えますので、どなたでもぜひお気軽にご利用ください。

 

SNSでフォローする