
新規事業提案制度でローンチしたサービスまとめ、リクルートの強さの源泉は何か
新規事業提案制度といえば、少し前までは業界団体を中心としたビジネスプランコンテストでアイディアを磨き上げるのが一般的でしたが、現在では、とくに大手企業を中心に新規事業提案制度が当たり前のように存在しています。
リクルートの「Ring」やパーソルの「Drit」などが挙げられますが、有名企業の新規事業提案制度はどのようなものがあるのか、そして立ち上がったサービスはどのようなコンセプトが多いのかを調べてみました。
※制度概要など、情報公開性の高いものを中心にピックアップしています。
目次
リクルート「Ring」
概要
リクルートグループの従業員は誰でも自由に参加することができ、社外の方もチームメンバーとして参加可能。テーマはリクルートの既存領域に限らず、ありとあらゆる領域が対象。直近のRingでは約1,000個のプランが提出された。
新規事業提案制度発のサービス
・ゼクシィ(ウェディング、ブライダルなど結婚準備情報が網羅されている情報誌・ウェブサイト)
・カーセンサー(中古車情報が網羅されている情報誌・ウェブサイト)
・スタディサプリ(小中高校生を対象とした自主学習型のウェブサービス)
パーソル「Drit」
概要
エントリーから最終プレゼンまでの工程は約6ヶ月間。パーソルグループのリソースや、事業化支援に強みを持つサポーターとのメンタリングなど、最大限活用できる充実したインキュベーション体制を備える。採択された案件は原則事業化へ。
新規事業提案制度発のサービス
・ミイダス(職務経験やスキル情報、適性からユーザーの強みを診断する転職アプリ)
・AUBA(企業同士をつなぐオープンイノベーション)
LIFULL「SWITCH」
https://startupstudio.lifull.com/switch/
概要
スタートしたのは2006年。子会社グループ会社を含む全従業員、内定者から年間150件以上の新規事業提案が寄せられる。入賞したアイディアは、フィジビリティスタディで承認されると事業化され、最短1年から1年半ほどのスピードで子会社として完全に独立。提案者自らが経営に参画することが可能。
新規事業提案制度発のサービス
・Sufu(スポーツ現場で役立つ練習メニュー・トレーニング方法を動画で学べるサービス)
・LIFULL FLOWER(季節の花を毎月お届けする「花の定期便」サービス)
・CLEAN FOOD(健康と環境保護に配慮した、個人向け冷凍スムージー宅配サービス)
ソフトバンク(ソフトバンクイノベンチャー)
https://www.sbinnoventure.co.jp/
概要
ソフトバンクグループ社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー(SoftBank InnoVenture)」で事業化検討決定されたアイディアの実現に向け、支援を行う法人がある。これまでに約6,600件の応募があり、審査を通過したのは81件(通過率1.2%)、事業化したのは16件。
新規事業提案制度発のサービス
・PassMarket(PC・スマートフォンなどイベントチケットを販売、購入できるサービス)
・e-kakashi(農業を科学的に支援するサービス)
・ユビ電(コンセントで使った電気代を簡単に記録、清算できる「WeCharge」を運営)
三菱地所
https://www.mec.co.jp/j/saiyou/fresh/challenge/newbusiness.html
概要
新規事業提案制度の一次審査応募後(2018年では約20組が応募)、6件が審査通過。その後は通常業務と新規事業創造部の兼務となり隔週でブラッシュアップ。半年後の二次審査を経て事業化。勤務地などは問われない。
新規事業制度発のサービス
・GYYM(固定費不要で「すきなとき、すきなだけ」ジム通いができるサービス)
・Hmlet Japan(住まい新しい価値を付加して、柔軟なライフスタイルを支援するサービス)
その他新規事業制度がある大手企業(随時更新)
・住友商事
・豊田通商
・関西電力
・ネスレ
・LION
・味の素
・GMOインターネット
・JR東日本
・東急グループ
・小田急電鉄
・博報堂
・NTTDocomo
・ソニー
・ヤマハ
・凸版印刷
・大和ライフネクスト(Next Create & Challenge)
・阪急阪神ホールディングス(ニュートン)
・三井不動産
他社を卓越するリクルートの新規事業提案制度「Ring」は何が凄いのか
各分野における業界トップ企業を中心に新規事業制度は存在していることは確認できましたが、世に浸透しているサービスの多さ、規模感というカットで見た場合、リクルートが群を抜いていることがわかります。
では、何が優れているのか。以下のように考えました。
Ringの強み
・層の厚み。Ringがスタートしたのが1982年。以来約40年、新規事業制度を続けている。
・柔軟な体制。近年では外部からの参加者も認めている
・アイディアの数。直近での提案件数は1,000件
・提案者の想いを重視。日々のアイディアブラッシュアップはフラットな形で
・徹底的な現場主義。産業構造の課題とリクルートの強みを合わせた課題解決
(参考)https://newspicks.com/news/4736033/body/
新規事業推進に悩んだときは、大手企業の新規事業制度を参考にすることをファーストステップにしてみては?
情報公開性の高い大手企業の新規事業制度を中心に取り上げ、なかでもリクルートの新規事業創出パワーの源はどこに由来しているのか、というカットでご紹介しました。
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