
【2021年版】デザイナーからUXデザイナーに進化する必要性・成長する手法
デザイナーにとって、今重要視すべきなのは「デザインをはじめる前のプロセス」です。デザインの知識が豊富で、複雑なコードを書けることよりも、ユーザーの反応を想像して「また使いたい」と思わせることのほうが価値が高まっているといえます。
つまり現在のデザイナーに求められているのは「UX」を満たすことです。「UX」とは「ユーザーエクスペリエンス」の略で「ユーザーが体験して、どのように感じるか」ということを指します。
「UXデザイナー」という言葉は今や一般的になっており、これからデザイナーが市場を生き抜くうえで欠かせないキーワードです。そこで、今回はユーザーの感情やニーズをきちんと掴めるUXデザイナーになるために役に立つビジネスフレームワークをいくつかご紹介します。
目次
クライアントとともにユーザーを見つめること
これまでのデザイナーは、クライアントからの要望に対して忠実にデザインをすることが求められていました。クライアントがユーザーのペルソナを設定し、大方のデザインをディレクションしたうえで、デザイナーに要望を伝えるのが一般的な流れだったのです。Webやグラフィック、インテリアなど、あらゆる業界のデザイナーが「クライアントの要望通りのデザイン」を仕上げてきました。
しかしUXが重要視されるに従って、デザイナーがクライアントと協力してマーケティングをする必要が出てきました。ビジネスモデルを含めたうえで、ユーザーの心を動かせるデザインをしなければいけません。そこでキーワードとなっているのが「デザインシンキング」です。
感情を動かすために必要なデザインシンキングとは
数年前に「ロジカルシンキング」という言葉が流行りました。信頼できるデータをもとに、理論武装を挟みながら、論理性をもって考える思考法を指します。しかしロジカルシンキングだけでは現在のビジネスは生き残れません。あまりに膨大なデータが蓄積されたため、差別化が難しくなってしまったのです。データに忠実につくっていては、競合を含めた周囲の会社とデザインが同じになってしまいます。
そこで注目されているのが「デザインシンキング」です。ただ単にデータをもとにデザインするだけでなく、ユーザーの「感情」に訴えるデザインが求められています。使ったときの体験で「楽しい」や「おもしろい」「また使いたい」を感じさせるための思考法が、デザインシンキングです。ロジカルシンキングに比べて、ユーザーのエモーショナルな部分に働きかける考え方と言い表せます。コンテンツを使って他社と差別化した価値をつくりだすために、UXデザイナーにとってデザインシンキングは必須でしょう。
フレームワークでUXデザイナーとしての仕事を実現
UXデザイナーとしてデザインをするうえで役に立つ、3つのビジネスフレームワークをご紹介します。「また見たくなる、使いたくなるデザイン」をつくるうえで欠かせない工程です。
1. 共感マップでペルソナの感情や思考を可視化する
顧客の本質的なニーズや思考を具体化するために作成するのが「共感マップ」です。このフレームワークで、最初にデザインを届けるべき「ペルソナ」を設定します。ユーザーがすべての中心となりますので、アンケートやインタビューを通して慎重に決めましょう。
その後、ペルソナが「普段から見ていること」や「周りから聞いていること」「考えて感じているが実際に行動には移していないこと」「周りに向けて発言し、行動していること」そして「感じているフラストレーション」「顧客が欲していること」の6項目を埋めていきます。チーム全体でブレインストーミングをしながら、設定していきましょう。設定し終わったら、実際にユーザーにアンケートを取りながら、ブラッシュアップすることが必要です。
2. ビジネスモデルキャンバスでより詳細なモデルを具体化する
次に作成するのが「ビジネスモデルキャンバス」です。共感マップのペルソナに呼応する形で「顧客セグメント」を設定し、デザインによって「どのような価値を提供できるのか」を決めます。バリューを提供するために必要な「チャネル」や「顧客との関係を構築する方法」「進めるべき活動」「活動で生じるコスト」「必要なリソース」「収益源」と9つの項目から具体的なビジネスモデルを定めていきましょう。
3. MVPキャンバスでコストを下げてブラッシュアップを
明確なモデルができたからといって、そのままリリースするのはあまりに危険です。プロトタイプを用いて顧客の反応を伺うことで、効率的にブラッシュアップするための材料が手に入ります。MVPキャンバスを用いて、仮説・検証を進めましょう。
MVPキャンバスでは、はじめに「仮説の内容」を打ち立てます。その後「何を検証するのか」や「検証する方法」「期間やコスト」「検証によって発生するリスク」などを定めることで、できるだけコストを抑えたうえで仮説・検証が可能になるのです。リリースの前にプロトタイプをはじめとするMVPを設定し、さらなるサービスのブラッシュアップに役立てましょう。
企業側として「マーケター」「ディレクター」「デザイナー」を並列化することが重要
UXデザイナーとしての知見を得ても、企業の体制によっては満足な活躍ができないかもしれません。クリエイティブをつくる流れはほぼ決まっていて、マーケティング担当者(プロデューサーを含む)がターゲットやバリュープロポジションを把握したうえで、クリエイティブの全体像を考えてからディレクターがデザインやライティングなどの制作指揮を取り、最終的にデザイナーがカタチにするという流れがあるからです。この場合、デザイナーは意見すら言えず、社内でも下請け仕事のような業務になってしまう可能性があります。
企業としては、こうした上下のフローを並列にすることが重要です。全体のミーティングの時点でデザイナーにも参加をしてもらい、UX的観点から意見を出してもらうことが大事になります。
BizMakeを使ってUXデザイナーを目指す
これからはUXデザイナーとしてビジネススキルが求められます。マーケターやディレクターの思考を持ったデザイナーが生き残る時代です。
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