
【2021年版】ライターのキャリアパスとは|「文章だけ」ではなくマーケターの視点を
出版不況とテクノロジーの進化が重なって、ライターの主戦場は誌面からWebに移っています。時代が変化するに連れて、働き方の変化を迫られているのは確かです。今回はライターの働き方が変わった理由や、これからのライターに必要なスキル、ライティング時に使うべきビジネスフレームワークをご紹介します。
目次
ライターに変化をもたらした3つの要因
ライターの働き方を大きく変えた要因は3つあるでしょう。
1. 出版不況による紙媒体の縮小
1つは出版不況です。若者の活字離れや、書籍のクラウド化によって長年愛された雑誌やフリーペーパーなどが廃刊や規模縮小を余儀なくされています。
書籍自体が少なくなり売り上げが下がるにつれて、出版社にとっては執筆料として割けるコストが少なくなりました。ライターとしてはそもそものパイが減ったうえ、単価が下がっているという現状があります。
2. SEOライターの登場
出版業界が衰退する反面、オウンドメディアやホームページなどのWebサービスがライターの舞台となりました。そこで登場したのが「SEO」です。「Search Engine Optimization」の略で「検索エンジン最適化」と訳されます。
検索プラットフォームが検索ユーザーに向けて、最適な答えを提示できるように構築したアルゴリズムのことです。Webを主戦場とするライターにとって「正しい日本語を使う」や「具体性のある記事を書く」の他に「SEOを意識して書く」という能力が必要になりました。
3. クラウドソーシング
3つ目は「クラウドソーシングサービス」の隆盛です。「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのサイトが人気になり、時間の空いた主婦の方やアルバイト感覚の学生に人気の職業になりました。
それまで1文字10円近くが相場だった業界でしたが、能力がなくても仕事を引き受けられるようになるにつれて1文字1円以下の案件が増えています。
これからのライターに求められること
これら3つの要因によってライターのキャリアは従来とは変わってます。ライターというよりも、コンテンツマーケターとしてのスキルが必要です。具体的には以下の3点の仕事が求められています。
集客をつかさどるSEOマーケターとしての能力
SEOは現在でも集客施策として役立つスキルです。集客施策としては「広告」や「営業」などがありますが、広告はクリック単価や獲得単価によってその都度費用が掛かりますし、テレマーケなどの営業戦略はCVRが低く、メンバーが疲弊してしまうのが常です。
なかでも検索ユーザーをターゲットにしたオウンドメディア施策は一度記事を作ってアップすれば、ずっと”営業マン”として働いてくれます。しかもCVRも高い。インターネット広告のなかでも検索エンジンのリスティング広告は単価が高いことで知られています。これはCVRが高いからです。つまり検索結果の上位にあげるだけでCVにつながりやすいユーザーを囲い込めることになります。ただ記事を書くだけではなく、その前提としての集客戦略を考えたうえで実行をする能力が必要なのです。
マネタイズまでのマーケティング施策をすべてやりきるスキル
ただしオウンドメディアだけの戦略ではもちろん集客までで止まってしまいますので、会社の収益にはつながりません。「どの市場か」「どのような訴求か」などを把握したうえで、マネタイズまでもっていくためのマーケティングスキルが必要になります。
「それは別のマーケターの仕事だ」と思うかもしれません。しかし訴求がずれてしまうと、施策効果が最大化されず、満足なデータを取れなくなってしまいます。集客からマネタイズまでの視点を持っておくことが必要なのです。
これからのライターはマーケターを目指すべき
ライターの単価が下がるのと同時に、活躍の舞台がWebに移っています。特に「SEO」は大きな変化です。あるキーワードに関して、検索順位を高めるようなライティングが求められています。
これまで重視されていなかったサイトタイトルやページタイトル、メタディスクリプションなどを含めた書き方が求められているのです。WebライターのスキルとしてSEOは欠かせません。
検索結果を高める理由は、もちろん自社サービスのサイトやホームページにユーザーの流入を集めたいからです。その結果、サービスの登録者数を増やしたり、商品の購入につなげてコンバージョン率をアップさせることが、ライターの仕事になっています。
つまり現在のライターは、マーケターに近い働き方を求められているのです。文章力だけでなく、ターゲットの検索ワードを熟知しましょう。そのうえでキーワードを設定してSEOライティングで検索順位を上げ、コンバージョンにつなげるために、必要不可欠なフレームワークをご紹介します。
ライターとしてマーケティングも手がける
1. ジョブマップでニーズに合ったライティングを
顧客の課題を「ジョブ」、解決するためにサービスやプロダクトを用いることを「ハイア」とする「ジョブ理論」。「ジョブ理論」に基づいて組まれたフレームワークが「ジョブマップ」です。顧客のニーズをより具体的にすることで、訴求力が高い文章を書けます。
2. 共感マップで、ペルソナの感情を動かす文章を
共感マップでは、まず商材を利用してくれる「ペルソナ」を設定します。その後、ペルソナの感情や行動を予測する6項目を埋めることで、共感を得られる文章をよりリアルに設定していくのです。設定が終わっても、実際にユーザーにアンケートを取りながら、ブラッシュアップすることを忘れないようにしましょう。
3. ビジネスモデルキャンバスで、より詳細なビジネスモデルを構築
その名の通り、ビジネスモデルを俯瞰的に可視化するのがビジネスモデルキャンバスです。「顧客」や「プロダクトの価値」「かかるコスト」などの9つの項目から、サービスやプロダクトのビジネスモデルを設定できます。クライアントやデザイナー、エンジニアなどのチーム全体で俯瞰的に目標を確認できるのがメリットです。
4. 外部環境の変化に対応できるライターになるための事業環境マップ
ビジネスの周りの環境は毎日のように甚だしく変化しています。「事業環境マップ」とは「市場」「産業」「トレンド」「マクロ経済」の4つの変化に対応するためのツールです。変化に合わせてライターとしての文章も変える必要があります。競合に対する優位性などを踏まえたうえで、力を入れるべきコンテンツが決まるのです。変化の速度が高まっているからこそ、事業環境マップを描きましょう。
5. MVPキャンバスで、確実に顧客にリアクションがもらえる文章を書く
フレームワークでサービスやプロダクトの詳細なモデルを決めても、そのまま文章をリリースするのはやはり危険です。そこでMVPキャンバスを使って、α版やβ版をリリースし、顧客のリアクションを探りましょう。仮説と検証をすることでブラッシュアップでき、ロジカルに「ウケる文章」をリリースできます。
「文章だけ」のライターは淘汰されていく
ライターの9割はフリーランスだといわれています。固定給ではないからこそ、常にトレンドを見て「必要とされる」スキルを磨かねばなりません。
これから出版業はさらなる縮小を余儀なくされるでしょう。紙媒体のパイがなくなるにつれて、Webに主戦場を移す必要があります。また簡単な文章だったらアウトソーシングで素人に任せるようになり、単価も下がっていくでしょう。SEOを含めてマーケティングができるライターこそ、市場で重宝される存在であり続けられるのです。
今回は使用した6種類のフレームワークは、BizMakeに揃っております。誰でも無料で使用できますので、将来に向けて収益性が高いライターであり続けたいと考えている方はお気軽にご利用ください。
