
BizMakeの運営者が実践する仮説と実証の方法を大公開!
新事業を立ち上げる際には、提供価値・ビジネスモデル・マーケティングの設計が必要です。フェーズによってさまざまな視点で分析・戦略を練ることでしょう。思考が散漫にならないためにフレームワークを活用するケースも多いことでしょう。フレームワークにはそれぞれの役割と項目があり、連携して考えることで、より多角的な分析ができる場合も多くあります。
今回は、BizMakeを運営する私が普段、ビジネスの仮説立てと実証をする際に用いている方法をご紹介します。実際に事業を立ち上げを想定して、フレームワークの相互的な関係に触れながら解説します。
目次
BizMake運営者がよくやる仮説の流れ
戦略を練る際に、主に4つステップをとっています。それが「ビジネスの可視化」「外部環境分析」「セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング」「商材価値の設定」です。では各フェーズの実践について説明しましょう。
ビジネスを可視化
まずは考えているビジネスの可視化をします。自分がこれから実践するビジネスのカタチを可視化することが重要です。社内での新事業の際は「自社のリソースをどう生かすのか」また「業界での地位をどのように設定するのか」なども考えます。0からのスタートの場合はリソースもなく、コストもかけられません。顧客セグメントや提供価値はもちろん、各項目について現状思いつくものをすべて記載します。そうすることで頭の外に出し、客観視することができます。
外部環境分析
次に外部環境を分析します。ミクロとマクロの外部環境分析をしたうえで、自社がどのように戦うべきかを考察しましょう。ここでは競合や顧客はもちろん、サプライヤー、パートナーなどの要素についても考える必要があります。「つくれば売れる」という時代が終わった今、コモディティ化を避けるためにも、市場・顧客や競合などの分析は必要不可欠です。
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
自社の強みや弱み、外部環境を把握したうえで、ターゲティングや差別化について考えましょう。顧客のニーズに当てはまる商材をつくるのはもちろんのこと、独自の価値を提案することが事業を成功に導くうえで、最も重要なことになります。まずセグメンテーションで市場をいくつかのグループに分けたのち、狙うべきグループをターゲティングします。そのなかでポジショニングマップを書くなどして、他社との差別化を考えましょう。
ビジネスモデル
差別化やターゲティングができたら、マーケティングの設計に移ります。ここではサービスのデザインや機能、価格、チャネル、プロモーションの方法などについて、具体化していきましょう。これまでの分析を元に、ビジネスモデル化をしていく段階です。
もちろん、ここまでのマーケティングでは仮説の範疇を出ません。実際にユーザーインタビューやMVPをつくって反応をみたりと、よりニーズに近づけるためにブラッシュアップをすることが必要です。
4つのフェーズで使うべきフレームワーク
では、この4段階のフェーズで役立つフレームワークと、相関するマーケティングの手段について解説します。ポイントはそれぞれのフレームワークの組み合わせを重視することです。
ビジネスの可視化
ビジネスを可視化するために「ビジネスモデルキャンバス」の9つの項目で整理することが効果的です。ビジネスモデルキャンバスによって、要素ごとに整理でき、ビジネス全体を可視化できます。また、提供する価値を考察するためにジョブ理論を活用します。ジョブ理論は顧客のジョブ(機能的・感情・社会的)に着目することで課題を見つけるのに有用な思考法となります。あとの、環境分析やセグメンテーションの際にもジョブ理論の視点で考えています。
外部環境分析
外部環境分析では、マクロとミクロの両方を見つめなければいけません。マクロの領域を分析するためにPEST分析を用いましょう。「政治」「経済」「社会」「技術」という4要素から自社を取り巻く状況を把握できます。ミクロの外部環境は5forces分析が効果的です。「買い手」「売り手」「競合」「新規参入者」「代替品」の5項目を把握できます。
この2つのフレームワークは相互に関係しています。例えば「政治」の変化によって「新規参入者」の登場の可能性は大幅に変わりますし、「社会(トレンド)」の変化によって買い手の交渉力も増減するでしょう。
また5forcesの「競合」を起点に、「自社」「競合」「顧客」を分析するフレームワークである3C分析を併用できます。5forcesで設置した「競合」をそのまま3C分析に生かすことで、顧客・市場のニーズや自社の強みの把握にもつながります。
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
市場を細分化してから、売るべきターゲットを把握して、競合との差別化をするためのフレームワークです。
セグメンテーションに「ジョブ理論」、ターゲットを具体化したり、チームで共通言語をつくるために「ペルソナキャンバス」を活用します。
描いているビジネスに対するセグメンテーションとターゲティング、前段の市場・競合分析と組み合わせてポジショニングを決定していきます。
マーケティングミックス→ビジネスモデルキャンバス
ここまでを分析したら再度ビジネスモデルキャンバスの仮説レベルを高めていきます。
マーケティング戦略の際にはマーケティングミックスの代表格である「4P分析」や「4C分析」を使われる方も多いかと思います。4P分析は「商品」「価格」「場所」「販売促進」の4要素を決めるためのフレームワークであり、4C分析は4P分析を顧客目線に置き換えたものです。ビジネスモデルキャンバスは4P,4Cの要素を内包しているため、ビジネス全体の流れとの整合をとるためにビジネスモデルキャンバスにまとめるのが良いと感じています。
フレームワークを組み合わせて仮説レベルをあげる
フレームワーク同士で、同じ内容を記載する部分は往々にしてあります。各手段を組み合わせて使うことで、自然と広域のマーケティングができるのです。1つのフレームワークだけでは見えてこなかった部分までを把握できますので、ぜひご活用ください。
最終的には、ここまでの計画をビジネスモデルキャンバスにまとめることで、仮説が完成します。あくまで仮説のため、インタビューに行ったり、MVPに生かして検証をしていくことが大事です。
