代替肉でフード市場を破壊⁉ イスラエル初フード技術IPO企業「SavorEat」をビジネスモデルキャンバスで分析

食は多様化し、豊食の時代に宗教上の理由で特定のものを食べないや、動物性食品をいっさい口にしない人もいます。また、昨今の健康志向に伴い、食に対する意識も常に変化してるのではないでしょうか?

そんな中でイスラエルのフードテックSavorEatは3D印刷技術を使った完全植物性の代替肉の開発を進めています。フード市場を破壊する可能性を秘める企業かもしれません。

今回は、「SavorEat」についてビジネスモデルキャンバスで整理してみました。

 

 

フードテック「SavorEat」とは?

SavorEatは2018年に設立された、イスラエルのスタートアップ企業です。同社のソリューションは、独自3D印刷技術と栄養価の高い植物ベースの食材を組み合わせ、調理、グリルすることができる代替肉の作成を可能にします。

SavorEatの代替肉が注目されている点として、脂肪、腱、繊維など「本物の肉の味と食感」を体験できるところです。従来の食品製造技術よりも柔軟性が高く、消費者一人ひとりの好みに合わせた製品として提供することができます。
また、他の代替肉企業と違う特徴としては、在庫管理と包装の必要がないことが挙げられます。SavorEatの代替肉は、顧客がすぐ食すことを想定しているため、冷蔵保存する必要がありません。貯蔵においては、室温で数か月保存できるとのことです。
製造と調理のプロセス全体で人の手を加えず完全に自動化となっており、現地でのオンデマンド対応が行えると発表しました。代替肉という価値はもちろん、在庫・包装作業・人材などのコスト削減、そしてエネルギー・温室効果ガスの削減にもつながり環境にもやさしいというサプライチェーン再構築につながるソリューションを提供しているのです。

同社は今年1月にイスラエルの人気ハンバーガーチェーンBurgus Burger Bar(以下、BBB)との提携を発表しています。2021年の夏までに、BBB店舗で3D印刷と代替肉の試験運用が開始を予定しており、海外展開も視野にして入れているみたいです。近い将来、日本でもSavorEatの代替肉を食べれる日が来るかもしれません

 

 

SavorEatのビジネスモデルキャンバス

では、SavorEatのビジネスモデルをビジネスキャンバスを用いて整理してみましょう

 

1. 顧客セグメント

顧客は、飲食店オーナーとハンバーガーチェーンBurgus Burger Barの利用者にセグメントされます。
現在開発段階であるため、アレルギー食品を取り扱っている飲食店や人件費、調理コスト、フードロスの削減を考えているいるオーナー。完全菜食主義者、代替肉に興味がある方。ライフスタイルや健康状態などの特定の条件に応じた料理を食べたい方といったジョブをもっている方が顧客にあたります。

 

2. 提供価値

代替肉として本物の肉の味、食感を模倣。個々の消費者に合わせた製品のパーソナライズが可能といった新しい味覚体験の提供が価値となります。
また、SavorEatの代替肉は冷蔵の必要がなく室内で長期貯蔵(フードロスの削減)。自動調理システムにより人件費の削減といった点も利点です。

 

3. チャネル/販路

2021年の夏に試験運用が開始予定に伴う提携店舗による販売やWEBサイト、SNSが主なチェネルになります。また、イスラエルのテルアビブ証券取引所(TASE)で史上初のIPOを果たしたことによるメディア情報も販路開拓に一役かっています。

 

4. 顧客との関係

SavorEatソリューションの提供(コスト削減、代替肉の提供)やヴィーガンバーガーの販売が関係性構築に役立っています。

 

5. 収益の流れ

SavorEatの導入費やヴィーガンバーガー購入代のマージンが売り上げにあたるでしょう。

 

6. 主要な資源

スマートロボットの3D印刷技術や開発に伴う豊富な人材が主なリソースです。

 

7. 主要な活動

完璧な植物ベースの製品開発「SavorEat」とマーケティング活動が主な活動です。

 

8. 主要パートナー

開発に関係するエンジニア、今後パートナーとなりうる企業、提携機関が該当します。

 

9. コスト構造

かかるコストはSavorEatの開発・運営費。マーケティングコスト、広告掲載料となります。

 

 

食を破壊する日は近い?

今回はイスラエルのフードテック企業「SavorEat」をビジネスモデルで整理してみました。SavorEatは自社サイトにて「肉類似物の3D印刷で食品業界を混乱させる準備ができています」というメッセージを発信しています。
フード市場を破壊し、再構築する日はすぐそこまできているのかもしれません。

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